縄文時代の人は、健康な歯を何らかの意図で抜く、風習的抜歯をすることがあったことが、出土した頭蓋骨から分かっています。この抜歯の理由には諸説があるそうですが、その説のひとつとして聞いたことがあるのは、その人の何らかの所属を表すための不可逆な変化として歯を抜いたというものです。 この説は、確かどこかの博物館の解説に書かれていたのを読んだもので、そこにどれぐらいの裏付けがあるのかは分かりませんが、その効果が分かりやすいので納得感があるなと思いました。 人間は、群れの存在を意識しやすいのではないかと感じています。目の前の人が自分と同じ群れに所属する人間かそうでないかということを常に意識してしまうところがあると思っていて、そのための暗号のようなやりとりをよくしていると感じています。 挨拶なんかはその典型的なもので、目の前の人に定型的な言葉を投げかけ、それがどのように返ってくるかによって、相手を見極め