夕食を食べた後、干しっぱなしだったタオルを取りにベランダへ出た。突っ掛けサンダルを履き、タオルを固定していた洗濯ばさみを外すと、私は両手でタオルをするっと引っ張った。 その先に星がいくつも輝いている夜空が見えた。 「今日は星が綺麗だよ」 娘に話しかけた。 「じゃあ、散歩に行こうよ」 娘が提案した夜の散歩。楽しそうなので一緒に行くことにした。 ふたりで歩道を歩いた。夜道は足音も話す声も大きく聞こえ、私達だけの部屋がそのまま移動しているような気がした。 信号を渡り、真っ暗闇の中でひっそりしている公園の前を歩いた。 「ブランコ、乗ってもいい?」 「少しだけなら」 私が公園に来たのは半月ほど前だったが、その時と比べると草が大きく育っていた。ブランコにたどり着くまでに草の間を歩いたが、足に当たる草が痒くて仕方なかった。 娘はブランコに腰掛けると、勢いよくこぎ始めた。 きい、きい。 ブランコの繋ぎ目が