11月30日、政府は給付型奨学金制度を2018年度から本格的に導入すると発表した。現状では、日本には一部の民間財団などが実施しているものを除けば、貸与型奨学金しか存在しない。しかも、その大半は「利子付き」の教育ローンであり、返済困難者が毎年数千人も発生し、訴訟件数も高止まっているのが現状だ。 そこで、政府は今年5月に政府が発表した「1億総活躍プラン」に給付型奨学金の創設を盛り込んでおり、それ以降継続的に議論されてきた。 具体的な予算や導入方法についてはこれから議論されるということだが、報道などで徐々に明らかになってきた全体像をみると、その内実は海外においける給付型奨学金とはほど遠いものになっている。 私が代表を務めるNPO法人POSSEでは、弁護士などと連携し、奨学金返済に困った方々の相談に応じきた。最近では返済者よりも家族の相談も多い。海外との比較に加え、日本の相談現場の実情を踏まえ、政