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ブックマーク / 55096962.seesaa.net (55)

  • 中世ドイツ伝承+関連伝承詰め合わせ「図説 ゲルマン英雄伝説」

    似たようなタイトルのは何冊も出ているが、これは八坂書房から出ているの話。 表紙にドイツ語書いてあるのと、ぱらっとめくった目次が妙に濃いので手に取った。概要書と見せかけてやたら詳しいのは実は著者がその世界で著名な人だからである。まあ、うん、そのへんの概要書は「内容をつぎはぎにして薄めただけ」なのだが、ガチな人が書く概要書は「全部書くと長いから濃縮して要約したぜ」なんである。 図説 ゲルマン英雄伝説 - アンドレアス ホイスラー, マックス コッホ, 吉田 孝夫 このには、ドイツの英雄叙事詩に関わる伝説が北欧神話など近隣の関連する伝説も合わせて詰め込まれている。最近の邦訳ではあまり出てこないオッファ(ウフォ)やオルトニット(オルトニト)、ヴォルフディートリッヒといったマイナーな英雄<ヘルデン>たちが紹介されている。 ただし原著が出たのは古く、なんと百年以上前。それでも古さを感じさせない

    nminoru
    nminoru 2021/10/18
  • もうやめて! ヨセフスのライフは0よ!(2000年前に死んでるけど) 「ユダヤ古代誌」に対するツッコミもろもろ

    フラウィウス・ヨセフスという人がいる。 ローマ風の名前で、ローマの歴史家と紹介されることが多いがユダヤ人て、ローマがエルサレムを陥落させた時にローマ軍と戦って負けた。のちにローマに移住して平穏に暮らしたようだが、そのせいで同胞からは裏切り者扱いされていた人物である。生きた時代は紀元後1世紀。エジプトがローマ属州になった直後の時代で、ローマでキリスト教が国教になるまであと300年ほどある。 フラウィウス・ヨセフス https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A8%E3%82%BB%E3%83%95%E3%82%B9 そのヨセフスの著者で、旧約聖書からユダヤ民族の始まりからの神話を再話した作品に「ユダヤ古代誌」というものがある。 異教徒ロー

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    nminoru 2021/10/18
  • エチオピア版日本書記、「ケブラ・ナガスト」の邦訳版を読んでみた

    新刊でいいの出てるじゃないですかぁー! ということで早速買って来た。 専門書なのでちょっとお値段は張るけど解説めっちゃついてるし表紙が布で持ちやすいサイズだしこれはいい。翻訳と解説のバランス大事。 ケブラ・ナガスト: 聖櫃の将来とエチオピアの栄光 (904) (東洋文庫 904) - 蔀 勇造 これが何かというと、日でも知名度はそこそこあるだろうシバの女王伝説のソースになっているである。 エチオピアの女王マケダがソロモン王のもとへ知恵試しに行き、王に気に入られて男児を懐妊、その子が父の元から聖櫃を運び出してエチオピアへ持って来て、エチオピア王家の祖となった…という伝説は、このから始まった。20世紀半ばにエチオピア王政が倒れるまでは、エチオピアの正式な歴史であり、王たちは「ソロモンの末裔たる万世一系」と名乗っていた。 このでは、旧約聖書における天地創造の話から始まって、ソロモンに至

    エチオピア版日本書記、「ケブラ・ナガスト」の邦訳版を読んでみた
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    nminoru 2021/10/18
  • 【悲報】巨大狼、逝く(※1万3前年前に絶滅はしている) ダイアーウルフ、実は狼では無かったらしい

    北米大陸の覇者、氷河期のイラストによく出て来るあの巨大狼ダイアーウルフ、実は狼じゃなかったらしいことが部分的に採取されたDNAから判明した、という研究。そもそも狼ともコヨーテとも犬とも全然違っており、少なくとも「イヌ属」ではないことまでは確からしい。えっ…マジで。 The legendary dire wolf may not have been a wolf at all https://www.sciencemag.org/news/2021/01/legendary-dire-wolf-may-not-have-been-wolf-all そもそも彼らをタイリクオオカミの近縁種としていたのは、骨格が似ているところからだった。実はそれ以上の証拠が無かったのだ。 しかし今回採集されたミトコンドリアDNAと核DNAの1/4ほどのデータからすると、オオカミと被るところが無いらしい。最低でも新

