2020年度に内閣府が実施した「スーパーシティのデータ連携基盤に関する調査業務」事業の成果物です。 本業務は日本電気株式会社、株式会社日立製作所、アクセンチュア株式会社と一般社団法人データ流通推進協議会(現一般社団法人データ社会推進協議会、DSA)が共同提案を行い、DSAは本業務のうち「(ウ)データモデルの方針」の主担当を担いました。調査研究にはDSA会員企業からウフル、NTTコミュニケーションズ、三菱電機のみなさんに専門研究員としてご参加いただき、成果をとりまとめました。
人工知能(AI)など先端技術を活用したまちづくりを目指す「スーパーシティ法」(改正国家戦略特区法)が5月に成立し、12月からは対象区域の公募が始まる。既に公募に応じることを表明している自治体もあるようだ。スーパーシティ法は一見すると、最新技術を利用した「未来都市」を想起し、希望に満ちたものにみえる。しかし、実際には、個人情報の取り扱いや住民の合意形成をいかにしていくかなど多くの問題を抱える。計画を推進するのは、独自の域内規制ができるなどの強力な権限を付与された、国、自治体、民間で構成する「区域会議」――いわば「ミニ独立政府」だ。住民は利便さと引き換えに自由やプライバシーが犠牲になると強く警鐘を鳴らしたい。 スーパーシティ構想は、指定区域内で複数分野にまたがる規制を一括して緩和する制度だ。さまざまな情報をオンラインでリンクさせ、自動運転や遠隔医療・介護、キャッシュレス決済、小型無人機ドローン
上海市民は健康コードがグリーンであれば市内を自由に移動できる。 Image credit: TechNode/ Shi Jiayi 中国東部に位置する杭州市の政府当局は、パンデミック対策の健康コード(健康碼)システムを長期使用することを提案した。これは国のロックダウン期間中に市民の健康リスクを診断するという目的をはるかに超えており、ユーザのプライバシーに対する懸念をさらに深めている。 重要視すべき理由:新型コロナウイルス流行のピーク時に、中国全土においてローカルの「健康コードシステム」が急速に導入されたことで、今後の健康監視のあり方について疑問が投げかけられた。 提案された健康コードが提供するのは、緑、黄、赤といった個別の色でのスコアリングではなく、運動、喫煙、飲酒、睡眠などの習慣からなる多くのデータポイントに基づいたスライディングスケールの数値スコアである。 発表された資料から、都市レベ
安倍政権が今国会での成立を目指す「スーパーシティ」法案(国家戦略特区法改定案)。人工知能(AI)やビッグデータなど最先端の技術を活用し、未来の暮らしを先行実現する「まるごと未来都市」をつくるといいます。しかし、取材を進めると深刻な問題点が見えてきました。(藤原直) 域内の完全キャッシュレス化やマイナンバーカードへの決済機能のひもづけ、ネットを通じた遠隔医療、ドローンによる薬の配送、地域交通の自動走行化、習熟度に応じた遠隔教育の本格的導入…。内閣府の資料に示されたスーパーシティでの取り組み案です。 政府は、スーパーシティとは、複数の先端的サービスを域内で同時に実現し、「社会的課題の解決を図る生活実装実験」だと説明しています。 やりたい放題に 住民を巻き込んだ「実験」に問題はないのでしょうか。 「大いにあります」。アジア太平洋資料センターの共同代表・内田聖子さんは強調します。なかでも、複数の主
2019年の発売以来、難解ともいえる学術本なのに、アメリカのメディアで高い注目を浴び続けている本がある。その名を『監視資本主義の時代』(原題:The Age of Surveillance Capitalism )。著者は、ハーバード大学ビジネス・スクールのショシャナ・ズボフ名誉教授。704ページの大著は、まだ日本語に翻訳されていない。が、携帯電話やパソコンを通じたデジタルな監視活動を、ズバリ資本主義の仕組みと結びつけた「監視資本主義」という言葉は、学術用語の範囲を超えて、世界規模で人々の考え方に変化を促している。 人間を操るためのデータ収集 監視資本主義とは、企業が個人情報を収集することで、消費者の行動を個別に分析し、予測し、変容させ、利益を上げる仕組みを指す。個人情報の収集は現在、私たちがインターネットにアクセスする度にほとんど自動的に生じている。 ズボフ教授は、特に米IT大手企業グー
