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文学に関するmasarin-mのブックマーク (19)

  • 第2話 「雑踏」3 - 人生で迷っている人たちの短編集(まさりん) - カクヨム

    やがて僕たちの短い旅の目的地の前に到着した。山野楽器である。ここでシホがナカムラにギターを買い、ついでにイルミネーションでも見ようとここまでやってきた。CD売り場である一階を尻目に四階のギター売り場へとエスカレーターに乗った。エスカレーターは片道で、帰るときは階段を降りなければならない構造になっていた。 四階に着く。エスカレーターの終点はフロアの中央に位置している。僕たち三人は、クラシックギターやアコースティックギターを眺めつつ、手前奥にある、エレキギター売り場へと向かう。 売り場の奥から、ギターをチューニングするハーモニクスの音が聞こえた。壁際にある通路の手前の床には所狭(ところせま)しとエレキギターとベースが並んでいる。壁と中央にはガラスのショーケースが並ぶ。床に立っているのは比較的廉価なギターだ。ケースのなかには数十万円のギターが並んでいる。奥では五十歳くらいの中年男性による試奏(し

    第2話 「雑踏」3 - 人生で迷っている人たちの短編集(まさりん) - カクヨム
  • 箱の中 - 怪談「徒然草子」

    箱の中 お坊様が橋の途中で、箱を手に持った美しい青い着物を着た女に会いました。 「お坊様、この箱を隣町の橋にいる女に渡して欲しいのです。隣町へご用事があるでしょう。そのついでで構いません」 女はお坊様に言いました。 お坊様はその言葉を怪しいと思いました。 この女はなぜ隣町へ行くと知っているのでしょう。 お坊様が女を怪しんでいると、が女の体を何もないように通り抜けました。 お坊様はこの女が鬼だと確信しました。 「それは構いませんが、橋の上の女性だけでは違う人に渡すかもしれません。名前などを教えてください」 「わかりますよ。ただ箱の中は絶対に見てはいけません。それはあなたのためです」 お坊様の言葉に女がそう答えると、女は消えてしまいました。 そして、お坊様は女が持っていた箱をいつの間にか手に持っていたのでした。 お坊様はとりあえず箱を寺に持って帰ってみることにしました。 怪しい物なので、お坊

    箱の中 - 怪談「徒然草子」
    masarin-m
    masarin-m 2018/11/16
    どうして童の目が無くならなかったんだろう。お坊さまがいわなかったからか。
  • 伝聞昔話「夢蜂長者」(楽しい民話) - 怪談「徒然草子」

    伝聞昔話「夢蜂長者」 二人の男がいた。 一人は若者で、もう一人は老人だった。 二人は馬が合いいっしょに旅をしていた。 ある晩、若者はぶんぶんという音に眠りをじゃまされた。 ぶんぶん 黄金の山に ぶんぶん 鉢が飛ぶ 鉢はそう歌いながら老人の鼻の穴に入っていった。 朝になり事をしていると、 「昨日は変な夢を見たよ。鉢になって西にある光る蜜柑の木の下に埋まってある黄金を見ている夢だった」 老人の言葉を若者はこれは当の夢だ。正夢だと思った。 この老人は信じていないが夢の通りにすれば金持ちになれると思った。 そして、若者は老人と別れて西へ蜜柑の木を目指して歩いて行った。 西へ西へと若者は向かった。 そして、陽の光を反射してきらきらと光る蜜柑がなっている木を見つけた。 「やった、みつけた。これで金持ちだ」 若者は喜んだ。 そして夢中で蜜柑の木の下を掘ると黄金の入った袋が出てきた。 その晩、若者は夢

    伝聞昔話「夢蜂長者」(楽しい民話) - 怪談「徒然草子」
    masarin-m
    masarin-m 2018/11/12
    説教臭くなくていいね。一昨日の夢で、総武線の中でヤンキーと戦う寸前の夢を見た私は、総武線にしばらく乗らない方が良いのだろうか。
  • 「わたしたちが孤児だったころ」カズオ・イシグロ - 読書の栞