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    nminoru 2021/10/18
  • 大航海時代の闇と現実。「大航海時代の日本人奴隷」

    大航海時代といえばー奴隷交易! 某コーエーのゲームで三角貿易して大儲けして学習した人たちもいると思います。が、売られていったのは西アフリカの人だけじゃないんだよ、実は日人もけっこう売られていったんだよ…というお話。 概要などは知ってたけど、ものすごく充実した資料がまとまってるを見つけて、これは凄いなと思った。ヨーロッパまで連れていかれてそこで解放された奴隷などは、教区の結婚や出生・死亡資料からその後の行方を辿っていたりするのだ。 大航海時代の日人奴隷-増補新版 (中公選書 116) - ルシオ・デ・ソウザ, 岡 美穂子 周知の通り、日はかつて「鎖国」と呼ばれている時代があった。最近では実際はけっこう外部に開かれていたことが知られるようになり、「鎖国」の呼び名は使われなくなってきているが、ポルトガル人の往来を長崎に限るなど外国人の活動を限定していたことは事実だ。そして奴隷の「輸出」も

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    nminoru 2021/10/18
  • アサシンクリード・オリジンズ/リアルさと"ゲーム向けの設定" (※ネタバレ記述なし)

    10月末に発売されたアサクリシリーズの最新作、「アサシンクリード・オリジンズ」。 めっちゃエジプトしてて細かいところにこだわりがあって楽しませてもらっているのだが、当然ながら、ゲームならではのフィクションも沢山入っている。 また、詳細な構造の記録がないアレクサンドリア大図書館の復元のように、諸説ある中の一説を選んでいる箇所や、ギザのピラミッドの外見や構造のように、史実よりもゲームとしての見栄え・攻略要素などを優先して設定したと思われる箇所も多くある。 そもそも即位当時のクレオパトラの年齢にも幾つか説があったりするくらいなので、素晴らしく作りこまれているしゲームとしてやる分には十分すぎるが、作中設定(特にストーリーに関わる部分)は「史実」とは思わないほうがいい。 *履いて…履いてない!!* …というわけで、ここでは「じゃあ史実はどうだったのか」という話を書いてみたい。 なお、中の人はサブクエ

    アサシンクリード・オリジンズ/リアルさと"ゲーム向けの設定" (※ネタバレ記述なし)
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    nminoru 2021/10/18
  • 聖書を研究しすぎて闇落ちした結果…「七十人訳ギリシア語聖書入門」

    このはめちゃくちゃ詳しくて面白い。面白いのだが、聖典を全て是とするキリスト教徒にはだいぶキツい内容になっているかもしれない。 なぜかというと、著者は 聖書を研究しすぎて闇落ちしている からだ。 聖書の成り立ちの曖昧さや矛盾、内容の不備、いやむしろ「聖」書の聖の部分だって人為的に付与された属性だろ? みたいなところから、旧約も新約もひっくるめて知りつくした者ならではの冷ややかなツッコミが随所にちりばめられている。 あまりに急所にクリティカルにツッコむので、「聖書とは過去に誰かに作り出されたものである」という単純な立場ですらない。神を愛しすぎたゆえに突き抜けて堕天使になった系か。示唆に富む内容とは別に、垣間見える著者の愛憎入り混じるコメントに苦笑する。 七十人訳ギリシア語聖書入門 (講談社選書メチエ) さてこのは、「七十人訳」と呼ばれる聖書のギリシア語訳についての成立の歴史や内容の解説

    聖書を研究しすぎて闇落ちした結果…「七十人訳ギリシア語聖書入門」
  • 色々あって面倒なことに…「渤海国とは何か」

    渤海国とは、日のすぐ近く、中国大陸の中国ロシアの間くらいにかつて存在した国のこと。日でいうと いや教科書にも載ってるんだから今更だろ? 概要くらいみんな知ってるだろ? と言いたくなるところだが、このの主題の一つが「日中国韓国それぞれから見た渤海国の歴史理解が違う」という話である。 渤海国とは何か (歴史文化ライブラリー) 日 → かつて満州国を作る時「渤海国を復活させる」的な感じで利用した ※正当性の主張のため 中国 → 昔からうちの国だ、と主張した ※実際は「北狄」、北の野蛮人として扱っていた 朝鮮 → 朝鮮民族が建国に関わったのだからと自国の歴史に組み込んだ ※靺鞨人が忘れられている これが書の帯で「歴史の争奪」と言われている内容の超ザックリとした概要になる。言われてみると、ああなるほど…となる話で、今のところでは中国と朝鮮の間でウチの一部だった、いやウチの歴史だと揉

