「日本学術会議が中国の軍事研究に協力」──なぜ根拠なきデマと陰謀論が消えないのか?/文・石戸諭(ノンフィクションライター) <この記事のポイント> ●日本学術会議を巡る問題に絡み、中国の軍事研究「千人計画」について有力政治家の発言がフェイクニュースの発火点になる事案が増えている ●SNSで行われる科学者バッシングの下地には、強い「反既得権益意識」が存在している ●陰謀論を支持する人が消えない背景には、ネットでは「人は見たい現実を見る」という事実がある 石戸氏根拠のないバッシングに発展政治家の発言がフェイクニュース、陰謀論の発火点になり、インターネットを駆け巡る“事件”が続いている。特に顕著なのが日本学術会議を巡る問題だ。 「学術会議の会員になれば自動的に日本学士院の会員になれ、年金がもらえる」といった類の誤情報をツイッターで拡散したのは、旧民主党から自民党二階派に合流した長島昭久、細野豪志