    カズオ・イシグロは2017年にノーベル文学賞を受賞した作家だ。日人としてはノーベル文学賞と聞けば、村上春樹が頭に浮かぶ。カズオ・イシグロは村上春樹の弟分を辞任していたと思う。 今回、初めて作品を読んだ。ウィキペディアで見てみると、非常に寡作な作家だ。 「日の名残り」で89年にブッカー賞を取っている。ブッカー賞とは英語圏最高の文学賞だ。 さて、概略をあまり書いても仕方がない。作品に触れよう。 主人公は、クリストファー・バンクスという探偵だ。 昔、上海の租界で暮らしていた。租界とは、複数の国家が共同で管理した治外法権の租借地だ。ややおおざっぱだが、イギリスや複数国家の植民地をイメージすればいい。 クリストファーは上海で一人の日人と出会う。それはアキラという名前の同年代の少年だ。子どものとき、お隣さんということもあり、アキラとは濃密な友人関係を結ぶ。だが、クリストファーの父が失踪し、その後母

    「わたしたちが孤児だったころ」カズオ・イシグロ - 読書の栞
    masarin-m
    masarin-m 2018/04/18
    そろそろ、骨太の小説を読みませんか。そんな人におすすめの一冊です。
  • いったいどこに--十分日記153 - 今日の十分日記

    このブログは日記を書くのを目的としているので、今考えていることをそのまま書けば良いのである。しかし無意識に文章を形成しようと思ってしまうので、無自覚に文章に形成しやすいネタを探してしまう。 今、自分が書いた小説をどこに出そうかと言うことで迷っている。書き上げたのは4月1日なので、5日間書き直しながら迷っている。たかだか30枚の小説なのだからそれほど迷う必要はないのである。30枚は少ないのでコンテストには出しづらい。 文章に形成しやすい状態とは、今回の例で言えば「どこどこに小説を出した」というネタである。何に期待をして、どこに小説を出した、という方が文章が書きやすい。 迷う理由はやはり自分の文章と毛色の合う所というのがなかなかないからだ。 「小説家になろう」は1番有名なサイトであるが、ラノベ的な傾向が強い。というより、カクヨムでも、エブリスタでもそうだ。 別に私はラノベを書きたくないとか、二

    いったいどこに--十分日記153 - 今日の十分日記
    masarin-m
    masarin-m 2018/04/06
    どうしようかな
  • ネット小説では純文学に居場所がないということを改めて知った | 蓼食う本の虫

    の虫は、読む・書くを身近にする文芸Webマガジンです。おすすめの創作論、文芸にまつわるニュースをお届けします。Kindleセールや新刊情報なども。 前回寄稿した『「文芸誌連載小説のスマホ無料公開」から考える純文学の「流通」について』という記事の特に前編が広く読まれたというのはとても有り難いことだった。というわけで前回同様に、今回もとある記事における純文学の「語り方」を検討することで純文学の現状を穿り出す、という遣り方をやってみたいと思う。というわけでまずは下記①の記事をお読み下さい。 ①「書きたい人1000万人」ネット小説は鉱脈 投稿、倍々ゲーム 評価見ながら執筆も https://mainichi.jp/articles/20170926/dde/012/040/003000c?utm_content=buffer22fe1 この記事は「小説家になろう」について言及した記事で

    ネット小説では純文学に居場所がないということを改めて知った | 蓼食う本の虫
  • ネット的な文章ーー十分日記145 - 今日の十分日記

    語が大きく変化した時期がいくつかある。 有名なのはもちろん近代化、明治維新の前後である。 文学がもっとも変わったのだが、文語体から口語体になった。いつも使っている平易な言葉で表現するようになった。夏目漱石は口語体で書くことが多いが、森鴎外は口語体でも書く。 国民全員が使える共通語を半ば強引に作った。その当時、その共通語で話している人はいなかった。東京の人でも共通語で話していなかったらしい。大阪の人が、東京の人が話す言葉を半ば嘲るために「東京弁」と表現するが、当たっている。 明治維新より昔、大きな変化があったのは平安時代から鎌倉時代だ。 他の時代にあったかもしれないが、私は知らない。 平安時代の言葉、文字は、京都の貴族が使っていたもので、一部の人間だ。 それから武士の時代になり、貴族の時代よりも簡略化された表現をしないと、武士には使えない言語をは次第に廃れて行かざるをえなかった。劇的に変

    ネット的な文章ーー十分日記145 - 今日の十分日記
    masarin-m
    masarin-m 2018/03/21
    ネットにも美しい文章の書き方があると思うのだが。自然とそうなっていくといいなあ。
  • 短編小説ーー十分日記138 - 今日の十分日記

