テクモのゲームの最大の特徴はとにかく面白いことです。 今から皆さんと一緒に、ファミコン史前半におけるテクモの良ゲーメーカーっぷりとその恐るべき存在感について考えてみたいと思います。ちょっと古い話から始まりますがご勘弁ください。 ライター:しんざき SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ、三児の父。ダライアス外伝をこよなく愛する横シューターであり、今でも度々鯨ルートに挑んではシャコのばらまき弾にブチ切れている。好きなイーアルカンフーの敵キャラはタオ。 Twitter:@shinzaki 現在はコーエーテクモ、古くは帝国管財改めテーカンと号されたテクモは、当初はゲームセンターに良質なアクションゲーム・シューティングゲームを提供する佳作メーカーであって、そのアレンジ移植からファミコンでの歩みを始めました。 ファミコンにおけるテクモゲー第1作は、「ボンジャック」を絶妙にファミコンにマッチした形にア
行きつけの「道場」 知られざる猛者たち ゴールデンウィークに大阪へ 今年2月、強豪ひしめく格闘ゲームの世界大会で、無名のパキスタンの若者が「番狂わせ」の優勝を果たした。さらに業界を騒然とさせたのは優勝後に放った一言。「パキスタンには強い選手が、まだまだいる」。まるで漫画のような展開。真偽を確かめるため訪れた現地で待っていたのは「ラホールの強心臓」「コンボの魔術師」「青シャツの神童」などの猛者たちだった……。ネットゲームの時代、わざわざゲーセンに通う理由。宗教指導者に「がん見」されながら腕を磨くそこはまさに「虎の穴」。パキスタンでいったい何が起きているのか。真相を探った。(朝日新聞イスラマバード支局長・乗京真知) 行きつけの「道場」 1千万人超が暮らすパキスタン東部ラホール。砂ぼこりが舞う大通りを2人乗りのバイクが競うように走り抜けていく。流行をいち早く取り入れる学生や商魂たくましい起業家が
『魔法大作戦』や『バトルガレッガ』…眠れる名作オールドゲームを現行ハードへ――“移植”の匠集団「エムツー」に聞いたゲーム保存事情【移植希望タイトル募集!】 「サービスイン1ヵ月で200万ユーザー突破!」――そんな景気のいい話で持ちきりのソーシャルゲーム界隈を傍目に、眠っている名作をいま一度現行ハードでプレイできる日を夢見て、コツコツと磨き続ける職人たちがいた。 “移植”の匠集団・エムツーである。 彼らは、結成当初から名作ゲームを他ハードに移植する術に長け、今では「SEGA AGES」シリーズや『ナムコミュージアムDS』、『コナミアーケードコレクション』など、大手老舗メーカーから多くの復刻版開発の依頼を一手に受けている。その移植再現度の高さゆえクライアントからも、そしてユーザーからも信頼が厚い存在だ。 そんな彼らが、新たに独自ブランド「エムツー ショットトリガーズ」を立ち上げ、眠れる名作を再
「戦争は、時間と空間のジレンマである」現代ウォーゲームが発見した“真実”——ゲームはいかに戦争の「本質」を捉えてきたか【徳岡正肇氏インタビュー】 去る9月1日、パシフィコ横浜にて開催された、ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2017」。取材に当たって筆者は、弊誌編集部からの指令を受けていた。 「4Gamer.netなどで活躍するライター、徳岡正肇氏にインタビューを依頼してほしい」 関西に住んでいた筆者は、この時点まで徳岡氏と会ったことは一度もない。だが、さっそく講演会場に入室すると、そこには怒濤の勢いでウォーゲームのマップデザインについて語る男がいた。 彼が指さして語るスライドに投影されていたのは、美しい3Dグラフィックでも、ピクセルアートでもない――三角形、四角形、六角形が正確に敷き詰められた、方眼紙のようなイメージだけ。彼はこのシンプルな図表を用い、マップデザインの真理につい
「もはや反日感情を起こすのは難しい」中国で巨大ゲーマー集団を率いる謎の日本人男性が語る、変わりゆく大陸事情。当局が中国ゲーム産業に抱く思惑とは…?【中国ゲーム事情】 上海市街の南西、宜山路と桂林路が交差するあたりに、小規模なショッピングモールを備えたビジネスビルがある。その2階には、なかなかの広さのカードゲームショップがあるのだが、じつはこの店は上海で、もしかすると中国でもっとも『マジック:ザ・ギャザリング』が盛んなショップなのだという。 CardMasterの入り口 店の名はCardMaster。Shaoさんという気のいい店主が営むこの店で催される勝負は、公式に大会として認められており……と書いていると、この記事は「ボードゲームの話かな?」となるところだが、さにあらず。 この店、じつは土曜の晩になると、上海中から集まってくる人々がいる。上海に在住する日本人たちの趣味の集まり、“上海ゲーム
貴重なレゲー1万本と雑誌を収集するフランス没落貴族!?→自宅に凸して数奇な人生を聞いたら、ただのガチゲーマーだった件【NPOゲーム保存協会:探訪レポ】 ゲーム保存協会というNPOをご存知だろうか? 1970~80年代の古いデジタルゲームを文化財として保存することを目的に、ゲームソフトやハードを収集修復するだけでなく、雑誌書籍や周辺資料などの保存活動をしている団体だ。フロッピーディスクやカセットテープなど、ゲームソフトを都内の本部アーカイブ室だけで約1万2000本保有している。最近では日本ファルコムから、1980年代に社内で活躍したユーザーサポート用フロッピーディスクのストック一式を寄贈されたことでも話題になった。 日本ファルコム株式会社さまから、ゲーム保存協会に資料寄贈いただきました。大切な歴史をしっかり引き継ぎアーカイブ室で長期保存します。夏にはアーカイブ室一般公開もはじめる予定ですが、
