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ICレコーダーには若手警察官の生々しい肉声が残されていた。「やりましたって一言ゆうてくれたら済む」「あなたは犯人です」「命令に答えろ、あほ」…。録音したのは、80代の堺市に住む元小学校校長の男性。音声は、知人男性への傷害容疑で大阪府警西堺署に任意で事情聴取された際のものだ。その後、書類送検を経て在宅起訴され、1審無罪が確定した男性は2月、犯人と決めつける違法な取り調べで精神的な苦痛を受けたとして、大阪府を相手取り、国家賠償請求訴訟を大阪地裁に起こした。府警では最近も東署や関西空港署で不適切な取り調べがあったとして、当事者の警察官が刑事責任を問われる事態にもなっている。なぜ「教訓」は生かされないのだろうか。 「侮辱的、屈辱的な取り調べ」 「ちょっと今日はマシな話、聞かせて」 代理人弁護士によると、平成25年9月11日、20代の男性巡査長は男性に対し、こう切り出したという。男性への任意聴取は同
誠意とはカネや土下座のことなのか-。大阪府茨木市のコンビニエンスストアで9月、男女3人が店長らに因縁をつけて商品のたばこを脅し取り、さらに別の男がコンビニを管轄する営業所長に示談金名目で金銭を要求し、逮捕される事件があった。大阪地裁で開かれた一連の事件の公判では、「客に謝罪するのに土下座と手土産は当たり前」「営業所長から200万~300万円は受け取れると思った」という4人の信じがたい〝常識〟が次々と判明。過去にもコンビニや飲食店に因縁をつけ、金品を得るなどした「成功体験」があったことも明らかになった。「モンスタークレーマー」はなぜ生まれたのか。4人の法廷での供述を振り返る。 きっかけを作った女一連の事件は1人の女の行動がきっかけで起きた。 9月8日午前1時ごろ、大阪府内の飲食店従業員の女(39)=恐喝罪で有罪確定=はバイクで爆走するグループの集団走行に10代の娘と一緒に参加し、グループのメ
大阪市北区のJR大阪駅近くで19日夜、男性の大量の写真がばらまかれているのが見つかり、奈良県のアルバイトの少年(16)と岐阜県の男子高校生(17)の2人が、大阪府警曽根崎署の任意聴取に「ビルの上からまいた」と話していることが22日、同署への取材で分かった。少年らは列車を撮影するのが趣味で、「撮影現場でいつも割り込みをしてくる悪いやつを撮った。面白半分、嫌がらせ半分でばらまいた」と説明しているという。 少年らは写真の印刷に使った印画紙を近くの家電量販店で万引した疑いがあり、同署が窃盗容疑で調べている。 同署によると、19日午後9時5分ごろ、同駅ビル「ノースゲートビルディング」から「少年が写真をばらまいている」と110番があった。駆けつけた署員に対し、少年2人がばらまいたことを認めた。ビル10階からまいたとみられ、路上などに約400枚が散乱。写真には10代とみられる男性が、顔が判別できる状態で
史上最年少当選を果たし、期待の若手として注目された27歳のイケメン市議は、とんだ“裏の顔”を持っていた。ナンパした女子高生を自宅に連れ込んでわいせつな行為をしたうえ、その動画をインターネットに投稿したとして、児童売春・児童ポルノ禁止法違反容疑などで奈良県葛城市の市議が逮捕された。県警が押収したパソコンなどを調べたところ、他にも複数の少女らとのわいせつ動画を投稿していたことが判明。「制服コスプレ」などのタイトルをつけ、トイレや車内で撮影したものや、行為をライブ中継したケースもあったといい、投稿によって収入も得ていた。「市民派」として支持を集めた議会のホープの背信に市民はあきれ、怒り、ショックを受けている。 偽名でナンパ、アパートに連れ込む あきれた行状の数々が明らかになったのは、元葛城市議の吉武昭博容疑者(27)=逮捕後に議員辞職。今年4月中旬ごろ、同県大和高田市に借りているマンションの自室
