急速に広がる生成AI(人工知能)を巡り、文化審議会小委員会は、AIがウェブ上のデータを取り込む「機械学習」に著作権者の許諾は要らないとする考え方を維持しつつ、権利侵害の具体例をあえて示すことで野放図な利用をけん制した。AIによる技術革新に期待が高まる一方、クリエーターらは権利侵害への懸念が拭えず、バランスの取り方が課題として残り続けている。【李英浩】 文化庁が実施したパブリックコメント(意見公募)には、クリエーターや業界団体から計約2万5000件の意見が寄せられた。自作がAIに学習され続けることへの対策を求める内容がある一方、公的機関が機械学習の「歯止め」になる考え方を示すことはAI開発の萎縮につながりかねないと指摘する声も上がった。 「機械学習がクリエーターの利益を侵害しないというのは、机上の議論に過ぎない」。…