シリアで拘束されていた後藤健二さん殺害のニュースを聞いたのは、バンコク出張からジュネーブに戻る日のこと。無事の帰還を祈り続けていたが、願いは叶わなかった。 フィンランド航空の機内から眼下に広がる雲海を見つめながら、彼と最初に会った日のこと、彼と一緒に東日本大震災の被災地を回った日々のことが頭の中を駆け巡った。彼がどんな気持ちでシリアに向かったのか、どんな思いで拘束されていたのか、考えるだけで胸が苦しくなる。 彼の拘束中、どこから聞きつけたのか、日本のいくつかのメディアから「後藤さんについて話してほしい」と依頼があった。 当時、日本の報道やソーシャルメディアでは、彼に関する様々な情報、憶測、意見が流れていた。中には、後藤さんを直接知らない人々が根も葉もない噂を立て、本質とは違うところで批判・中傷をし、後藤さんの過去や家族を面白おかしく書きたてるものもあった。 彼の名誉のためにも、知人の一人と
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