私は人の顔と名前を覚えるのが苦手だった。異常なほどと言ってよいと思う。会ったことすら忘れてしまい「あ、はじめまして」とか言ってしまうのだから。 まあ、人に興味がないのだろう。最低だ。私の友人の天使のような女の子は、バイトしているときに客で来た人の顔だって分かるらしい。それだけ人を大切にして生きているのだろう。素晴らしいことだ。 だから、本当に人の顔を憶えるには、以下のような小細工を弄さず、出会う人一人一人に真剣に向き合い、その人のことをしっかりと思うことである。つまり「俺は人を憶えるのが苦手で」などとぼやかず、性根を叩き直すことである。具体的には度々「あの人はどうしているだろう」「私に出来ることは無いだろうか」と思うことである。自分勝手に自分のことしか考えていないから、人様の名前も顔も忘れるというフザケタことができるのである。因果応報。自業自得。そういう人間には、そういう人間なりの未来が訪