百田さんの書いた小説は読んだこと無いし、それを元にした映画も見たことないんですが、映画を見た人の反応から伺うに、人間ドラマとしては悪くないものだったみたいですね。作家としては善と悪を超越したところに存在する人間の美しさを書くことがひとつの究極だと思うのですが、逆に言うとそこの善と悪を単純に持ち込んでしまうようなのはちょっと残念な感じで、そういう意味では過去の人間の生き様を承認するために歴史認識についてとやかくいう必要は本質的にはないというか、そこで正当化しないといけない理由があるのはある種の矮小化といえるのではないかと思う今日このごろです。 いずれにしても、作家としての本分というものは社会的価値観とは必ずしも一致しないというよりは一致しないほうが多いと思うので、作家という職業の人が政治的な立場での活動をすることはその作品を生み出す情念が多分に政治的なものであるという表明と見なされるのが一般