埼玉県秩父市で、山岳遭難者を救助中の同県の防災ヘリコプターが墜落し、機長ら5人が死亡した事故で、現場付近に強い上昇気流が起きていたとみられることが26日、分かった。現地調査にあたった国の運輸安全委員会の調査官は、気流の影響で、ヘリが自身の起こす下向きの風で機体を急降下させてしまう「セットリング・ウィズ・パワー」という現象に陥った可能性があることを示唆。27日以降も調査を続け、原因を調べる。 無事だった県防災航空隊員ら2人や、救助を待っていた登山パーティーの話などから、機体は遭難現場の上空約30メートルで停止(ホバリング)し、ワイヤで2人を同時に降ろしていたところ、地表まで約1メートルの位置で急にがくっと落ちた。ヘリから「バタバタ」とがたつくような異音がして墜落し始めたという。 26日午後に秩父市内で報道陣の取材に応じた運輸安全委の小杉英世・航空事故調査官は、「パイロットが亡くなっている