「刺激的なことが起きている」――音楽業界を変革した「歌い手」のひとり、夢もない友達も少ない高校球児が「天月」になるまで 「歌い手」と呼ばれるアーティストたちが、音楽業界に変革を起こしている。歌い手は、ボーカロイドなどの楽曲を肉声で歌い、「歌ってみた」と題して動画投稿しているクリエイターの総称。昨年の紅白で、テレビ初歌唱が話題となった米津玄師も元々はニコニコ動画のボカロP出身だ。 その「歌い手」のトップランナーのひとりが天月(あまつき)。Twitterのフォロワーは120万を超え、10代を中心に大きな支持を得ている。動画投稿を始めたのは、野球部を引退し高校卒業をひかえた2010年。その頃は「夢も希望もなく、友達も少なかった」と振り返るが、2018年には日本武道館でワンマンライブを開催するまでに成長した。自分たちが起こした変革を「刺激的なことが起きている」と熱っぽく語り始めた。(撮影・大川晋児