2月10日は、ぼくの30才の誕生日だった。 長かったような気もするし、短かったような気もするこの30年。でも、そんなあいまいな感想じゃなくて、せっかくだからその長さを実感したい。 誕生日の1日で。 (text by 三土たつお) 自分がかつて過ごした場所をさかのぼろう 30年間、振り返るとあっという間だ。でもそれは、過去にあったいろいろなことを忘れているからかもしれない。 ここまでのあいだ、住む場所も変わったし、所属する場所も学校から社会へと変わってきた。それらの場所へ、年代をさかのぼりながら実際にたずねていくのはどうだろう。30年の長さを少しは実感できるような気がする。 せっかくなので、それを誕生日の1日でやりたい。そして、ちょうど自分が生まれた時刻に生まれた場所にいるようにする。 30年を1日に圧縮して逆回しする感じになるんじゃないか。