    例によって短編小説を書いた。「短編小説の集い」のお題では無いので、字数は「同じくらい」という緩さで書いた。 小説を書くときに使用するというのはチャレンジしていないが、ブログの記事を書くときによく「音声入力」、「音声認識」を利用する。下書きなどそれで行うと非常にスピーディに文章を作成できる。 音声入力系の機能は、アップル系ならSiri、マイクロソフトならコルタナ、グーグル系ならグーグルが処理している。処理と同時に多くのサンプルを得ているのだろう。 これらのソフト、私が使うのは軒並み精度が低い。特にマイクなしのノートパソコンでコルタナという組み合わせが一番最悪だ。Siriでも精度が低い。 「きっと不良品をつかまされたのだ」 とはじめ思っていたのだが、原因はここのところの慢性的な鼻炎にあった。鼻づまりの声は認識精度が著しく落ちるのである。 今回の課題は「monogatary.com」というサイト

    短編小説ーー十分日記138 - 今日の十分日記
  • 電気仕掛けのペットロス|まささん

    店は「雪の下」といった。大通りと土産物屋が立ち並ぶ通りに挟まれた場所に立っていた。 ふたつの通りは観光客が一年中あふれている。並んでいるべ物屋も、古い店はそれなりの価格設定になっている。だが、新しい店や通りから奥に引っ込んだ店は、それなりにリーズナブルな価格になっている。店によっては、リーズナブルな店の倍の金額を取る店もある。 舞が初めてこの店に来たころ、彼女はこのあたりで働きたくて、働き口を探していた。母親のいる老人ホームがこのあたりにあるからだ。舞の母親は、クセのある母親らしく、最後死ぬときはこのあたりが良いと言い張って、勝手に老人ホームに入所した。もちろん、費用は舞が持った。急に言い出すので、夫が死ぬときに残した生命保険は使い果たした。日の慣習的に、老人ホームに入ったからといって、全く放っておくわけにはいかない。我ながらため息が増えたと思うのだが、断ち切れぬものは断ち切れぬものと

    電気仕掛けのペットロス|まささん
    masarin-m
    masarin-m 2018/03/01
    新作小説。本当は先月分として出したかったけど、一日遅刻。外国人が多く訪れる喫茶店。未來のペットロスのお話、
  • 煮詰まりーー十分日記137 - 今日の十分日記

    お題に「ニャン・ニャン」というのがあって、下ネタを書くお題かと思った。もう一個ニャンが加わり、2,2,2。つまり、の日というわけだ。 どうでもいい。 今、短編小説を例によって書いている。 締め切りは今日。しかし、「短編小説の集い」はストップしているので、自主課題だ。 そして煮詰まっている。 気分転換にブログ記事を書いて、ジョギングに行こうと思っている。 煮詰まっているといっても、アイデアやイメージはあるのである。ないと書き出すことすらできない。そうでなく、書けないのである。気分が乗らない、といった感じか。こういう気分はブログを書き続けている同好の士はおわかりだろう。 こういう煮詰まりがあるとき、ブログならばやる作業は一つ。 それは期待値を下げる、ハードルを下げることが一番効果がある。 長い文章を書かない。展開を考えない(書きたいところでいきなりぶった切る)。もてようと思わない。 これが三

    煮詰まりーー十分日記137 - 今日の十分日記
    masarin-m
    masarin-m 2018/02/28
    今日、明日中には出す。
  • 最後は大抵つまらない - 意味をあたえる

    文章の話だが書いていてラストが数パターンしかないことを意識することがある あるいは新たな気づきを書いているようで最後の段になると前にも主張したこと自分がよく言っていることにおさまってしまうということがある どれもこれも「終わり」を意識するからである 会社でメールを書く機会が増え早い段階で「よろしくお願いします」を辞書登録した「よろ」で出る 繰り返す言葉なので登録するのは効率が見込めるが端的に考えてバカである どうしてこんなことをいちいち書かなければならないのか・挨拶みたいなものだという考えもあるがそう考えると仕事に挨拶もいらない気がしてくる 挨拶もしたくないくらい嫌いな人もいるから したい人だけすればいいのだ 少なくともメールはいらないことは確実に言える いらない理由は決まりきっていてわざわざ読むまでもないことだがメールに限らず文章は流れを意識すると最後をきれいにしめるという意識が働いてワ