グルメ情報サイト「食べログ」に「秘密の隠れ家」という営業方針に反して掲載され、削除の要請に応じなかったのは不当として、大阪市の飲食店経営会社がサイト運営会社「カカクコム」(東京)を相手取り、サイトからの削除と330万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴したことが19日、分かった。同日開かれた第1回口頭弁論で、カカクコム側は請求棄却を求めて争う姿勢を示した。 訴状などによると、原告側は大阪市内のビル2階でバーを経営。あえて看板を置かず1階に鉄の扉を設置し、2階出入り口には「開けるな」との札を多数掲げている。だが、店内は華やかなバーラウンジにしつらえるなど、ギャップで客を驚かせる演出を施しており、客には口コミサイトに投稿しないよう告知している。 原告側は取材に「食べログで確認して来店した人には店のサービスは意味がない。隠れ家の演出が台無しだ」と主張。昨年9月に営業方針を伝えた上で削除を求めたが、
たかが従業員が…「カウンターパートじゃない」 昨年9月の堺市長選で大阪維新の会の政党広告の掲載を拒否されたとして朝日新聞の取材を拒んでいる維新代表の橋下徹大阪市長が16日、朝日新聞から取材拒否に関する質問をされ、「社長からだったら対応する。(質問した記者は)一従業員」と一蹴した。 朝日の記者は16日午前、市役所での登庁時の囲み取材で、前日夜の日本維新の会と結いの党との政策協議の取材を拒否されたとした上で「当初は日本維新の会に関しては取材ができていたのに、なぜ態度が変ったのか」と質問。 しかし橋下氏は質問を遮る形で「僕はトップなので。社長から申し入れしてください」と回答を拒否。記者は質問を重ねようとしたが、橋下氏は再度、「社長から申し入れてください」と念押し。 その場から足早に立ち去ろうとしたが、いったん足を止めて振りかえり、改めて「社長からだったら対応します。(質問した記者は)カウンターパ
持ち物に「バカ」「ヤメロ」の落書きも 小学校の同僚の女性教諭に睡眠導入剤を入れたシュークリームを食べさせ、急性薬物中毒にしたとして、大阪府警平野署は14日、傷害などの容疑で、大阪市立加美北小学校(同市平野区)の講師の女(60)を書類送検した。教諭は一時意識不明となり、入院を余儀なくされた。 また、職場復帰したばかりの教諭の運動靴や指導用教科書に「ヤメロ」「バカ」とマジックで書き込んだ器物損壊容疑でも書類送検した。「教諭の指導方法が自分と異なり、任せていたら子供たちが育たないと感じた。態度にも不満があり、邪魔で仕方なかった。いなくなればいいと思った」と容疑を認めている。 傷害の書類送検容疑は昨年6月1日午後4時5分ごろ、小学校職員室で、市販のシュークリーム1個に睡眠導入剤を混入して40代の女性教諭に食べさせたとしている。教諭は食べて間もなく意識不明となり、病院に搬送。9日間入院した。 同署に
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会(三宅弘委員長)は1日、朝日放送(大阪市)による平成23年の大阪市長選関連報道に「放送倫理上の重大な問題があった」とする決定を発表し、再発防止に努めるよう勧告した。 決定によると、朝日放送は昨年2月6日の「ABCニュース」で、「現職市長を支援していた市交通局の労働組合が『協力しなければ不利益がある』と職員を脅すように指示した」などと報じた。しかし朝日放送が取材した内部告発者が資料を捏造(ねつぞう)していたことが後に判明した。委員会は「労組への裏付け取材もないままに、疑惑を真実であるかのように断定的に報じた」と指摘した。 朝日放送は同日、「選挙の公正に関わる内容を速報するのはメディアの責務。表現方法の行き過ぎた面については決定内容を真摯(しんし)に受け止め、今後の報道に生かす」とコメントした。
