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文学の検索結果1 - 40 件 / 55件

  • 110年前の女性の投書「女にモテない夫を持った私の感想」

    文通相手を探していたところ、1914年(大正3年)に出版された少女向け雑誌『處女』(処女の旧字)を発見した。 この雑誌は大正時代の少女が読者投稿を行うものであり、文通相手の募集も紙面で行われていたのだ。 しかし文通を出そうにも紙面に住所を書いている少女たちはもうほとんどが死んでいるので、しかたなく1914年『處女』9月号に掲載されていた投書を読んでいたところ、ある女性が「女にもてない夫を持つた私の感想」というものを投稿していた。 最初は単なる愚痴かと思ったが、読み込むうちになんかなんだか気分が落ち込んでしまった。 とりあえず書き起こすことにする。 「女にもてない夫を持った私の感想」投稿者:宇佐美米子 私がこの家に嫁いでからもう今年でちょうど5年になります。夢のように過ぎた5年の間には可成(かなり)色々な事がありましたが、楽しいことも悲しい事もみな断片のことであって、私の心に根深く止まってい

      110年前の女性の投書「女にモテない夫を持った私の感想」
    • 40歳の時、生涯独身を覚悟してヲタ活邁進を決意した私が44歳で結婚することになった

      【追記】 思わずしていろいろな方に読んでもらえて嬉しいです。 ただ、一部の私の言葉の使い方がまずくて気分が悪くなってしまった方には本当にごめんなさい。 祝ってくださった方、ありがとうございました! 【本編】 40歳の誕生日を迎えた日に私は、自称”地元の郷士”を名乗るご年配のご婦人に罵倒されていた。 なんでも、絹ごし豆腐と思って買ったそれが木綿豆腐だったらしく、絹ごしの気分だった喉が酷く傷ついたらしい。 何できちんと「これは木綿です。絹ごしではありません」と明記してくれなかったのか、と。 たしかにそれはたいへんだ、申し訳ないことをしたと思いながら無心で謝罪をしていた。 その心の裏側では今どきのゴーシさんって自分で豆腐を買いにくるのか、ゴーシさんもご多分に漏れず人手不足なのかなぁ、と余計な憐れみを感じていたことをあわせて詫びていた。 申し訳ないことをしたと思う反面、やはり自分の心は荒むもの。

        40歳の時、生涯独身を覚悟してヲタ活邁進を決意した私が44歳で結婚することになった
      • 「見た目が普通だと判断が難しい」女性が小学校の防犯訓練で不審者役を演じたら本部を全滅させてしまった体験談

        アイダさん @eyedacom 不審者対応訓練の不審者役を初めてやりました。 結果 職員15人殺傷 本部(校長不在の職員室)全滅 不審者取り押さえ不可能で訓練は途中で強制終了 以下ツリーは 敢えて男性👨女性👩に分けてます。 2024-05-24 18:15:01 アイダさん @eyedacom 入ってすぐに窓越しに声をかけてきた👨① 「忘れ物を届けにきました」と言ってそのまま素通り 同室の👩②がトランシーバーで本部に連絡しているのが見えた。 渡り廊下で出会った👩③ 顔見てすぐに🔪そのまま2階へ 低学年の教室にいた👩④ は放送を聞いて施錠したので無事 2024-05-24 18:15:01 アイダさん @eyedacom 隣の教室の👩⑤⑥は施錠が間に合わずに🔪🔪 2階の廊下を歩いて移動して👨⑦に声かけられた瞬間に🔪 2階で刺せる人が居なくなったので3階へ上がりかけると

          「見た目が普通だと判断が難しい」女性が小学校の防犯訓練で不審者役を演じたら本部を全滅させてしまった体験談
        • 最も過大評価されている作家:三島由紀夫

          三島由紀夫は日本を代表する文豪・憂国の士といわれるが、過大評価され過ぎだと思い、所感を書いておく。 駄作が多すぎる三島由紀夫はかなり多作な作家で、小説・戯曲だけでおそらく200作を超える。 新潮社の三島由紀夫全集はバカデカサイズの全42巻からなり、通読した人間は三島の専門家くらいだろう…専門家すら怪しいが。 なぜならあまりにしょーもない作品が多すぎるから。 三島由紀夫といえば金閣寺。少し落ちるものとしては仮面の告白、潮騒、美徳のよろめき、鏡子の家、憂国、豊饒の海がある。 しかし他の95%の作品は・・・? 私は三島由紀夫が好きで、小説だけでなく戯曲を含めて結構読んでいる方だと自認しているが、若者がつまらぬ観念を語るだけの作品、あまりに紋切り型の恋愛作品が多すぎて、読むのが時間の無駄・苦痛だ。 打率の低さは擁護しきれないほどである。 三島由紀夫vs東大全共闘2021年に『三島由紀夫vs東大全共

            最も過大評価されている作家:三島由紀夫
          • 無職期間に読む「郷土の歴史」の味わい

            無職になって2か月が経った。 徒歩圏内にある二つの図書館を行ったり来たりしている。 いや、徒歩圏内というのは一般的な意味での徒歩圏内じゃない。「無職者にとっての」徒歩圏内だ。 それはまぁいい。 別に学習意欲が旺盛なわけでも、知的好奇心に溢れているわけでもない。 ただ、何もせず一日を過ごしてしまうと16時くらいから窓の外が完全に暗くなるまでの数時間、心の中の小さなハムスターがシクシクと泣き出してしまうので彼を慰めるために図書館に出向いている。 (なお、彼は労働しようとしてもシクシク泣き出してしまう) ところで、近所に「旭小学校」という小学校があって、図書館で「郷土の歴史」的な本を読んでいたらその由来が解説されていた。 その小学校は近隣の三つの村から子供が通うために作られたもので、学校の名前をどうするかでもめていた。 三つの村がそれぞれに自分の村の名前を小学校の名前にするべきだ、と主張していた

