それは1979年9月初旬のこと。社長室に呼ばれたA氏。緊張した面持ちで聞いたのは、永谷嘉男社長(当時)の信じられない言葉だった。「当社は、次に何を開発するかという点が弱いと感じている。そこでこれからの2年間、食べたいものを食べ、行きたいところに行き、とにかく“ぶらぶら”して新商品のアイデアを考えることに専念して欲しい。出社は自由。経費は使い放題。報告書も不要だ」。かくして前代未聞の社内制度「ぶらぶら社員」は誕生した。 永谷嘉男は永谷園の創業者。会社設立のきっかけとなった「お茶づけ海苔」をはじめ、「松茸の味お吸いもの」「すし太郎」といったヒット商品を世に送り出してきた。会社の中で机に向かっているだけが商品開発ではない。意外な場所で意外な時に斬新なアイデアが生まれる可能性が高い、というのが持論。しかし社長としての業務に追われる自分が“ぶらぶら”するわけにはいかない。そこで商品開発の能力とセンス
![第1話 辞令「ぶらぶら社員」殿 | マンガ「麻婆春雨」の開発秘話 今日も元気に開発日和♪ぶらぶら社員が行く! | 麻婆春雨(マーボはるさめ) | 商品ブランド | 永谷園](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/477e44cb531f8c3a339c8f12159a4a4715d10769/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.nagatanien.co.jp%2Fassets%2Fimages%2Fogp.png)