ポ村で一人。 誰にも気付かれることのない深夜… “人を殺す薬”を作っている男カシュウ。 ポ村で作る理由は、致死性が高いと言われている毒草があると聞いたからだ。 噂レベルではあるのだが、ポ村の上空に浮かんでいるという。 空中に浮かび虫を捕食して、栄養を取り入れているため“食虫エアプランツ”と言われているらしい。 外に出ていたカシュウは、羽音に気付いてカラスの足をつかまえる。 「ああっ!アナタさまは」 「頼んだものは?」 「持っていないのだす」 「なんで?」 「見つけられなかったのだす。 虫が多いところにいると思って、探したの出すけれど… ついワタスが虫を食べることに、夢中になってしまったのだす」 「……」 「ごめんなさいだす」 上空を見上げるカシュウ。 そこには星空が広がっていた。 「ごめんなさいだす」 鈍くさそうなカラスはまだ謝っている。 「星が落ちてきそうだ」 カシュウは星空から目をそら