              無職期間に読む「郷土の歴史」の味わい
            • 精神障害をテーマにしたゲームが好き。

              [追々記] 思ったより反応をもらえて驚いています。 はてな記法がよくわからないので、間違えていたらすいません。 (少しだけ、一部の表現を修正しました) id:unfallen_castle タイトルを出すこと自体ネタバレになってしまう問題 ああ、確かにそれはありますよね。大変失礼しました。 id:atlas_estrela 適応障害で休職が決まったからゲームってまかり通るんだ。社会保険料は働く人たちが負担してるんだよな。そんなことも言ったらまずいような空気っておかしいと思う。そりゃ精神障害になる人が増えるわけだわ ストレス源から遠ざかったら少しずつやりたいことが浮かぶようになってきたので、自分に近い体験やそれを乗り越える話を遊びたくなったんだよね。 自分自身でもこんな風に具合が悪くなると思わなかった。自分も、元気なときには療養中の人がフリーライドしているような気分になっていたかもしれない。

                精神障害をテーマにしたゲームが好き。
              • 壊れかけのレディオしか知らない状態で徳永英明のコンサートに行ったら、未曾有のカオスだった - もはや日記とかそういう次元ではない

                徳永英明については、バラードおじさん?みたいな印象がある程度 壊れかけのレディオは好きだが、曲はそれしか知らない。年齢だけ調べた。63歳。父より歳上 知らんおじさんの怒涛のバラード。無論、十中八九ラブソングだろう。正直、最後まで聞いていられるか心配だ。寝てしまうかもしれない。二日酔いだし そうした不安が杞憂となるまでに有した時間は約6秒だった。一発目の、歌い出しの、出だしの、最初の、その、一声。おじさんはその一瞬で分からせた。耳が気ん持ちぃいイイぃ良いざます♡ おかしくなっちゃう 還暦を超えないと発することのできない、恐ろしく深みのある高音。それと完全な調和をなす、計算され尽くした掠れ声。喉から特殊な超音波でも出してるのか。目の前のおじさんの歌声が、ありえないことになっている。 この人... まさか、歌に自信ニキ...? 知れず「うわ、エッっぐ...」ともらしていた。岩場でゲジゲジを見た時

                  壊れかけのレディオしか知らない状態で徳永英明のコンサートに行ったら、未曾有のカオスだった - もはや日記とかそういう次元ではない
                • 「あの人に限ってありえない…」直木賞を受賞した友人・万城目学さんとの“お金”にまつわるエピソード | 文春オンライン

                  漫画家の山本さほさんが、厄介な人たちを引き寄せるトラブル続きな日々をつづります。今回は、友人である作家・万城目学さんについて。賞へのノミネートが続いたなかで、このたび直木賞を受賞! そのお祝いパーティ会場での珍エピソードです。 万城目さんの受賞シリーズ第2弾『六月のぶりぶりぎっちょう』(6月24日発売)もぜひ! 『きょうも厄日です』第3巻が発売中。ちょっぴり怖い話に驚きの展開、笑うしかない話まで……。山本さんの旅行友達・こうのさんとの「今だから話せるナイショの話」を描きおろし!!

                    「あの人に限ってありえない…」直木賞を受賞した友人・万城目学さんとの“お金”にまつわるエピソード | 文春オンライン
                  • 刀を買ったなあ(感慨)

                    刀を買ったんですよ 刀っつっても真剣ではない 刃の入ってない、研いでも切れるようにはならないような金属で作られた、いわゆる模造刀だ しかし、ちょっと振ったらポッキリ折れてしまうお飾りの刀ではなく、居合道の練習なんかでブンブン振り回しても平気で、造りは真剣に近いようなやつだ 居合刀ともいうらしい お値段なんと9万円で、その金でブッ壊れたチャリを買い替えた方がいいのは明白なんだけど、俺は衝動に勝てなかった 刀、昔から憧れてたんだよ それこそ中学生くらいのときに憧れのピークがあって、毎日のように両親に模造刀を買ってくれ〜!と言っていた 俺は飽きっぽかったし、粗忽者でうっかりカッターで指を切ったりしがちだったのもあり、モチロン両親は断固として買ってくれなかった 俺はじゃあ木刀ならいいやろ!と強固に主張して、結局2万円くらいするいい木刀(鞘つき)を買ってもらったことで模造刀熱はおさまった おさまって

                      刀を買ったなあ(感慨)
                    • やり直せない過去は変えてしまえばいい『グレート・ギャッツビー』

                      おっさんになって再読すると、違った面が浮かび上がって面白い。 若いころに読んだときは、自己中男の醜さや、頭空っぽの女の美しさが印象的だった。自己陶酔的な語り手に鼻白んだことも覚えている。 だが、いま読み返すと、ギャッツビーのひたむきな愛が眩しく、可愛そうなくらい未熟で愚かに見える。人生を折り返して、やり直したくてもできなくなった親爺からすると、ギャッツビーの愚かしさは、一周回って愛おしいものになる。 ギャッツビーを「愚か」というのは言い過ぎじゃない? そういうツッコミが聞こえる。 貧乏な生まれながら身一つでのし上がって大金持ちになったギャッツビーが、有り余るカネを湯水のように使って夜な夜なパーティを開く―――愚かに見えるかもしれないが、ちゃんと理由があるからで、それを「愚か」と呼ぶのは言い過ぎだろう……というツッコミだ。 しかし、私が「愚か」と感じるのは、そこじゃない。例えば、語り手である

