大蛇がまつられているとされる沼御前神社=福島県金山町で2020年7月18日午後4時21分、三浦研吾撮影 コロナ禍で重い空気が日本に立ちこめる中、疫病退散のご利益があるかもと、一躍脚光を浴びたのは熊本のご当地妖怪「アマビエ」だった。東北の地にも数々の民間信仰が根付いている。新潟県境に近い福島県金山町の沼沢湖は公園やハイキングコースが整備された人気スポットだ。毎年8月の「沼沢湖水まつり」(今年は中止)は1万人以上が集まる一大行事で、湖に伝わる大蛇「沼御前」の伝説がもとになっているという。気になって取材した。【三浦研吾】 さかのぼること鎌倉時代。湖の主として恐れられた雌の大蛇は髪の長さが約6メートルもある若い美女に化け、住民に危害を加えたという。当時の会津領主が家来と大蛇を退治。頭を湖畔に埋め、霊をまつるために高台に建立したとされるのが、湖畔に残る沼御前神社だ。