2020年4月7日、安倍晋三首相は緊急事態宣言を発令した。東京や大阪など7都府県が対象だ。緊急事態といっても私の周囲や街中の様子から驚きは見られない。むしろ、「ああ、ついに宣言されたか」という諦観が感じられる。 とはいえ、日本の製造業に大きな影響が出ることは避けられない。そして、本当の危機が来るのは5月だ。まず小売りなど市民生活と密接に関わっている分野から影響が表れ、いずれ製造業にも及ぶだろう。緊急事態宣言による製造業への影響について、海外の都市封鎖(ロックダウン)の状況も参考に予測してみたい。 安倍首相は緊急事態宣言を発令したものの、諸外国の強制力を伴う都市封鎖とは異なり、あくまで“自粛”であることを強調していた。公共交通機関を止めるわけではなく、在宅勤務などを実施した上で企業活動を継続してほしいとも述べていた。 このような呼び掛けが功を奏したか、スーパーマーケットなどの小売店では意外な