2011年07月03日13:28 カテゴリ本経済 合理的意思決定の限界 東日本大震災のような巨大地震が近いうちに再発する確率はほぼゼロであり、それが原発のある地域で起こって大津波で(すでに耐震工事の終わった)予備電源装置を破壊する確率は、おそらく100万年に1度以下だろう。それでも人々は検出限界以下の放射線を恐れ、知事は原発の運転再開に同意しない。このような行動を経済学では非合理的な意思決定と呼ぶ。 しかし合理的とは何だろうか? 経済学では効用を最大化する行動だが、現実の人々の行動のほとんどが非合理的だとすれば、それと無関係な数学的公準を合理的と呼ぶのはおかしいのではないだろうか。むしろ新古典派経済学の命題のほとんどは、理想的な条件のもとではこういう行動で効用が最大化されるという規範的な理論と考えたほうがいいというのが著者の意見である。 では、それとは別の記述的な理論とは何か。困ったことに