「人類がスターチャイルドに進化してしまった」 深夜の電ファミニコゲーマー編集部の社内チャットに、そんな“どうかしている”書き込みが行われたのは、2016年末のPS VR発売直後の、とある夜のことだった。本記事は、いわばそんな編集部の異様な興奮のまま昨年末に勢いで行われた、VRコンテンツ『Rez Infinite』についての7時間にわたる「狂気の」インタビュー現場の記事化である――。 とはいえ、この収録が行われた夜から、既に半年近く。 大変に恐縮ながら原稿の仕上がりが遅れてしまっている間に、VRを巡る状況は随分と変わってしまった。「VR体験を家庭にもたらす」として登場したPS VRは、今も世界的に品薄状態が続いている。現在もほとんどの人は家庭でVR体験が出来ないままだ。その状況で、このインタビューのテンションが、どう読者の目に映るかはやや不安でもある。 だが、その間にも『Rez Infini
年末年始,これだけは遊んでおこう! オススメのシミュレーション/ストラテジーゲーム,ベスト10 ライター:山室 良 残りわずかとなった2016年は,1月の「三國志13」に始まり,「Hearts of Iron IV」「Total War: WARHAMMER」「Master of Orion」「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」など,シミュレーション,ストラテジーゲームファンなら注目せざるを得ないような大作が数多くリリースされた豊作の年だった。筆者にとっては,「これらのゲームを,限られた時間の中でどうやって消化するか」というテーマで戦略級ゲームが作れるくらい取捨選択を真剣に考えた,嬉しくも悩ましい1年でもあったのだ。しかも,最近のゲームはどんどんボリュームが大きくなってきて,1本やるのも大変になってるし。 Hearts of Iron IV Total War: WARHAMME
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第117回目は『Eco – Global Survival Game』を紹介する。 生態系を壊さずに世界を生かす 世界と共存して美しい文明を築き上げる。イースター島の二の舞いを起こしてはならない 『Eco』は複数のプレイヤーと協力してプレイする箱庭型のサバイバルゲームだ。プレイヤーはサーバー上に設置されたワールドに降り立ち、農業や狩猟、鉱業や建物の建築などを通じて、文明を築き上げてゆく。ワールドには数十種類の種(しゅ)と数千個もの植物や動物たちが存在しており、独自の生態系を築いている。 一見すると『Minecraft』をちょっとリアルにしたただのクローン作品に思えるかもしれないが、『Eco』はより「生態系への関与」に重きを置いているのが特徴だ。まずワールド内に存在する植
有色人種の前に十戒を携えて登場する神の如きアメリカ白人様。この画像はWikipediaの「論争」の項目でも使われている。 海外ゲームのレベルの高さには常に驚かされてきたけど、これまたとんでもないゲームが存在していた。『バイオショック インフィニット』だ。俺はこのゲームに関する知識が皆無で弟が欲しがっていたのでプレゼントしただけ。弟のプレイをぼんやり見ていたらその凄さに気が付きすぐに弟から奪い返した(俺たち30代)。 以下は俺のプレイ画像。字幕が小さくて読めないと思うので、画像にはそれぞれ解説をつける。 ゲームの舞台は1912年のアメリカ。ゲームが始まってすぐに3人のアメリカのファーザーの彫像に遭遇する。初代大統領のワシントン、アメリカ独立宣言を出したジェファーソン大統領、アメリカ建国の父と呼ばれるベンジャミン・フランクリン(さっきググるまで俺はニューディール政策のほうのフランクリンだと勘違
"良いゲーム"には"良い音"が流れているもの。『ドラクエ』や『スーパーマリオ』など、"名作"と言われるゲームの音楽は、誰もが印象に残っていることでしょう。つまりゲームの音楽は、ゲーム自体のクオリティを左右する要因のひとつと言っても過言ではないのです。そこでゲーム・ミュージックに焦点を当て、その歴史を語っていくのが本書。ハードのスペックが低く、厳しい技術制約があった中での音楽制作の工夫点や、技術制約が少なくなった現在ではどのようなアイディアが音楽に盛り込まれているかなど、ゲーム・ミュージックの歴史と進化を時間軸に沿って語っていきます。巻末には植松伸夫氏、古代祐三氏、崎元仁氏といった著名ゲーム・音楽作曲家のインタビューも掲載。こちらも必見です。 【CONTENTS】 ■第1章:ファミリーコンピュータ世代 ~厳しい技術制約との戦いの時代~ 『スーパーマリオブラザーズ』と『ドラゴンクエスト』 ファ
「サバイバルとは,こういうことだ!」と叫びたくなるようなMODが今,世界的に大人気 DayZ Text by BRZRK ミリタリーFPS「ARMA2」の大人気MOD,「DayZ」をご存知だろうか? DayZは,ARMA2のデベロッパであるBohemia Interactive StudiosのDean Hall氏が,仕事とは無関係に制作したMODで,リリース直後から口コミで評判が広まり,DayZをプレイしたい人々によって,「Steam」のセールスリストで7週間にわたってARMA2がトップになるという珍現象を引き起こした。ARMA2が発売されたのは2009年なので,発売後3年が経過してから爆発的なヒットになったというわけだ。 このMODは現在も着実にプレイヤー数を伸ばしており,ユニークプレイヤーは実に100万人以上にも達する。……と書けば,知らない人でも気になるはずだ。 ここでは,なぜこの
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