新型コロナの特別定額給付金のオンライン申請では、申請内容を手作業で確認する自治体が出るなど混乱が広がった。写真は衆院予算委員会の質疑に臨む安倍晋三首相(写真:つのだよしお/アフロ) 少子高齢化と人口減少が進むわが国の社会の質を維持し、さらに発展させるためには、データの活用による効率的な社会運営が不可欠だ。一方で、データ活用のリスクにも対応した制度基盤の構築も早急に求められている。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、これまでの経済、社会のあり方は大きく変わろうとしている。 その中で、日本が抱える課題をどのように解決していくべきか。データを活用した政策形成の手法を研究するNFI(Next Generation Fundamental Policy Research Institute、次世代基盤政策研究所)の専門家がこの国のあるべき未来図を論じる。第5回は情報法制に詳しいKDDI総合
スーパーシティ型国家戦略特別区域の指定に関する公募につきまして、令和3年4月16日に公募を締め切り、合計31の地方公共団体から応募がありました。各地方公共団体の提案の概要については、下記資料を御覧ください。
(写真)島田市長(手前)の説明を聞く(左から)堀内、西田、大門、河内長野市議団の各氏=21日、大阪府河内長野市 日本共産党の大門実紀史参院議員は21日、国が進める「スーパーシティ構想」の認定をめざす大阪府河内長野市を視察に訪れ、島田智明市長らから説明を受け、懇談しました。西田さえ子衆院近畿比例予定候補、堀内照文前衆院議員、日本共産党河内長野市議団が同席しました。 「スーパーシティ構想」は、国家戦略特区による規制緩和と、AI(人工知能)など先端技術の活用によって、市民の生活の情報をデジタルで集積しノウハウを得ることを狙いとするまちづくりです。全国で31の自治体が応募。内閣府は、5地区程度を指定する見通しで、河内長野市は、南花台を候補地として応募しています。 大門議員は、自動運転モビリティ「クルクル」に試乗。高齢化が進む河内長野市には重要な移動手段の取り組みだと指摘。「住民の合意を得ることが大
スーパーシティ実現に向けた「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」が先月27日に成立した。しかし、この「スーパーシティ」が何なのか一般に報道されているものでは、なかなか伝わってこない。情報通信技術(ICT)をいかした未来都市は世界的に「スマートシティ」という呼び名が普通で、わざわざ「スーパーシティ」とする違いも見えない。報道では「キャッシュレス、遠隔医療、自動運転」などスマートシティでよく聞く「何ができます、こんな生活になります」といった具体例が総花的に並んでいるだけ。 実は、この「一般の人がわかるように、具体的に何ができるか説明してくれ」という報道の姿勢は、少なくともICT分野では危険だ。「サービスイメージだけで、プラットフォーム志向なしに、その具体的サービスの実現を、近視眼的に行う」のが、日本のICTシステム開発のたこつぼパターン。例えば「両親に孫の成長のカラー写真を毎日届けられます
大阪あたりが真っ先に手を挙げそうだけれど、このスーパーシティ法案が緊急事態宣言解除の直後に、こっそりと参院本会議で可決されているのにはわけがある(2020年5月27日、「スーパーシティ」構想を含んだ国家戦略特別区域法等の改正法案=スーパーシティ法案が成立)。コロナ禍に遭って崩壊の危険性を察知したグローバルキャピタリズムの焦りの表れだ。 富裕層の思惑のみでいろいろなことが決まり経済格差は拡大必至 コロナによってグローバルキャピタリズムの前提であるヒトとモノの移動がリスク要因になったので、一時期に比べればよくはなったけれど、中国からモノが来なくなり、いろいろなモノが値上がりしたり流通が滞ったりしている。 それは、これから世界的なヒトとモノの出入りが不自由になっていく可能性があるということだ。それで、リモートで儲けることを画策しているわけだ。 日本人の感性としては、国民全員が貧乏になるのはわりと
「スーパーシティ」しか道はない 自民・片山さつき前地方創生担当相 2020年08月11日07時06分 インタビューに答える片山さつき前地方創生担当相=4日、東京・永田町 安倍内閣の地方創生担当相として持続可能なまちづくりを進めてきた。地方創生として、人工知能(AI)やビッグデータなどデジタル技術を活用した都市「スーパーシティ」になるしか自治体は生き残れない。キャッシュレス決済、自動走行車両の導入、行政手続きのIT化など新しい生活様式をデジタルでつくり上げる取り組みだ。 スーパーシティ、9月に公募開始 年内選定目指す 人口減少社会で、支え手と支えられ手の数が大幅に逆転していく。しかも、外国人材を大幅に取り込める国ではない。全部の自治体がスーパーシティ化しないと日本の2050年はない。 具体的には、リモートワーク、リモート学習が進めば、東京一極集中の緩和になる。東京に人が集まる理由は、地方に良
