似たようなタイトルの本は何冊も出ているが、これは八坂書房から出ている本の話。 表紙にドイツ語書いてあるのと、ぱらっとめくった目次が妙に濃いので手に取った。概要書と見せかけてやたら詳しいのは実は著者がその世界で著名な人だからである。まあ、うん、そのへんの概要書は「内容をつぎはぎにして薄めただけ」なのだが、ガチな人が書く概要書は「全部書くと長いから濃縮して要約したぜ」なんである。 図説 ゲルマン英雄伝説 - アンドレアス ホイスラー, マックス コッホ, 吉田 孝夫 この本には、ドイツの英雄叙事詩に関わる伝説が北欧神話など近隣の関連する伝説も合わせて詰め込まれている。最近の邦訳本ではあまり出てこないオッファ(ウフォ)やオルトニット(オルトニト)、ヴォルフディートリッヒといったマイナーな英雄<ヘルデン>たちが紹介されている。 ただし原著が出たのは古く、なんと百年以上前。それでも古さを感じさせない