9月下旬、宮城県の電子機器メーカーであるケイテックが、新横浜駅近くへの本社移転を祝う開所式を開いた。同社の主力事業はEMS(電子機器の受託製造サービス)と呼ばれるものだ。EMSといえばシャープを買収した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が有名だ。規模では中堅クラスだが、ケイテックの技術力は波乱に富んだ歴史が証明している。 同社はもともとソニーの一工場(社名は東洋電子研究所)として1963年に出発している。「ウォークマン」1号機や初期のカーナビを生産してきた。転機になったのは2000年。ソレクトロン(現フレクストロニクス)がソニーからケイテックの前身企業を買収し、日本法人の製造部門としてEMSを始めた。 2005年にはジャフコの支援を受け、MBO(経営陣が参加する買収)でソレクトロンからケイテックとして独立を果たす。ジャフコとの早期の黒字化という約束は果たせず、2008年にリサ・パートナーズの支