    色々あって面倒なことに…「渤海国とは何か」
  • トノサマバッタはなぜ大麦を食べないのか。という研究

    中国や日で起きる蝗害はトノサマバッタによるもので、環境が違いすぎるのでサバクトビバッタはそもそも来ねーし繁殖出来んぞ。という話は以前書いたとおりなのだが、ではトノサマバッタってどういう生態なんだっけ。という話の一部である。 トノサマバッタはなぜか大麦をべない。(謎トリビア) イネ科植物なら何でもうだろうと思ってたらオオムギはべない。 これが何故なのか、ということを調べた面白い研究がある。 トノサマバッタはなぜオオムギをべない?植者の寄主と非寄主を決定する要因の探索 https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-24658054/ 詳細はPDFなどを見て貰うと判るのだが、結論としてはオオムギに含まれる特定の物質が、成長を阻害したり生存率を低めたりする原因になるため、オオムギを嫌う個体が生き残り現在の好き嫌いに結び付いているような

  • 意外に知らないことも多い…世界の米と「コメの歴史」

    人はコメ大好き民族で、とにかく事にはご飯がないと…という人も多いと思う。ラーメンにすらご飯を付ける謎文化もある。地理的に近いぶん、アジアのコメ文化もそれなりに知ってる人は多いだろう。しかしそんな日人でも知らないコメ文化がある…。 コメの歴史 (「」の図書館) - レニー マートン, Marton,Renee, 和子, 龍 世界中のコメ歴史とコメに関する雑学を詰め込んだで、巻末にはコメ料理レシピなども載っている。とにかくコメをわせようとしてくるなので、炊飯器のスイッチを入れてから読むことをお勧めする。 まず前提として、世界にはアジアが発祥のコメと、アフリカ原産のコメの二種類がある。アフリカ原産の分については以前このへん↓でも取り上げた。ニジェール川沿いの穀倉地帯で独自に栽培化された種類だ。 アフリカの「肥沃な三日月地帯」、ヤムいもの起源を求めて https://55

  • 歴史的に実在する「ケルト」と現在の「ケルト」は別モノであるという話/再まとめ

    まずは編を読む前に、「ケルト歴史地図」というの冒頭に載っている、以下の部分を一度読んでみてもらいたい。 初見だとほとんど意味が分からないと思う。というか自分も、このは何度も読んでいたのに、ここの部分の意味を理解出来たのは最近だ。この記事は、この不可思議な記述の意味するところの裏側について書いている。 内容を説明したあとに、最後でもう一度、この記述の内容に触れることにしたい。 ************************************* <<前段>> 「島のケルト」は「大陸のケルト」とは別モノだった。というかケルトじゃなかったという話 https://55096962.seesaa.net/article/201705article_21.html 「島のケルトは実はケルトじゃなかった」から派生する諸問題~"ケルト神話"がケルト神話じゃなくなります https://550

    歴史的に実在する「ケルト」と現在の「ケルト」は別モノであるという話/再まとめ
  • イエスとマリア~聖家族はなぜエジプトに逃げたのかが分からない

    イエスが誕生したあと、預言を恐れたヘロデ王が男児を皆殺しにしようとしたので聖母マリアと夫ヨセフは天使の助言に従ってエジプトに逃亡した。…という伝説はよく知られていると思うのだが、なんで天使はエジプトを指定したのかが分からない。 なにしろエジプトは、かつて奴隷扱いされていたユダヤ人が苦労こいて逃げ出してきた酷い国という扱いで、旧約聖書ではひたすら全知全能なる神に絡まれる役回りだからなのである。なのに天使は、神りのひとり子をエジプトに行かせようとする。なぜなんだ…! なお、聖家族のエジプト逃亡の記述は、新約聖書のマタイ書にだけ存在する。(第二章) 新約聖書の解説などをチラ見してみたところだと、神学上の解釈としては「モーセの出エジプトに対比させた、イエスによる出エジプトだろう」といった解釈があった。しかしイエスがエジプトで奴隷扱いされたならまだしも、そんな事実はないのでこれはコジツケだろう。ま

