--1-- 民法は、父母が婚姻中のみ共同親権としており、父母が法律婚をしていない場合や離婚した場合、父母のどちらか片方の単独親権としている。婚姻中のみであっても父母の共同親権とされたのは、単に「両性の平等」というだけでなく、それが「子の福祉」に適うと考えられたからである。その根本には、「家」制度が否定され、夫婦・親子という家族構成員個人が尊重される「家庭」が措定されている(憲法24条)。 一方、未婚や子の出生前に父母が離婚したときには、一義的に子を産んだ母の単独親権とされ、父母の協議または家裁の審判により父を親権者とすることができるが、いずれにせよ単独親権である。この場合、子が生まれた時点で父母が法律上の夫婦でないために、共同親権を是とする「家庭」が存在しない。これに対し、子が生まれた後に父母が離婚した場合、共同親権から単独親権に変更される。この場合には、共同親権を是としていた「家庭」が消