<カスハラを考える・後編> 客による理不尽な要求や暴力的行為など「カスタマーハラスメント(カスハラ)」について考える2回連載。前編では民間企業の問合せ窓口などでカスハラに苦しむ労働者の実態を紹介した。 後編は東京23区のある自治体が舞台だ。公共事業を巡る住民側とのやりとりについて、区側が「一般論」との断りを入れつつも、議会答弁で「カスハラ」という言葉を用いる場面があった。「区民にカスハラのレッテルを張るのか」などと批判が上がり、住民側も「活動の萎縮につながりかねない」と危惧する。ただ、区側にも言い分があるようだ。 カスタマーハラスメント customer(顧客)とharassment(嫌がらせ)を組み合わせた造語。顧客や取引先などが立場を利用して企業・従業員に過度な要求をしたり暴言を吐いたりする迷惑行為を指す。厚生労働省は2022年、企業向けの対策マニュアルを作成。東京都の小池百合子知事は