大阪市の橋下徹市長が導入した公募制度で就任した民間出身の校長や区長による騒動が止まらない。とりわけ4月に着任した校長は11人のうち6人が不祥事やトラブルなどを起こしており、「11分の6」の衝撃は市議会の猛反発を招いている。前向きな取り組みを進めながらも手続きミスで問題化する事例もあり、今後も民間人校長を採用する市教委では採用基準や研修方法などの見直しが急務となっている。教育現場に新しい価値観を吹き込むことが期待される公募制度だが、市教委や校長の手探りが続きそうだ。批判浴びる「欠陥」 「校長は11人中、6人。教育崩壊以外の何物でもない」。20日午前、市議会の公明、自民、民主系3会派の幹事長らが橋下氏を訪れ、厳格な処分や採用方法に問題がないか点検を促す申し入れ書を渡した。 校長職として3年の任期で採用され、他の職務に就けないという制度上の「欠陥」についても批判があった。橋下氏は「不適格なら分限
大阪で性犯罪が止まらない。今年に入ってから大阪府警が認知した強制わいせつ事件は今月9日に500件を突破した。過去最高だった昨年を約10日上回るペースで、このままいけば4年連続で全国最悪になる可能性が高い。府警は昨年から、性犯罪の抑止対策に力を入れているが、目に見えた効果が表れないのが実情だ。府警幹部は「ひったくり以上に、性犯罪の街と呼ばれるほど不名誉なことはない。何とか減少させたい」と危機感を募らせている。 強制わいせつは、服の上から体に触れる痴漢と違い、下着の中に手を入れて直接肌を触るといった悪質な性犯罪。18~21年は東京の発生件数が最多だったが、22年以降、大阪がワーストになっている。 過去最多の1251件だった昨年は暖かくなる4月から増え始め、6月の152件をピークに、10月まで毎月100件を超える発生が続いた。今年は5月に入ってから増加傾向が見え始め、前年同月より18.4%増の1
大阪市の橋下徹市長は市営地下鉄民営化などをめぐる本会議での発言が不適切だったとして、13日、「発言は訂正する」と述べた。市議会交通水道委員会で、公明党の漆原良光市議の質問に答えた。 橋下市長は今月6日の本会議代表質問で共産党から地下鉄民営化の必要性を問われ、「終電の延長や料金値下げがこれまでどれだけ議論になったのか。今まで何もできなかった。終電延長や料金値下げはとっくの昔にやってくれたらよかった」などと発言していた。 漆原市議は、公明党市議団が従来から終電延長を要望し、議論もしてきたと指摘した上で、橋下市長に「これまで議会も交通局も何もしてこなかったというのは、どういう真意なのか」と反論。 これに対し、橋下市長は「代表質問では言い過ぎたところがあった。共産党に言われたのでワーっとなった。これまでの取り組みは認識している」と弁明した。
橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会所属の丹野壮治(しょうじ)大阪市議(40)が、自身のブログで、自民党大阪市議を「アリンコ達」「お前はもう死んでいる」などと中傷する表現を書き込んでいたことが7日、分かった。自民市議団は書き込みを問題視し、「維新側から誠意ある対応がなければ、今議会で議論している地下鉄民営化などの協議には応じられない」と態度を硬化させている。 ブログは6日に書き込まれ、前日に行われた市議会の自民代表質問について、「阿倍野再開発(事業)などで吸った美味しい汁を忘れられないアリンコ達」「自分の生活しか憂えていない時点で『お前はもう死んでいる!』って感じ」などと書き込んだ。 丹野市議は7日夜に書き込みを削除し、ブログ上で陳謝。産経新聞の取材に「橋下市政を全般的に批判する質疑だったので書き込んだが、不適切な表現だった」とした。 開会中の2、3月定例市議会には市営地下鉄の民営化に向けた条
日本に自国の文化を広めたいと志したネパール人男性の命が夢半ばにして絶たれたのはなぜか、法廷で明らかになり始めた。大阪市阿倍野区で昨年1月、飲食店経営のビシュヌ・プラサド・ダマラさん=当時(42)=が殺害された事件で、殺人罪などに問われた白石大樹(ひろき)(22)と知人の白石美代子(23)の両被告に対する裁判員裁判が20日から大阪地裁(長井秀典裁判長)で始まった。被告側は殺意を否定し「当日はかなり酒を飲んでいた」などと主張。ただ、暴行をとらえた防犯カメラの映像はむごたらしく、「真実を知りたい」と法廷に足を運んだダマラさんの妻は厳しい表情を浮かべた。「面白がって暴力」 「被害者、遺族の方、申し訳ありませんでした」。神妙に証言台の前で頭を下げる2人。しかし、その後に法廷のモニターに映し出された防犯カメラの映像は凄惨(せいさん)なものだった。路上に横たわり、無抵抗の男性を上から踏みつけたり、自転車