                        やり直せない過去は変えてしまえばいい『グレート・ギャッツビー』
                      • 国会図書館デジタルコレクションで見る明治時代の新撰組の扱い

                        明治時代に新撰組が庶民からどのように思われていたのかを調べるために、庶民の目に触れていそうな(?)雑誌の記事だとか読み物だとかを抜粋していく。 明治10年『昔今豪雄見競鑑』こちらは明治10年頃の「番付表」を集めた書籍のようだ。 『昔今豪雄見競鑑』は歴史上の英雄と明治期の英雄を対比したものだが「都ノ猛勇 悪源太義平」と並んで「脱走ノ勇士 近藤勇」とある。 近藤勇ってどっかから脱走したっけ?と思ったが、幕府瓦解後の旧幕府軍のことを「脱走方」と言ったらしいのでそのことだろう。 同じく「古今英雄競」「本朝今昔英雄鑑」「古今英雄三幅対」などにも近藤勇の名が挙がっている。 このような番付でよく名前が挙がる程度には知られていたらしい。 明治16年『徳川義臣伝』岡田霞船まずは近藤勇について。 近藤勇は武勇衆に秀で当時其英名尤も人に知られり新徴組の隊長となりて始め京師に在り又大坂に退き伏見の戦ひ幕兵乱るる中

                          国会図書館デジタルコレクションで見る明治時代の新撰組の扱い
                        • 作家フランツ・カフカの世界をゲーム化した『Playing Kafka』好評スタート。没後100周年記念・人間不条理ゲーム、「城」「審判」や父への手紙をベースに - AUTOMATON

                          ホーム ニュース 作家フランツ・カフカの世界をゲーム化した『Playing Kafka』好評スタート。没後100周年記念・人間不条理ゲーム、「城」「審判」や父への手紙をベースに 全記事ニュース

                            作家フランツ・カフカの世界をゲーム化した『Playing Kafka』好評スタート。没後100周年記念・人間不条理ゲーム、「城」「審判」や父への手紙をベースに - AUTOMATON
                          • 海外文学入門者に贈る海外文学の買い方、選び方、探し方【レーベル解説編】 - ウラジーミルの微笑

                            もうすぐ絶滅するというリアルの書店に寄せて(下) この記事は、海外文学の世界を渉猟するためのガイドマップとなることを目指している。 後編である本稿では、各出版社/各種レーベルの解説記事を載せている。なお、いずれも書き手の強い独断と偏見で書いているため、異なる意見もあるかもしれない。また、取捨選択をして書いているため、網羅性はない。そのあたりはぜひご容赦いただきたい。 前編には海外文学にまつわる基本情報を書いているので、そちらも併せてお読みいただきたい。 岩波書店 重版出来 言わずと知れた老舗出版社。我が国の「文庫」の創始者である。海外文学に関しては、「文庫書下ろし」*1が多いが、現代文学作品がまれに単行本で刊行されることもある。 出版社URL:https://www.iwanami.co.jp/ 直販サイト:なし(出版社サイトから注文は可) 岩波文庫 帯*2の色でジャンル分けをしており、白

                              海外文学入門者に贈る海外文学の買い方、選び方、探し方【レーベル解説編】 - ウラジーミルの微笑
                            • セックスしなかったから出られなかった部屋

                              ⒈セックスしないと出られない部屋目を覚ます。知らない部屋にいる。 部屋の壁には、「セックスしないと出られない部屋」と大きく書かれている。 もう一人、おそらくセックスの相手として想定されている人がいる。目を合わせる。会話をする。結果として、セックスはしないでおこうという話になる。 2.セックスしていないから出られていない部屋目を覚ます。ある程度馴染んできた部屋にいる。 部屋の壁に書かれた文言だけ馴染みがない。 「セックスしていないから出られていない部屋」 その通りだな、と思う。 もう一人の住人と目が合う。その通りだね、と言い合う。まさしく、その通りだ。それでいいのだと思う。 3.セックスしないだろうから出られないだろう部屋目を覚ます。すっかり慣れた部屋にいる。 壁に書かれた文字だけが昨日と違う。 「セックスしないだろうから出られないだろう部屋」 同居人と目が合う。お互い苦笑する。 この文字を

                                セックスしなかったから出られなかった部屋
                              • 「名刺はいりませんか」 その声の方へ顔を向けると、駅前でスーツ姿の女の..

