その男性の両親は、彼が子供のころに離婚した。そのあと、父子の交渉は断絶したが、父親は法律で定められた通り、養育費だけは支払った。そして、息子が18歳になってその支払い義務が終わると、父親は一切の関係を絶った。 そのうち、父親は息子の相続権も剥奪し、男性の元には、法律で決められた最小限の遺産分以外は渡さないという通知が来た。こうして、音信不通のまま40年以上が過ぎ、男性は60歳になった。 突然届いた老人ホームの請求書 2009年、父親が老人ホームに入所した。しばらくすると、社会福祉事務所から手紙が来た。開けてみると、父親の老人ホームの費用の請求書が入っていた。 この男性がいかに驚いたかは、想像に余りある。そして、その後、いかに怒ったかということも。男性は支払いを断固拒否し、裁判に訴えた。裁判は長引き、12年、父親は亡くなった。 家庭裁判所の訴えは最高裁まで上がり、その判決が、ようやく今月2月