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    nminoru 2018/02/19
  • トインビーと文明論、40年前の「常識」とは…。

    屋の300円棚になんか妙にきれいながあったのでテキトーに手にとってみた。アーノルド・トインビーの生涯と研究の集大成、という感じの。 たぶん↓これ。 トインビーというと、代表作は「歴史の研究」だと思う。世界の文明をグループ分けして、その発展などについて論じた大著で、ちょっと難しいがなかなか面白い。実に手広く、いろんな文明を的確に描写している。今でいうところの「比較文明論」のさきがけみたいなで、ものすごく膨大な知識が盛り込まれているので、自分の専門ジャンルで部分的に越えることは出来ても、全体を通して上回るのは難しいと思われる。 つまりトインビーは前世紀の「知の巨人」の一人なわけだ。 …で、そんな人の研究の概要が今回手にとったもので、出たのが昭和53年だからほぼ40年前のである。 なんとはなしにぱらりと読み始めてすぐに気が付いたのが、の中で「ご存知のとおり~」といった語り口で語ら

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    nminoru 2017/10/31
  • アンデス文明展図録めも/現在のアンデス地域の考古学

    上野で開催中の古代アンデス文明展の図録、めっちゃ丁寧に解説が入っててボリュームたっぷりだったので読むのに時間がかかった。 日語のアンデス文明があんまり出てない現状、この図録は最新の研究内容を盛り込んだ良質な参考書になっている。カラー写真もたっぷり使われているしお値段的にはかなりお得。 で、せっかく読んだので気になったところをメモしておこうと思う。 ■人類の南米への移住 かつては、氷河期の終わりに氷河の衰退とともに人が移動していった、という説が有力だったが、その後、氷河が後退する以前の遺跡が出てくるようになり、現在では、氷河期が終わる前に海岸沿いに舟で移住していた人々がいたという説のほうが主流説となっている。氷河期から海岸部には人がいて、氷河期の終わりとともに内陸部にも広がっていくようになった、という拡散モデルだ。 しかし、この移住が1回だったのか複数回だったのかがはっきりしていない。

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    nminoru 2017/10/31
  • ストーンヘンジは作られて50年しか経ってない捏造遺跡! と大騒ぎされていたのだが

    うんまあだいぶ周回遅れなんだけど、めんどくさくて放置してたんだ。ちょっと前にこういう感じ↓でセンセーショナルなやつが出回ってたよね。 【ショック】“ストーンヘンジ捏造説”急浮上、証拠資料が多数流出!! 考古学者も断言「完全に作り直し」、基礎もコンクリートだった! http://tocana.jp/2017/06/post_13482_entry.html …いやあの、「証拠流出!」っていうか、昔から復元時の写真はフツーに出回ってましたけど? 私が子供の頃の学研かどっかが出してた世界のふしぎ的な図鑑に載ってたよねコレ…。石倒れてたの建て直しましたーって。 古代からずっと変わってないと勝手に思い込んでただけなんじゃ…。←直球 というわけで、最初に要点を纏めよう。 ●ストーンヘンジがここ100年ほどの間に大規模な復元をされたのは事実。(1900年~1964年が最終) ●その際に多少、位置がズレた

    ストーンヘンジは作られて50年しか経ってない捏造遺跡! と大騒ぎされていたのだが
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    nminoru 2017/08/30
  • トイレ無くして愛はない…現代インドとトイレ事情(約5億人が野糞)

    今月のナショジオでインドのトイレ事情特集やってたので、なるほどタイムリーな話題なんだなと思ってしまった。 インドは現在、モディ首相のもとで大規模なトイレ事情改革の真っ最中。その計画は「クリーン・インディア」という名前で知られており、ググれは日語でも情報が出てくる。 そのクリーン・インディアの核となる「各家庭にトイレを」のスローガンを実現すべく、ボリウッド(いわゆるインド版ハリウット゛)では、今年新作映画「Toilet」を公開しようとしている。 よくあるインド映画で、歌ったり踊ったりするラブストーリーなのだが、予告編や粗筋からして、野糞に耐えられなかったを呼び戻すために村にトイレを作ろうとする、政治的なメッセージと一致する実にうまいこと作られたプロパガンダ映画でもあるようだ。 Toilet - Ek Prem Katha (2017) http://www.imdb.com/title/