    最後は大抵つまらない - 意味をあたえる
    masarin-m
    masarin-m 2018/02/24
    確かに、そっちのが面白い。
  • 「空也」 - 読書の栞

    masarin-m
    masarin-m 2018/02/12
    知らないことを知るのは楽しい。
  • 一月自主課題、「優しい雨」振り返り--十分日記129 - 今日の十分日記

    一月の短編小説の集いはお休みである。ついでに言えば、2月も短編小説の集いはお休みである。だから自主課題として小説を1作書いた。うちのカミさんに「故郷」と言う課題を出してもらってそこから想像するものを書いてみた。 まささん|note 「故郷は遠きにありて思うもの」という言葉がある通り、短い小説であるならば、遠くにある故郷を追慕するという内容が良いのであろうと考えた。 特に長い間関わっていない故郷を追慕すると言う内容にしたかったので、それに沿うように場面を設定していった。 この母が子供を見ていて、自分の若い頃を思い出すという設定は、実際の人物をもとにして書いた。書かれた人は気付かないだろう。ずいぶん変えてるし、多分読まないし。 イメージをひと月くらい温めてから書いたので、書き始めてからは早かった。もう一作並行して書いているものが信じられないくらい難航していることを考えると、スッと書けると不思

    一月自主課題、「優しい雨」振り返り--十分日記129 - 今日の十分日記
    masarin-m
    masarin-m 2018/02/02
    今回の小説に関する振り返りです
  • クリスマスツリー|まささん

    ――交差点の先車両行き止まり。 そう書かれた立て看板が視線の端を後ろに流れていく。いつものジョギングコースのアスファルトはまだ濡れている。雨は朝には止んだはずなのに。信号の青い光がアスファルトを鈍く照らしている。 交差点の向かいには純喫茶店、道を挟んで向かいに個人医院、並んで奥には民家やアパートなどが続く。小さな住宅街のなかを駆け抜けると、工事現場に突き当たる。工事は広大な地域を抜ける環状線を造るものだ。小さな住宅街は年末のせいか、いつもよりも閑散としている。今年の師走はここ数年で一番寒い。 工事現場は人の身長より高い半透明のプラスチック製の防音壁で覆われている。防音壁の上部に白い蛍光灯が並んでいる。防音壁の向こうの工事の進捗状況に応じて、複雑に防音壁の位置が変化する。行き交う歩行者や自転車に乗る人々はまるで迷路を通り抜けるようだ。突き当たった防音壁を川に向かって走る。蛍光灯の光が私と濡れ

    クリスマスツリー|まささん
  • 「聖布」--十分日記100 - 今日の十分日記

    今回書いた「短編小説を集い」への出品作「聖布」の振り返りをしてみよう。 note ――つくる、つながる、とどける。 今回の作品、魂で起きた急に殺害の殺人事件をモチーフにしているが、この事件を上説明しようと思ったきっかけは、作品中でも出てくるが犯人を護送しているときの光景を見たからだ。普通犯人が護送される時、犯人は気づいていないか、気づいていてもふてぶてしく居直るか、それともような行動とるか、のどれかだ。 例えば、カメラを威嚇するとか新潟の少女監禁事件ではビジュアル系バンドのようなポーズをとっていた。甚だわかりにくい表現だがそうとしか言えない。呵々大笑しているものもいた。 Chage & Askaのアスカが少しカメラの方を威嚇しているようだった。 今回の事件の犯人は、必死に自分の顔を隠していた。ということは、周囲からは信じられないような犯罪を犯しているのだが、人が精神的に病んでいるのではな

    「聖布」--十分日記100 - 今日の十分日記
  • 小説「記憶のたわむれ」⑥ - Blue あなたとわたしの本

    「翌日──京都を離れる日──、俺はもういちどおばちゃんの店に立ち寄ることにした。好きだった蕎麦ぼうろを持ってな。フリーのライターというのはうそで、児童劇団の営業をやっていることなんかもちゃんと話そうと思った。当にやりたい仕事を、いまも模索していることも──。 よく晴れた、光のきれいな午後だったよ。俺は帰り支度をし、スーツを着、髭も剃って、船岡山のほうに向かった。 おばちゃんの駄菓子屋はなかった」 ──意味が飲みこめず、藤堂さんの顔を見た。 「駄菓子屋が、なかった?」 藤堂さんはあごを引いた。 「だって、昨日の夜はあったんでしょう?」 あったよ、と藤堂さんは平板な声で返した。 「そんな──、一晩で無くなるなんておかしいじゃないですか」、当たり前のことを言って藤堂さんの顔を見つづけた。藤堂さんも動かない目で見つめ返す。視線をつなげたまま、二人のあいだを数十秒が流れた。そして、ああ、と話を理解

