イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファへの侵攻を巡り、事実上の同盟関係にある米国とイスラエルの亀裂が深まっている。バイデン米大統領が8日、兵器供与の停止に言及しながら侵攻断念を迫ったことに対し、イスラエル側は強く反発。ネタニヤフ首相は「単独でも戦う用意がある」と述べるなど、戦闘の先行きは見通せない。 「必要であれば、我々は爪だけでも戦うが、それよりはるかに多くのものを持っている」。ネタニヤフ氏は9日のビデオ声明で、改めてラファへの大規模侵攻に強い意欲を示した。イスラエル軍のハガリ報道官も「ラファでの作戦に必要な弾薬は確保できている」とし、米国の支援なしでも侵攻が可能だと強調した。 米国とイスラエルは長年緊密な関係にある。1948年にイスラエルが建国を宣言すると、米国は11分後に世界で初めて承認した。冷戦期は、ソ連とアラブ諸国の接近に対抗するため、米国は民主主義を掲げるイス