米国で日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)がベビーパウダー製品へのアスベスト(石綿)の混入を知りながら、当局などへの報告を怠っていたと報じられ、現地で波紋が広がっている。ロイター通信が14日に問題を報じ、J&J株は急落。同社は「一方的で間違った扇動的な報道で、製品にアスベストは含まれておらず安全だ」と反論している。 ロイター通信は、1970年代から2000年代の内部文書などを調べた結果として、J&Jが自社製品からアスベストを少量検出し、幹部が把握したのに公表しなかったと伝えた。J&Jは米国で、同社製品が原因でがんなどの健康被害が出たとして消費者から訴訟を多数起こされている。 14日の米株式市場ではJ&J株が約10%も下落。時価総額で約400億ドル(約4・5兆円)が吹き飛んだ。(江渕崇)