    小説「記憶のたわむれ」⑥ - Blue あなたとわたしの本
    masarin-m
    masarin-m 2017/12/02
    話の筋と東堂の設定を考えるとこの後を想像したくなくる。
  • 冷徹な祭壇:死者の願いと猟奇の背後|まささん

    白壁に手をつきながら鉄製のタラップを登ってゆく。四〇代になりたてのころ仕事で腰を痛めてから騙し騙しやってきたが、季節の変わり目、特に今日のように晩秋で急激に気温が下がった日は、古傷がぶり返す。しくしく痛むのである。 白壁についた手を離すと手形が残っていた。掌を見ると、灰色に汚れていた。「クソッ」と内心悪態をついて、舌打ちをした。アパートのコンクリートの外通路を歩く。手摺りには黄色いテープが張られていた。通路から鉄道が見えた。ここは撮り鉄にとって、名所らしい。 現場は四つ並ぶ部屋の奥から二番目だった。ドアは開け放たれ、青い作業着の人間が頻繁に出入りしている。鑑識である。科捜研も出張ってきているだろう。 痛む腰を叩きながら部屋に入る。すれ違う鑑識が挨拶をしてくる。それに右手を挙げて応える。 「ウッくせえな」 手の甲を鼻に当てる。夏場のホームレスのような、強烈な生き物の内臓のような、そんな臭いが

    冷徹な祭壇:死者の願いと猟奇の背後|まささん
    masarin-m
    masarin-m 2017/11/30
    とりあえずフィクションです。時間かかりました。
  • 向いていない男|まささん

    家に入ると家族はもう寝ていて、家のなかは暗く静かだった。高層マンションの七階なので、周囲の騒音も何も聞こえない。 玄関の照明はだんだん明るくなるタイプだ。手探りでスイッチを点け、を脱いだ。まだ完全に明るくなりきっていない玄関に上がったとき、誰かがいるような気がして、視線を上げてしまった。普段は見ないようにしていた。 姿見に映った男を見てぞっとした。 姿見の男は、初夏で街行く人が軽装になっているというのに、まだスーツの上にトレンチコートを着ていた。顔にはほうれい線が深く刻まれ、額がいっそう禿げ上がっていた。コートの上からでも、身体の筋肉がそげ落ちているのが分かった。達観した老人の清らかさはなく、唇は生肉をべたように脂ぎっていた。 我ながらひどい顔だ。 頬をなで回しながら姿見に近づき、よく顔を見た。そのうち照明の照度が最大になった。姿見の顔もいつもの中年の男になった。 三年前、会社で課長に

    向いていない男|まささん
  • 「くだらない本ばかり読んでないで文学を読め」と父親にお説教された人が言い返した言葉がとてもナイスだった!

    ヒキムスビ @hikimusubi みんな違ってみんないいって多様性を認める上でよい言葉ですが、母にこの言葉で慰められた時は「自殺した人の言葉じゃないか!」と云い返してしまったことがあります。 2016-07-20 21:34:53 Horikoshi Hidemi @fmfm_nknk 私も子供のころ父親に「くだらないばかり読みやがって。ちゃんとした文学を読まないと立派な人間になれないぞ。芥川龍之介とか三島由紀夫とか太宰とか…」と怒られ、つい「全員自殺してるじゃん!」と返してしまい、怒りに火を注いだことがあります。 2016-07-20 22:39:37

    「くだらない本ばかり読んでないで文学を読め」と父親にお説教された人が言い返した言葉がとてもナイスだった!
    masarin-m
    masarin-m 2016/07/21
    昔は「小説なんて読みやがって、軟弱な」って、本自体が否定されていたんだよね。確かに近代文学はクズを取り上げることが多いよ。だからこそって部分もあるけれど。
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