円安の恩恵もあり訪日外国人客の旺盛な消費が続く中、訪日客向けと日本人客向けで料金を分ける「二重価格」を導入する店が目立つようになってきた。これまでは、観光地の飲食店やホテルなどが強気の価格を設定する一方、国内客離れへの懸念から値上げに慎重となる「二極化」が鮮明となっていた。だが、ここにきて「オーバーツーリズム(観光公害)」が顕在化し、訪日客向けの対応や接客コストがかかることなどから、訪日客向け価格を別途割高に設定する二重価格の導入に前向きな動きもみられる。 売れる7000円の海鮮丼財務省が10日発表した令和5年度の国際収支速報では、訪日客の消費額から日本人が海外で使った金額を引いた旅行収支が4兆2295億円となり、過去最大だったコロナ禍前の元年度を上回った。こうした状況を反映するように、最近は、都内で1食約7000円もする海鮮丼や1本約3000円の和牛串焼きが「安い」として訪日客に飛ぶよう