IT市場でいまだに世界の中心であり続けるシリコンバレーは日本と何が異なるのか。 シリコンバレーでエンジニアとして働く酒井潤氏が月刊誌『Voice』6月号にて、大きく3つの点から環境の違いを指摘し、日本企業に足りない要素を説いている。本稿ではその一節を紹介する。(取材・構成:中崎史菜) ※本稿は『Voice』6月号、酒井潤氏の「なぜ、シリコンバレーで働くのか(下)」を一部抜粋、編集したものです。 日本国内にシリコンバレーのような場所をつくろうとする動き(〇〇バレー構想)は以前からありますが、大きく成功した例はありません。 いったい何が欠けているのか。シリコンバレーを日本につくるには、次の条件を満たさなければならないでしょう。 「スピード」「資金力」「真似力」の3点です。 アメリカではバグがある状態で製品を出し、それを売って回収したお金でバグを直しながら、開発を進めていくのが普通です。 もし競