逆風下にある国内小売 百貨店(Department Store)は、戦前戦後の日本にあって長らく小売の王座にあった。昭和の時代の後半に、この王座に挑んだのが総合スーパー(GMS:General Merchandizing Store)である。1972年にその代表格のダイエーが、百貨店トップの三越を売上高で追い抜いた(佐藤肇『日本の流通機構』有斐閣、1974年)。これは、高度経済成長期のなかで生じた日本の小売の地殻変動を象徴するできごとだった。 しかし、近年の日本の小売にとっては、経済成長期は遠い昔の話となってしまった。小売をめぐるニュースは様変わりしている。国内では経済活動の停滞が続き、人口の減少とネット通販の拡大は止まらない。そのなかで地方では百貨店の閉店などが続く。ピークの1999年には200を超えていた地方百貨店は半減してしまった。 総合スーパーについても、同様の動きが顕在化しつつあ