                                「名刺はいりませんか」 その声の方へ顔を向けると、駅前でスーツ姿の女の子が声をあげている 「名刺はいりませんか」 みなは何が起きるのか知っているらしく、顔を背けて通り過ぎる 「名刺を配りきらないと帰れないんです」 それでも彼女に声をかける人はいない 雪の降る街に彼女の声が消えてゆく 見かねた私は彼女に近づき、マッチをひと箱差し出した 彼女はひとつ礼を言うと、マッチを擦り持っていた名刺に火をつけた すると不思議なことに、その炎の中にひとつの情景が浮かんできた 誰かが机に向かってぺこぺことお辞儀をしている と、火が消えると同時にその光景もフッと消えた 彼女はもう一つマッチを取り出して名刺に火をつける 今度はたくさんの人が直立不動で並び、ひたすらに何かを叫んでいる と、その中に彼女らしき人を見つけたと同時に炎が消えた それから彼女がひとつ名刺を燃やすたび、様々な幻影が現れた 電話をかける姿 スー

                                  「名刺はいりませんか」 その声の方へ顔を向けると、駅前でスーツ姿の女の..
                                • 「村上龍」が再び評価されるには、この徹底して時代と寝た小説家を時代から切り離す作業と時間こそがむしろ必要という話

                                  川本直『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』『吉田健一に就て』 @KawamotoNao11 小説家・文芸評論家。初の小説『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』(第73回読売文学賞、第9回鮭児文学賞、第2回みんなのつぶやき文学賞国内第1位受賞)、河出文庫から発売中。川本直・樫原辰郎・武田将明編『吉田健一に就て』、国書刊行会から発売中。 ご連絡は河出書房新社編集部もしくは国書刊行会編集部まで。 kawade.co.jp/np/isbn/978430… 川本直『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』『吉田健一に就て』 @KawamotoNao11 村上龍、再評価はなされるべきでしょうね。あれほど才能に溢れた小説家もいない。『限りなく透明に近いブルー』、『海の向こうで戦争が始まる』、『コインロッカー・ベイビーズ』。この三作を読むと一作一作で急速に成長して技巧が高まり、恐るべき早さで頂点に達してしまったの

                                    「村上龍」が再び評価されるには、この徹底して時代と寝た小説家を時代から切り離す作業と時間こそがむしろ必要という話
                                  • 文学フリマへの批判と提言|西中賢治

                                    2024年5月19日に、『アラザル』の新刊となる16号を発行します。「政治」を特集した13号(2020年発売)に続き、2度目の特集号として「経済」をテーマに制作しました。昨今の物価高や円安、税制改正によって、お金の問題が生活の中で大きくなっているこのタイミングで、同人それぞれがお金について考えたエッセーを掲載しています。 https://x.com/arazaru/status/1790958151883424005 さて、「インディペンデント批評誌」として発行している『アラザル』は、2008年の創刊以来、常に都内で行われる文学フリマに合わせて新刊を作ってきました。増刊号を出す際や、何も新刊のないタイミングでも文フリに出店してきたので、我々にとっては文フリはもっとも大きな発表の場になっています。しかし、今回の16号は文学フリマで販売しないことにしました。正直に言うと、同人の誰もがぼやぼやし

                                      文学フリマへの批判と提言|西中賢治
                                    • 海外文学入門者に贈る海外文学の買い方、選び方、探し方【基礎編】 - ウラジーミルの微笑

                                      もうすぐ絶滅するというリアルの書店に寄せて(上) この記事は、海外文学の世界を渉猟するためのガイドマップとなることを目指している。 前編として海外文学にまつわる基本情報を、後編として各出版社/各種レーベルの解説記事を載せている。なお、この記事の末尾には執筆の動機を示した前書きを置いている。 なぜ海外文学か 最初に、なぜ日本語で書かれた作品がこれほど沢山存在しているのに、敢えて外国語で書かれた作品を偏愛するのかを述べておこう。 一つ目の理由は、それが知的好奇心を満たしてくれるからである。特に、馴染みの薄い国の文化・歴史を知ることができる点は、間違いなく海外文学の楽しみの一つに数えられるだろう。歴史好きか、あるいは外国文化に興味がある人であれば、ハマれる要素は十分にある。私はヒキコモリの出不精で旅行は嫌いだが、紙と想像の次元で世界中を飛び回るのは大好きである。 もう一つの理由は、端的に作品のレ

                                        海外文学入門者に贈る海外文学の買い方、選び方、探し方【基礎編】 - ウラジーミルの微笑
                                      • #光る君へ 21話で枕草子誕生は紫式部の言葉がきっかけ説を採用 女院の陰謀を知ってた匂わせする倫子や種崎敦美のオウム担当も

                                        大河ドラマ「光る君へ」(2024年) @nhk_hikarukimie 躍動せよ!平安の女たち男たち!主人公は紫式部、千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を書き上げた女性。光源氏=光る君のストーリーの原動力は秘めた情熱とたぐいまれな想像力、そして一人の男性・藤原道長への想い。変わりゆく世を、変わらぬ愛を胸に懸命に生きた女性の物語。主演 #吉高由里子 利用規約nhk.jp/rules nhk.jp/hikarukimie 大河ドラマ「光る君へ」(2024年) @nhk_hikarukimie 第二十一回「旅立ち」をご覧いただきありがとうございました。 見逃した方、もう一度見たい方は ぜひ #NHKプラス でご覧ください。 ▼配信ページはこちら plus.nhk.jp/watch/st/g1_20… ※配信期限:6/2(日) 夜8:44 まで ※要ログイン #ファーストサマーウイカ #きき

                                          #光る君へ 21話で枕草子誕生は紫式部の言葉がきっかけ説を採用 女院の陰謀を知ってた匂わせする倫子や種崎敦美のオウム担当も
                                        • 千葉集「わたしの海外野球SF短編ベストナイン」ショートver.公開! 『野球SF傑作選』より | VG+ (バゴプラ)