近年、「Society 5.0」の実現に向けた未来投資戦略やスマートシティ構想、税・法令などの規制を緩和した国家戦略特区や、国内全体の活力UPを目的とした地方創生政策など、さまざまなプロジェクトが立ち上がっています。そんな中、2018年秋ごろから新たな未来都市創生プロジェクト、「スーパーシティ構想」が内閣府主導で進められており、先進テクノロジーを活用する点ではスマートシティと共通するものの、後者が抱える課題をクリアする構想として注目が集まっています。 本記事では、内閣府が2030年の実現を目指しているスーパーシティとはどのようなものなのか、実現によって私たちの生活がどのように変化するのかを検証します。 スーパーシティとは、AIやビックデータを活用し、社会のあり方を根本から変える未来都市設計の動きが国際的に進展していることを鑑み、第四次産業革命を体現する世界最先端都市の創生を目指して内閣府が
都市インフラや一般家庭の家電、各個人の健康状態データもみなインターネットにつなぎ、あらゆる行動の監視に直結する「まちづくり構想」が動き出している。今月14日の国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)では、人工知能(AI)やビッグデータを総動員し、2030年頃の未来社会を先どりする「スーパーシティ」構想実現に向けた法整備を急ぐ方針を決定した。3月にも関連法を今国会へ提出する動きを見せている。 安倍政府が具体化する「スーパーシティ」構想は昨年11月頃から片山さつき・内閣府特命担当大臣(地方創生)の下、竹中平蔵などを中心とする有識者懇談会が具体化を進めてきた。この有識者懇談会が明らかにした最終報告は「スーパーシティ」構想について「これまで日本国内において、スマートシティ(省エネを追求した環境都市)や近未来技術実証特区などの取組があった。しかし、エネルギー・交通などの個別分野での取組、個別の最先
画期的な未来都市をつくる目的で動き出した国の「スーパーシティ」構想。国家戦略特区の指定を受けようと、31の自治体グループが応募した。しかし、各グループへのヒアリングを終えた国のワーキンググループは2021年8月、「大胆な規制改革の提案が乏しい」と厳しい評価を下し、全グループに再提案を求めた。大胆さを求める政府と、ためらう自治体。スーパーシティの実現には、住民合意とマネタイズ(収益化)という高いハードルがある。 内閣府地方創生推進事務局は2021年8月6日、スーパーシティの公募に名乗りを上げた31の自治体グループへのヒアリング結果を公表した。指定基準などを検討してきた国家戦略特区ワーキンググループ(座長:八田達夫・アジア成長研究所理事長)は、「大胆な規制改革の提案が乏しい」と応募した全自治体に見直しを要望。もともと今春といわれていた指定時期の見通しは、今のところ立っていない。 ここに至る経緯
「スーパーシティ」の区域指定について議論した、国家戦略特区諮問会議の専門調査会。右端は野田地方創生相=4日午後、東京都千代田区 政府は4日、国家戦略特区諮問会議の専門調査会を開き、最先端の行政サービスの提供を目指す「スーパーシティ」について、茨城県つくば市と大阪市を区域指定する原案を了承した。今後開く国家戦略特区諮問会議を経て、閣議決定する。会合には野田聖子地方創生担当相らが出席した。 決定した地域は事業者などとつくる区域会議で、事業内容や経済効果などを盛り込んだ計画を策定する。 つくば市はインターネット投票やドローンによる荷物の自動配送などを提案。大阪市は空飛ぶ車の普及に向けた環境整備や、人工知能(AI)分析を使った健康増進プログラムの提供などを打ち出した。
キャッシュレス化とは、現金以外の方法で支払いをすることです。 今やコンビニやスーパーなど日常の買い物だけではなく、法人間での取引や税金の支払いなどでも使われるようになりました。 決済方法の多様化と共に利用できるシーンが増えたことによって、日常的に利用されている方もいるのではないでしょうか。 また、2018年4月には経済産業省が「キャッシュレスビジョン」を策定しました。日本のキャッシュ... ただし、それらはあくまで「一部での導入」または「個別分野限定の実証実験的な取り組み」であるという側面があります。 「一つの都市でまるごと適用される」程の規模感で、AIやビッグデータを活用した便利な暮らしを目指すのが「スーパーシティ」の構想です。 スーパーシティの基本的なコンセプトは3つあります。 幅広く生活全般をカバーする取組であること(例えば決済の完全キャッシュレス化、行政手続のワンスオンリー化、遠隔
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