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  • 離島でー生存ー戦略ー! 沖縄人はどうやって生き残ったか

    なんかこのはひさびさに面白かった。沖縄を含む琉球諸島に住み始めた人々は何処から来たのか? いつからすみ始めたのか? だけではなく、どのように生存を図ったのか、を主題にしている。 要はごはんの話である 人間はごはんべないと死んじゃうんである。そして成人の必要カロリーは古代だろうが現代だろうがだいたい一緒。必要なカロリーを摂取できるか否か。これが何よりもまず生存の条件となる。その意味では、「島」というのは過酷な場所である。何しろ、そこにあるものべつくしてももう何処にもいけないのだから。環境が変わってしまったら、適応できずに死亡する確率が非常に高いのだから…。 著者は最初、「パラダイスだった沖縄諸島の先史時代」というタイトルでを書くつもりだったようだ。 しかし調べていくと全然パラダイスじゃなかったのでタイトルを改めたのだという。島には、人が生存可能なキャパシティというものがある。そのキャ

    離島でー生存ー戦略ー! 沖縄人はどうやって生き残ったか
  • 「四大大河文明」はもう古い、いい加減使うのやめようぜ。っていう話

    いったん社会に定着してしまったフレーズは、なかなか消えることがないのだが、もういい加減ええんちゃう? と思うのが「四大文明」、それも「四大大河文明」という言い方だ。 まずインダス文明は大河文明じゃなかったし。 ・文明期の川の流れを再現したら、そもそも当時はインダス川が無かった ・当時の河川は遺跡からガッツリ離れて流れていた ぶっちゃけ黄河文明も黄河だけじゃない。 ・長江上流の遺跡のほうが古かったりする ・その他の河川流域でも独自に文明が発達していたことがわかってきているので、「古代中国文明」あたりならともかく「黄河文明」という言い方は妥当ではない そして大河に依存しない純然たる一次文明の存在も既に知られている。 中米(オルメカ、トルテカ、マヤ、アステカなどの地域)やアンデス(ナスカ、モチェ、イカなどプレ・インカと最終的にそれらを統合するインカ)、エーゲ海の島嶼で発達するキクラデスなどの文明

    「四大大河文明」はもう古い、いい加減使うのやめようぜ。っていう話
    nminoru
    nminoru 2017/06/15
    マスターキートンにすら四大文明古い論は出てきていたからなぁ。
  • 現代イギリス(UK)人の遺伝子地調査から見えてくる歴史イベントの影響と"ケルト人"の行方

    考古学と遺伝学と言語学から「島のケルトってケルトじゃないじゃん!」という話が出ているのだが元々知識のない言語学は手に負えなかったので、とりあえずまだ結果のはっきりしてる遺伝学方面をまとめておく。 「ケルト人がブリテン島に渡った証拠がないぞ」という部分の話。 ------------------------------------------------------------ 大元の論文はこれ The fine-s cale genetic structure of the British population https://www.nature.com/articles/nature14230.epdf 参考までに、サマリー的な記事 DNA study shows Celts are not a unique genetic group http://www.bbc.com/news/

    現代イギリス(UK)人の遺伝子地調査から見えてくる歴史イベントの影響と"ケルト人"の行方
  • スズメ減る→ハクセキレイ増える/人類の隣人スズメについて読んでみた

    なぜか屋にスズメのが大量に入荷していたので一冊買ってみた。 写真集にしようかなーとも思ったんだけどとりあえず知識系で攻めてみる。 中身はさらっと読める一般知識系ので、身近にいるけどよく知らないスズメについて基知識をおさらしよう! というかんじ。スズメの進化の歴史とは? とか、日人とスズメの関わりとは? とか、スズメの一年の暮らしとは? とか。 スズメの原産地というのはよく知らなかったのだが、今のところアフリカ起源説になっているらしい。人間にひたすらわれながらも、人間の近くで暮らすことを選択した妙な鳥で、いわばツンデレ的なアレである。そんなにコメや麦がすきなのか。人の作る田畑でごはんをたべ、人の家の軒下などに間借りして子育てする。それはヘビやカラスを避けられるという点において、多少人間にわれたとしても生存に有利な環境だったのだろう。でなければ世界中にスズメが広まっていようはずは

    スズメ減る→ハクセキレイ増える/人類の隣人スズメについて読んでみた