                                          『野球SF傑作選』よりコラムのショートver.を公開! 現代野球SF短編の傑作を集めた齋藤隼飛編『野球SF傑作選 ベストナイン2024』が2024年5月27日に発売された。新井素子「阪神が、勝ってしまった」、小松左京「星野球」といった野球SFの名作から、溝渕久美子「サクリファイス」、関元聡「月はさまよう銀の小石」といった新鋭による傑作まで、“今読んで面白い”野球SFが9編収録されている。 野球SF傑作選 ベストナイン2024 (Kaguya Books) 社会評論社 ¥1,650 (2024/06/10 16:22:30時点 Amazon調べ-詳細) Amazon 『野球SF傑作選』の魅力はそれだけではない。高山羽根子によるエッセイ「永遠の球技」や磯上竜也による作品解説など、小説以外のコンテンツも充実している。 今回は、本書に収録され、高い評価を受けている千葉集のコラム「わたしの海外野球S

                                            千葉集「わたしの海外野球SF短編ベストナイン」ショートver.公開! 『野球SF傑作選』より | VG+ (バゴプラ)
                                          • 「シャーロック・ホームズ」の手書き原稿、落札価格1.9億円か

                                            (CNN) 1889年の夏の夕方、アーサー・コナン・ドイルとオスカー・ワイルドは、ロンドンの高級ホテル、ザ・ランガム・ロンドンで、米国人の実業家で「リッピンコット・マンスリー・マガジン」の編集者でもあるJ・M・ストッダートと夕食を共にした。 そして3人がホテルを後にする頃には、ワイルドは「ドリアン・グレイの肖像」の執筆を約束し、コナン・ドイルは、彼の最も有名な「シャーロック・ホームズ」シリーズの一つである「四つの署名」の執筆に同意していた。 コナン・ドイルがこの運命の夕食について詳述した手紙と、「四つの署名」の唯一の手書き原稿が今、文学界の他の貴重な品々とともに競売大手サザビーズのオークションに出品されている。 サザビーズによると、「四つの署名」の手書き原稿は、その独特な重要性と、これまでオークションに出品されたコナン・ドイルにまつわる品の中でも最も価値が高いことを考えると、落札額は最高で

                                              「シャーロック・ホームズ」の手書き原稿、落札価格1.9億円か
                                            • 村上春樹をめぐるメモらんだむ:世界の構造も視野? 村上春樹さんが新作短編で描く「ルッキズム」 | 毎日新聞

                                              前回紹介した3月の朗読会で村上春樹さんが自ら朗読、発表した短編小説「夏帆(かほ)」が、5月発売の文芸誌「新潮」6月号に掲載された。同号は同誌の「創刊120周年記念特大号」に当たり、その巻頭に特集「春のみみずく朗読会」として、やはり朗読会で発表された川上未映子さんの短編「わたしたちのドア」、さらに「みみずくたちの夜」と題する気鋭の詩人・作家、マーサ・ナカムラさんによるリポート文とともに載った。 長い歴史を誇る雑誌の記念号を、あの朗読会の模様が、写真入り(ステージ上のソファに腰かける2人の作家、および、それぞれの朗読風景の計3枚)で飾る形になったのは、2020年代の一つの記録として、のちのち意味を持つだろう。ともあれ、朗読会の際にはオフレコとされた新作の内容が公表され、誰でも読めることになったのは喜ばしい。 近現代の日本を比喩的に表現? その新作についてネタバレにならない範囲で触れておこう。作

                                                村上春樹をめぐるメモらんだむ:世界の構造も視野? 村上春樹さんが新作短編で描く「ルッキズム」 | 毎日新聞
                                              • 「文学は心を盛る器」 神奈川近代文学館新館長、荻野アンナが抱負を語る | カナロコ by 神奈川新聞

                                                横浜市出身の芥川賞作家・荻野アンナ(67)が4月、神奈川近代文学館(同市中区)の館長に就任した。フランス文学研究の傍ら、小説や評論の執筆、翻訳など幅広く活躍してきた。機知に富んだ文章で読者を魅了する荻野に、文学館の在り方や創作の心得を聞いた。 同館が建つ「港の見える丘公園」のそばで暮らしてきた荻野。館長として地元に貢献できる喜びを明かしつつ、「『長』の付くものは苦手なので『やめてちょう』と言っていた。場所の持つ力や組織の風通しの良さが引き受ける決め手になった」と、ちゃめっ気たっぷりに語る。 2022年に同館主催の特別展「没後50年 川端康成展」の編集委員を務め、職員と共に展示を作り上げる楽しさを知った。「展覧会で粋な計らいをしたり、若年層に来てもらおうとゲームや漫画とのコラボレーションを実現したり、職員の皆さんの発想や企画力を信頼しています」 1984年の設立以降、130万点を超える近代文

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                                                • 中国文学界に起こった「大変革」と「大問題」…「日本の小説のパクリ」という声に対する「苦しい釈明」(近藤 大介)

