ピンカーの『暴力の人類史』を読んで考えたこと。大半は今回初めて考えたというわけではないが。 『暴力の人類史』を読んでいることを前提とするが、必ずしも必須ではない。 価値観の話でややこしくなるのを避けるため、単純に人類間の暴力を減らすことを良しとする。ブロイラーの福祉とか、地球のため宇宙のためとかは考えない。 理由はどうあれ事実として暴力はずっと減少してきたし、今後も減り続ける可能性が極めて高い。予見しうる将来にわたって時間は味方だ。 ここでは格言に反して、巧遅が拙速に勝る。どんなもっともらしいあるいはもっともらしくない理由であっても、棚上げ・時間稼ぎ・現状維持は、ほとんどの場合に善だ。 統計的に考えた場合、暴力が無視できるほど減るまでに、特異点的な大破局、平たく言えば第三次世界大戦を起こさないことだけが肝要だ。 バイオテロは現実だが実践的に極めて困難で、ナノテク災害や人工知能の反乱はまだS