日本を代表する思想家、内村鑑三が明治27年(1894年)に行なった「伝説の講義」をまとめた名著『後世への最大遺物』。経営者から学者まで、多くの人々に影響を与えた本作を、読みやすく現代語にし復刊したのが『人生、何を成したかよりどう生きるか』だ。この中で内村鑑三は、「本当に良い文章とは何か」について語っている。現代を生きる私たちも大いに参考になる、内村鑑三の「文章論」を一部抜粋してお届けしよう。 本当に良い文章とは? 今ここに丹羽先生(丹羽清次郎、東京キリスト教青年会主事)はいないので、悪口を言います(笑)。みなさん、言いつけないで下さい(笑)。 先日、丹羽先生が青年会で『基督教青年』という雑誌を発行し、私にも送ってくれました。その後、東京で丹羽先生に会ったとき、「どうですか」と感想を聞かれたので、本当のことを言いました。 「失礼ですが、いただいた雑誌はトイレットペーパーとして使っています」