                                                  中国は、「ふしぎな国」である。 いまほど、中国が読みにくい時代はなく、かつ、今後ますます「ふしぎな国」になっていくであろう中国。 そんな中、『ふしぎな中国』に紹介されている新語・流行語・隠語は、中国社会の本質を掴む貴重な「生情報」であり、中国を知る必読書だ。 ※本記事は2022年10月に刊行された近藤大介『ふしぎな中国』から抜粋・編集したものです。 融梗(ロンゲン) 中国は、言わずもがな漢字の国である。『ふしぎな中国』のまえがきでも述べたが、中華民族は漢字を紡いだ神話や物語を子々孫々へと語り継いで、こんにちまで生き延びてきた。 いまで言う国家公務員試験にあたる「科挙」は、隋の文帝が587年頃に始め、清末の1905年頃まで続いたが、その出題内容は法律や経済ではなく、「四書五経」(大学・中庸・論語・孟子、易経・書経・詩経・春秋・礼記)の理解だった。 私が留学していた頃の北京大学でも、文系の最高

                                                    中国文学界に起こった「大変革」と「大問題」…「日本の小説のパクリ」という声に対する「苦しい釈明」(近藤 大介)
                                                  • GREENROOM FESTIVAL '24に行ったのこと - 関内関外日記

                                                    GREENROOM FESTIVAL '24 心身の状態は悪いのだが、何ヶ月か前に買った音楽フェスをキャンセルするわけにはいかない。とはいえ、状態がよくないので、朝、一緒に行く女の人に「一時間集合を遅らせてほしい」と伝えた。おれから着信があったとき、「今日、行けないです」と言われるのではないかと思ったという。おれは倦怠感とくしゃみが止まらず、向精神薬と風邪薬を飲んでなんとかアパートを出た。徒歩で赤レンガ倉庫を目指した。 以下、見た順番にアーティストの感想を書く。演奏時の撮影などはしていない。 Def Tech 女の人に「Def Techはぜったいに知ってる曲が一曲ありますよ」と言ったが、ピンときてないようだった。だが、当日の落ち合ったあと、「Def Techは『My Way』を聴きたい」と言い出した。いろいろなアーティストの予習をしているうちに気づいたらしい。だが、待ち合わせが一時間遅れだ

                                                      GREENROOM FESTIVAL '24に行ったのこと - 関内関外日記
                                                    • 太宰治の自筆原稿、都内の古書店で見つかる 三鷹市が購入へ:朝日新聞デジタル

                                                      ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                                        太宰治の自筆原稿、都内の古書店で見つかる 三鷹市が購入へ:朝日新聞デジタル
                                                      • 女子の進学差別、豊かさ消え露骨に 地方の女性のリアル描く小説家・山内マリコさん:朝日新聞デジタル

                                                        ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                                          女子の進学差別、豊かさ消え露骨に 地方の女性のリアル描く小説家・山内マリコさん:朝日新聞デジタル
                                                        • 戦前の少女小説復刊相次ぐ 常識に反発、奮闘に共感 活字の海で - 日本経済新聞

                                                          絶版となった戦前の少女小説の復刊が相次いでいる。現在では忘れられてしまった作品の中から、現代にも通用する良作を掘り起こそうという動きが強まっている。「誰からも離れて、たった一本、山の頂きに咲いている桜の花のような女になろう」――。森田たまの『石狩少女(おとめ)』(ちくま文庫)は明治時代の北海道に暮らす多感な文学少女、悠紀子が主人公だ。「平凡にお嫁にいって、平凡に人妻として一生を終るべき人じゃ

                                                            戦前の少女小説復刊相次ぐ 常識に反発、奮闘に共感 活字の海で - 日本経済新聞
                                                          • ラテンアメリカ文学の傑作『百年の孤独』文庫版の装幀が解禁 筒井康隆が解説を寄稿

                                                            ガルシア=マルケスによる世界的ベストセラー『百年の孤独』『百年の孤独』は、1967年にアルゼンチンのスダメリカナ社から刊行され、現在まで46言語に翻訳されて5000万部を売り上げている世界的ベストセラー。 Netflixが映像化の権利を獲得するなど、今なお大きな話題を呼んでいる。世界の名だたる作家たちが賛辞を惜しまず、その影響下にあることを公言している世界文学屈指の名著だ。 Netflix実写作品の公式予告 作者のガブリエル・ガルシア=マルケスさんは、1927年コロンビア生まれ。ボゴタ大学法学部中退。新聞記者として欧州各地を転々としたのち、1955年に処女作『落葉』でデビューした。 1967年に『百年の孤独』を刊行すると、一躍世界的な注目を集めると、『族長の秋』『予告された殺人の記録』『コレラの時代の愛』『迷宮の将軍』など、次々と歴史的傑作を発表し、1982年にはノーベル文学賞を受賞してい

                                                              ラテンアメリカ文学の傑作『百年の孤独』文庫版の装幀が解禁 筒井康隆が解説を寄稿
                                                            • 「私のおかげで少女たちは自由になった」─小児性愛作家のゆがんだ“愛情”

                                                              写真と手紙を人質にとられて 1976年にジーは18歳になり、何度かの苦悩に満ちた試みの末に、ようやくマツネフの支配から逃れた。その頃には彼女は彼に対してますます批判的になっていた。「批判の気持ちが強くなってきたのです」と、彼女は言う。 だが、彼女の人質状態はその後何十年も続くことになる。今度は彼の作品と、そこで使用される自分の手紙に囚われることになったのだ。 交際していた3年のあいだに、ジーはマツネフに促されて愛やセックスについてあけすけにつづった手紙を何百通も書いた。 マツネフはその一部を1974年に小児性愛を熱烈に擁護した『16歳以下』(Les Moins de Seize Ans)に使用し、彼女の許可なしに出版する。別の著書(『離教的情熱』、Les Passions Schismatiques)によれば、彼はそれらの手紙を「大人と子供の関係は子供にとってもきわめて豊かなもので、その後