「お兄ちゃん、寄ってってえ」。年配の女性が客を呼び込む傍らで、座椅子に座った美女が妖(よう)艶(えん)な笑みを浮かべ、ひらりひらりと手を振った。旧遊郭として知られる大阪市西区の繁華街、通称「松島新地」で1月、女性に売春をさせていたスカウトグループの男らが、売春防止法違反などの容疑で大阪府警に逮捕された。風俗嬢に暴利のヤミ金融を紹介し、がんじがらめにして売春宿に送り込む-。こんな極悪手口を得意とし、大阪を中心に暗躍していたスカウトグループに捜査の手が入ったきっかけは、「返しても返しても借金が減らない」と悲嘆した女性たちのSOSだった。料理店「美人座」の摘発 昨年3月、大阪府警布施署に22歳の女性2人が助けを求めて駆け込んできた。 「借金のカタに松島新地で売春させられている」 事情を聴くと、ホストクラブ遊びなどで数十万円の借金を抱え、その返済のために売春婦として働かされているのだという。 「お
【甘口辛口】1月23日 顔を映さないように並んだ8人の高校生の記者会見は異様な感じだった。体罰を受けた生徒の自殺で揺れる大阪市立桜宮高。体育科の入試中止の決定を受け、同校運動部元主将ら8人の3年生による市役所での会見である。「私たちは勝利至上主義でやっているわけでない。礼儀やマナーも学ぶためにも通っている」などと訴えた。 教師が同席しない生徒だけの会見は前代未聞。間に「仕掛け人」がいて生徒は言わされただけでは、と嫌な感じもしたが、それは誤解だった。関係者に聞くと学校を介さず生徒たちから会見を申し入れたとか。体罰がはびこった体質の中で自分たちの学校に誇りを持つ骨のある生徒が育っていた。 骨がないのは市教育委員会の方だ。体育科志願者がいる中学からは「混乱を招く」と反対の声が噴出した。しかし、「流れを断ちきる」とする橋下市長に予算の執行停止まで言及されギブアップした。それも体育科の定員120人分
大阪市役所で半世紀近く、昼休みの合図として庁内放送で流れていた歌手の島倉千代子さんの曲などが、チャイムや職員の意識改革を促すスローガンに切り替えられた。ごみ収集車のメロディーとしても使われている曲で、大阪市民にとってもおなじみの曲だったが、橋下徹市長が「変な音楽」とかみつき、庁内放送から姿を消す事態に。新たな放送は女性職員が「前例にとらわれることなく、これまで実施してきた方法を見直す」といったスローガンを唱える形に変更されている。 橋下市長から「変な音楽」と指摘されたのは、昭和39年に発売された島倉さんの「小鳥が来る街」など。市によると、「小鳥が~」は市緑化100年運動の開始を記念して制作された曲だという。 当時、島倉さんは美空ひばりさんと並び称される人気歌手。レコード会社の申し入れで、無償協力してくれたという経緯もあり、その後、約48年間、大阪市北区中之島の市役所本庁舎で、昼休み開始を告
大阪市の橋下徹市長が今年から、これまで昼休み時間に庁内放送で流していた音楽を中止し、職員の意識改革を促すスローガンに切り替える意向を示している。住民サービス向上に向けた“橋下流”の取り組みともいえるが、職員からすれば安らぎの一時であるランチタイムまでも緊張感を強いられるのかもしれない。 橋下市長は昨年12月30日、自らのツイッター上で「(市役所は)サービス業であることの意識を来年から徹底していきます」と宣言。その上で、「今、大阪市役所は、お昼になると変な音楽が庁舎内に流れます。それを止めて、来年から組織のスローガンを流していきます」と書き込んだ。 スローガンの候補案は、「役所事業はサービス業であることを意識せよ」「『前例がないからできない』は言わない」「『担当が違います』は言わない」「朝礼はやってますか?」など。市長は「民間だったら当たり前のこと。皆さんからもご意見を!」と呼び掛けている。
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