1.盛られる「ドル建て日経平均」の影響力 2.「ドル建て日経平均」が気にならない残念な理由 3.実は気にしてはいけない?「ドル建て日経平均」 円安と株安が同時に進む局面でよく目にするのが、「米ドル建て日経平均株価(以下、ドル建て日経平均)の下落で海外投資家が日本株を見切り売り」という解説です。日本の株式市場の売買はその約6割を海外投資家が占めるため、「なるほど」と納得してしまいそうになりますが、こうした解説は的を射たものなのでしょうか。主要経済紙でも度々報じられる「ドル建て日経平均」ですが、その実像を検証してみたいと思います。 ■日本の株式市場における海外投資家の動向は、東京証券取引所(東証)が発表している「海外投資家地域別株券売買状況」で確認することができます。9月の同資料を見ると、米国投資家の売買金額は月間約7.3兆円、海外投資家の売買に占めるシェアは約6.8%に過ぎません(図表1)。