国際的に有力な格付け会社であるムーディーズ・インベスターズ・サービス社が5月18日付けで日本国債の格付けを1段階引き上げた。筆者は翌日の新聞記事で知ったが、率直なところ驚いた。喩えていうと、冬になってから、「お中元」が届いたような気分だ。心遣いは嬉しいとしても、本当にお中元として受け取っていいのか。ちなみに、財政赤字の話が出るたびに引き合いに出されるイタリアの国債の格付け(自国通貨建て)とこれで並んだことになる。また、日本国債の格上げは昨年6月に1段階行われており、11ヶ月ぶりだ。 同社のリリースを読むと、Aa3だった自国通貨建ての債務に対する格付けをAa2に引き上げ、Aaaだった(日本国政府の)外貨建ての債務への格付けをAa2に引き下げ、両者を統一するとのことだ。また、日本政府の信用格付けがAa2に統一されることにともなって、政府系機関債(たとえば財投機関債)や地方政府の格付けでAaa