共産党と北朝鮮の朝鮮労働党は、もともとは友好関係にあった。だが、1983年、ビルマ(現ミャンマー)のラングーン(現ヤンゴン)で、公式訪問中だった韓国の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領一行に爆弾テロを仕掛けたことをめぐり、朝鮮総連と論争になった。北朝鮮は「野蛮な覇権主義」だとして、83年以降、関係を断絶してきた。(夕刊フジ) だが、98年、中国共産党と32年ぶりに関係正常化を果たした当時の不破哲三委員長は、次は朝鮮労働党との関係正常化を模索していた。 2002年8月、不破氏や私が訪中した際、最初に会談した中国共産党の戴秉国中央対外連絡部部長に対し、不破氏が北朝鮮の事情や金正日(キム・ジョンイル)総書記はどういう人物かなどと質問したことにも、北朝鮮への関心の深さが現れていた。ちなみに戴氏は、正日氏について「クレバー(賢い)だ」と回答した。 北朝鮮との関係正常化に前のめりになった不破氏は、拉致