                                                                「私のおかげで少女たちは自由になった」─小児性愛作家のゆがんだ“愛情”
                                                              • 書評『翻訳とパラテクスト』阿部賢一著 小言語が生き 発展した過程 - 日本経済新聞

                                                                チェコ文学の専門家による画期的な翻訳論である。日本では翻訳について論じるとなると、名訳だとか、誤訳があるとか、とかく良し悪しの吟味が問題となるものだが、本書の関心はそこにはない。チェコという小民族の文化・歴史的状況に即して、翻訳がどのような役割を果たしてきたかを分析し、翻訳という困難な営みを顕揚することが目的だという。本書の前提となる重要な概念が2つある。一つは「文化資本」。これはフランスの社

                                                                  書評『翻訳とパラテクスト』阿部賢一著 小言語が生き 発展した過程 - 日本経済新聞
                                                                • 【光る君へ】時代考証の倉本一宏さんにインタビュー 「ドラマの完成度の高さに感銘。作り手の熱意と才能に敬服」 実資人気には驚きと戸惑い

                                                                  大河ドラマ「光る君へ」で時代考証を担当する倉本一宏さんにインタビューしました。史実の忠実な再現と、「もしかしたら」という想像力を働かせたフィクションのはざまで作られていくのが歴史ドラマの魅力でしょう。その舞台裏を知る人ならではの興味深いお話が伺えました。(聞き手・美術展ナビ編集班 岡部匡志) 道長が頼んで書いてもらった『源氏物語』 Q まひろ(紫式部)が道長の娘である藤原彰子に女房として仕え、『源氏物語』を執筆する、という局面がだんだん近づいてきます。紫式部は宮中でどういう仕事をしていたのでしょう。 A 女房は基本的には雑用や、公卿との取次をするなどします。上臈、中臈、下臈と序列があり、紫式部は「中の上」ぐらいかと。彰子に教養をつけたり、和歌を教えたり、漢詩を教えたりすることが重要なミッションです。中でも『源氏物語』を執筆する、というのが最も重要な仕事でした。普通の女房のようには、雑用はあ

                                                                    【光る君へ】時代考証の倉本一宏さんにインタビュー 「ドラマの完成度の高さに感銘。作り手の熱意と才能に敬服」 実資人気には驚きと戸惑い
                                                                  • ダンボールをすっぽり被って世界を覗き見る…『箱男』8月23日公開|シネマトゥデイ

                                                                    映画『箱男』ポスタービジュアル - (c) 2024 The Box Man Film Partners 安部公房の同名小説を石井岳龍監督が映像化した映画『箱男』が8月23日より全国公開されることが決まり、ポスタービジュアルと予告編が公開された。 【動画】『箱男』予告編 箱男とは、ダンボールを頭からすっぽりと被り、一方的に世界を覗き見る、社会の螺旋から外れた存在。カメラマンである“わたし”(永瀬正敏)は、偶然目にした箱男に心を奪われ、自らもダンボールをかぶり、箱男としての一歩を踏み出す。しかし、本物の箱男になる道は険しく、数々の試練と危険が襲いかかる。存在を乗っ取ろうとするニセ箱男(浅野忠信)、完全犯罪に利用しようと企む軍医(佐藤浩市)、そして“わたし”を誘惑する謎の女・葉子(白本彩奈)。果たして“わたし”は本物の箱男になれるのだろうか? ADVERTISEMENT これまでヨーロッパやハ

                                                                      ダンボールをすっぽり被って世界を覗き見る…『箱男』8月23日公開|シネマトゥデイ
                                                                    • 干さオレ~三軒茶屋逢瀬篇~(最終回)|文学+WEB版

                                                                      文芸時評6月・荒木優太 創刊一二〇周年記念を迎えた『新潮』がベテランから新人までの短篇を集めていて分厚い。一応すべて読み、枠小説である必然性を疑問にもちながら高瀬準子『お小遣いの成果』に秀逸を認めたが、それ以外で、いしいしんじ『ひとことひとし』の次の台詞にアンダーラインを引いた。「チイかあさんみたいに百四まで生きよるひとがおれば、ひとしくんみたいに七つでいんでまうひともおる。でもな、百四の年月と七つの年月と、俺はおんなじくらい『詰まってる』いう気ぃがするんよ。西瓜まるまる一個と、ぶどうのほんの一粒と、それぞれ忘られん味があるみたいに」。 本作は、現実世界では死亡したのにパラレルワールドでは存命中の姉と通話できる「ひとし」の物語で、姉・「ひとこ」存命世界では、反対にひとしが七つで死んでいるらしい。九鬼周造へのオマージュを上手く受け取れないものの、百四歳と七歳には同じ密度があるという直観は、文

                                                                        干さオレ~三軒茶屋逢瀬篇~(最終回)|文学+WEB版
                                                                      • 特攻文学としての《ゴジラ-1.0》|第15回|井上義和・坂元希美|創元社note部

