会社では仕事がなくて、印刷会社や広告代理店に出向させられました。でも、この経験が後の仕事に役立ちました。隔月刊のタブロイドの制作を任せられたりして、原稿依頼から印刷会社とのやりとり、写真の撮影から集金まで、とにかくなんでもしなきゃいけなかったんです。印刷会社では版下*を作ったりね。 その後、出版社に戻り3冊ぐらい本を作ったかな。句集や詩集です。誰も本の作り方を教えてくれるわけじゃなくて、印刷会社の人に、「こんなふうにしたいんだけど、どうすればいいの?」となんでも質問しました。何冊も詩集を出されていた方の本を担当し、その頃から、自分でも詩を書いていました。 結局、「給料が払えない」と告げられ、その会社は辞めることになり、その後結婚。二人の子どもを連れて、夫の赴任先のカナダで2年間暮らしました。英語は全くダメだったので、まずはハーレクイン・ロマンスを片っ端から読みました。恋愛小説でストーリーは