☆mediopos3395 2024.3.4 ふと再読した堀江敏幸のエッセイ 「既知を恐れる」(『坂を見あげて』所収)は ヴァレリーの 「知性を欠いた直観はひとつの事故である」 「私は未知のもの以上に既知のものを恐れる」 といった言葉からの随想である 知性を信頼するためにこそ 知性を既知の外へと導く必然的偶然へと みずからを導かなければならない ということでもあるだろうか 知性を信じるということは つねにみずからの知性が 「既知の枠からはみ出す瞬間を、 不意打ちを待っている」 ということにほかならない つまり知性はつねに 現在のみずからの知の外へ 「未知へ」と向かおうとすることによって はじめて知性であり得る アリストテレスが 哲学の出発点に置いた 「驚き」ということでもある 知性がみずからを守ろうとするとき 言葉を換えていえば 知性は未知への衝動を失い既知へと閉じてしまうとき 知性はす