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本コラム「日本の水産業は崖っぷち」の開始から2年半が経過しました。この間にも水産資源は減少し続け、今年の6月にはウナギが、そして11月17日には太平洋クロマグロが、国際資源保護連合(IUCN)により、絶滅危惧種(「レッドリスト」)に指定されました。「崖っぷち」の資源予備軍は、まだまだあります。 皮肉にも、日本が漁業の主体である太平洋クロマグロの親魚資源量は、歴史的低位置付近という深刻な減少を続ける一方で、大西洋クロマグロは資源が増加中。同じマグロなのに、なぜでしょうか。太平洋と大西洋で何か違うことが起こっているのか、というとそうではありません。これは環境の変化の問題ではなく、「人災」と言える結果です。魚を一網打尽にする大型巻き網船が問題かと言えば、それも違います。ノルウェーをはじめとする北欧では巨大な巻き網船の建造が進んでいます。それなのに水産資源は安定し、地方の水産都市は栄え(写真)、漁
世界中でウナギを食べる人は少なくはない。スペインではウナギの稚魚「シラスウナギ」を熱したオリーブオイルの中に入れて食べる料理が人気だし、北欧や英国ではウナギの薫製などが定番料理の一つである。 だが、世界で最も多くのウナギを食べているのは間違いなく日本人で、われわれは世界のウナギの6~7割を消費しているとされる。乱獲が主な原因であるウナギ資源の危機は、日本人によるウナギの大量消費が深く関わっているということになる。 日本を中心とする世界の生産と消費量は1980年から2000年にかけて急増した。日本国内のウナギ生産量は1980年代後半までほぼ年間4万トン程度で推移し、これに台湾からの輸入が2万5000トンから多い時では4万トン程度加わるという形が続いてきた。 これに変化が現れるのはバブル経済の爛熟期の1987年ごろからだ。そのきっかけの一つは中国で日本向けのウナギの養殖業が盛んになり、安い労働
世界中の人が日本人と同じ暮らしをしていたら、地球が2つ以上必要になる−。世界自然保護基金(WWF)ジャパンは25日、ある国の人間が生活レベルを維持するのに必要な農地や海、森林などの合計面積を示す「エコロジカルフットプリント」という指標を使い、日本人に生活様式の見直しを求める初の報告書を公表した。 報告書は、日本人は国土が本来供給できる量に比べ、7倍近い自然資源を利用していると指摘。WWFジャパンは「過度に輸入に依存する食生活を見直し、廃棄される食料や二酸化炭素(CO2)の排出量を減らして、環境負荷を下げる努力をすべきだ」としている。 報告書によると、日本人1人当たりのエコロジカルフットプリントは特殊な手法で算出した面積で4.1ヘクタールで、世界平均の1.5倍。一方で日本の国土が供給できる資源などの量は世界平均の3分の1にすぎず、日本人の生活レベルで世界中の人が暮らすと地球が2.3個必要にな
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