三鷹駅から武蔵野中央公園へと続く武蔵野競技場線廃線跡の遊歩道(撮影/武田元秀) 西武鉄道東久留米駅近くに残る東久留米構外線廃線跡の築堤(撮影/武田元秀) 南側から見た簡易鉄道が西武新宿線をくぐる小さなガード(撮影/武田元秀) 東京都武蔵野市の北部に位置する都立武蔵野中央公園は、約10万平方メートルの敷地をもち、都内では珍しい広大な芝生広場が造られている。周辺を含めたエリアは、旧帝国海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)用など、日本最大の航空機エンジン工場だった中島飛行機武蔵製作所の跡地で、いまのURひばりが丘パークヒルズ(ひばりが丘団地)にあった中島航空金属田無製造所との間に、簡易鉄道が敷かれていた。線路は米軍の爆撃によって徹底的に破壊されて痕跡を留めず、“幻の鉄道”とされていた。1990年代の地元保谷市(現・西東京市)公民館の聞き取り調査により、そのルートが確認されるなど、概要が明らかにされた。