                                                                        【番外編 2】国葬儀のルールなき日本で公に尽くした名もなき死者たちを「弔う」には (取材/構成:坂元希美) 1926年に定められた国葬令が戦後に効力を失って以来、どのような人をどのような場合に国葬儀とするのか、明確なルールがこの国にはない。安倍晋三元首相が2022年7月8日に凶弾に倒れ、「葬儀を国において行う」と閣議決定してから、葬儀実行幹事会が3回の会議を行って一般献花の実施要項まで決まったのは9月21日。準備に2か月以上を要した国葬儀は、賛否が激しく割れる中で27日に営まれた。 この状況を受けて岸田文雄首相は29日、「国民のより幅広い理解を得て、国葬儀を執り行うにはどうしたらよいか。適切な金額や規模はどうかなど、今後の国葬儀のあり方について国民各層の議論を踏まえ、幅広い理解をいただけるよう必要な検討を行っていきたい」と述べ(※1)、10月から21名の有識者にヒアリングを行って12月22

                                                                          特攻文学としての《ゴジラ-1.0》|第15回|井上義和・坂元希美|創元社note部
                                                                        • 瀧波ユカリ on X: "「五藤氏は慶子を夫のDVに晒されながらも力強く生きた女性として描いていたのに、荒井氏の脚本では“自由奔放で自分勝手な女”というイメージが強くなってしまっている、と感じたそうです。…」 《知らぬ間にシーンの追加と脚本改変、脚本料は10万円…》 https://t.co/iyqHV6GJZu"

                                                                          • 司馬遼太郎の描く源平合戦 玉岡かおる 都人と坂東武者の価値観 - 日本経済新聞

                                                                            なぜ今、源義経? といぶかられるだろうが、私自身が歴史小説の書き手であるため、脱稿した後、ふとあの大御所ならばどう書いただろうと気になった。そう、司馬遼太郎大(ヽ)先生ならば。今回私は『さまよえる神剣(けん)』という小説で、三種神器の一つ、草薙剣(くさなぎのつるぎ)を主題にした。源平合戦の最終決戦地壇ノ浦で、入水した幼い安徳天皇とともに失われた、あの剣だ。だが、実は帝も剣も海に沈まず落ち延びた

                                                                              司馬遼太郎の描く源平合戦 玉岡かおる 都人と坂東武者の価値観 - 日本経済新聞
                                                                            • 太宰治と三島由紀夫の生涯一度の対面と三島の”太宰嫌い”

                                                                              〈注)・出席者名、五中出身学生の経歴は、出席者(主に中村稔)の著書による。 ・会合時在籍欄の「現・」は新制度の大学名(旧制度の予科は廃止された)。 ・越次俱子著書によれば、もう1名、五中出身の早稲田大学生(19)が出席、 また、高原の回想にある川路明の不在、原田柳喜の年齢も同書による。 ②太宰の出席 敗戦による混乱のさ中だったが、出版界は雑誌の復刊、創刊、ベテラン・中堅作家の 復活、新人の台頭(第一次戦後派と称される)などで活況を呈し、太宰は無頼派作家 として人気作家のひとりになっていた。(三島は、後に第二次戦後派と称される。) このとき太宰は37歳、疎開先の金木町から帰京すると(S21/11)その月に 織田作之助、坂口安吾との座談会に出席するなど活発な文学活動を続けており、 今回の会はその翌月のことだった。 (11月の座談会での志賀直哉批判や銀座のバー・ルパンでの写真がよく知られる。)

                                                                              • 純文学って何だよ(鴻池留衣・小説家)/イミダス

                                                                                1・純文学が載る「文芸誌」 「純文学って何だよ」って感じですよね、皆さん。何だか堅苦しく、暗く、つまらなく、驕(おご)り高ぶった、作家のオナニーの産物、くらいの認識でしょうか。正直に言って、そういう世間一般のイメージをあえて利用して、現代の純文学は成り立っている節もあると思います。誤解されたままでいたほうが、「じゃあ、どんなもんか試しに読んでやんよ」みたいなモチベーションを湧かせやすいかもしれないですし。 純文学と言われる小説は、教科書に載っているような遠い過去のものだけでなく、実は現代でも細々と生産され続けています。 「文芸誌」をご存じですか? 「純文学」と呼ばれるジャンルの小説、戯曲、それから詩や短歌、批評などが載っている雑誌のことです。また、当該雑誌や、版元が主催する文学賞の結果を誌面で発表し、受賞作、選考委員による選評が掲載されたりもします。文筆家同士の対談や座談会などの企画もあり

                                                                                  純文学って何だよ(鴻池留衣・小説家)/イミダス
                                                                                • 哲学者(文学者)はみんなに嫌われる - 意味をあたえる

                                                                                  本屋をぶらぶらしていたら高橋源一郎の「飛ぶ教室」というラジオ番組のコメントをまとめた本が売っていて立ち読みしたら楽しかった。楽しかったというか高橋源一郎を読んだときのほんわかしたかんじが懐かしかった。本は買わなかったが家に帰ってからラジオを聞いた。2/2放送回が2/9まで聞けるとあるのでそれを聞いた。スマホで聞いていたら途中でなぜか中断するので最初はその都度再生したがやがて聞くのをやめた。 高橋源一郎の話の中にドストエフスキーの「悪霊」のことが出てきた。そういえば私はドストエフスキーの「悪霊」のニコライ・スタブローキンが年端も行かない女をレイブしてしかも女が絶望して首をくくるところを隣の家から眺めていたというエピソードを読んで強烈に小説を書きたいと思ったことを思い出した。それは高校二年のときでそれから高校卒業まで私は小説を書き続けた。高校を卒業してからは漫画を書いた。実は私は「悪霊」そのも

                                                                                    哲学者(文学者)はみんなに嫌われる - 意味をあたえる