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野口悠紀雄の検索結果1 - 40 件 / 196件

  • 国民の恐怖に全く無関心…コロナが暴いた安倍首相のヤバい資質(野口 悠紀雄) @gendai_biz

    コロナウイルス禍で、さまざまなことがあからさまになった。政治家の資質もそうだ。一方の極に、明確な哲学に基づき、感動的な言葉で国民に犠牲と協力を求め、政府が行うことを約束したドイツ首相のメルケル。そして、もう一方の極には…… 危機にあたって国民の先頭に立ったエリザベス1世 国が存亡の危機に直面した時、先頭に立って国民を奮い立たせた指導者は、歴史上、何人もいる。 1588年7月、イングランド沖に、スペイン無敵艦隊が、イングランドに神の鉄槌を下すべく、その威容を現した。エリザベス女王は、捕らえられて火炙りにされることを覚悟したに違いない。

      国民の恐怖に全く無関心…コロナが暴いた安倍首相のヤバい資質(野口 悠紀雄) @gendai_biz
    • 日本円の購買力が1970年代に逆戻りしてしまったことの意味とは(野口 悠紀雄) @gendai_biz

      1990年代に、日本人は海外で貴族のような旅行をすることができた。ところが、その後、円の購買力が低下した。最近の購買力は、 2010年の7割程度で、1970年代前半の水準にまで戻ってしまった。 こうなったのは、円高になるとそれを阻止して、円安に誘導する政策が行われてきたからだ。つまり、日本は自ら望んで貧しくなったと言える。 この結果 、人材を日本に呼ぶことができなくなる。高齢化が進む日本にとって、これは深刻な問題だ。 90年代の夢のような豊かさ 1960年代の末、1ドル=360円の時代に、私はアメリカに留学して、貧乏生活を強いられた。当時の私の日本での月給は、2万3000円程度だった。ところが、留学先のカリフォルニア大学ロサンゼルス校の周辺にあるアパートは、独身用一部屋でも、すべて100ドルを超えていた。日本とアメリカの豊かさの差を思い知らされた。 それから20年後の1990年代、事態は一

        日本円の購買力が1970年代に逆戻りしてしまったことの意味とは(野口 悠紀雄) @gendai_biz
      • 日本、ついにアジアで最も「豊かな国」の座を台湾に譲り渡す(野口 悠紀雄) @gendai_biz

        1人あたりGDPで、台湾が日本を抜いた。韓国が日本を抜くのも時間の問題だ。アベノミクス以前と比べて、日本の国際的地位は、大きく下落した。日本企業が円安に安住して、技術開発を怠ったからだ。日本は、挽回できるか? 日本は、もはやアジアで最も「豊かな」国ではない 10月に公表されたIMF(国際通貨基金)の世界経済見通しによると、2022年の1人あたりGDPで、台湾が44821ドル(世界第24位)となり、日本の42347ドル(27位)を越えた。 台湾と韓国の経済成長率は高いので、1人あたりGDPで日本を抜くのは、時間の問題だと考えられていた。韓国の値がやや高かったので、韓国が先に日本を抜くと考えられていたのだが、実際には台湾が先になった。 日本が韓国に抜かれるのも、時間の問題だ。多分、今年中か来年中にそれが起きるだろう。 これまでも、シンガポールと香港の1人あたりGDPは、日本よりかなり高かった(

          日本、ついにアジアで最も「豊かな国」の座を台湾に譲り渡す(野口 悠紀雄) @gendai_biz
        • ChatGPTで英語を勉強する方法を教えます--書いて、添削受けて、暗記する(野口 悠紀雄) @gendai_biz

          文部科学省は、ChatGPTを用いて「英語で話す力の底上げを目指す」としましたが、この方針はナンセンスです。自分が書いた文章をChatGPTに添削してもらい、それを暗記する方式をとるべきです。 英語を「話す」ではなく「聞く」ことが重要 文部科学省は、中学高校の英語教育において、ChatGPTを用いて「日本の生徒が苦手とする英語で話す力の底上げを目指す」という方針を発表しました。 私は、この方針はナンセンスだと思っています。

            ChatGPTで英語を勉強する方法を教えます--書いて、添削受けて、暗記する(野口 悠紀雄) @gendai_biz
          • なぜウクライナに侵攻したのか、極端に臆病で貧しい軍事大国ロシア (野口 悠紀雄) @gendai_biz

            ロシアの1人当たりGDPは日本の4分の1で、マレーシアと同じくらい。先進国には入らない。輸出の大半が原油なので、原油価格が下落すると、経済が痛手を受ける。それに加えて西側の経済制裁があったため、経済が大きく落ち込んだ。それにもかかわらず、なぜウクライナに侵攻したのか? ロシアは何と貧しい国! ロシアは、多くの日本人が想像しているよりずっと貧しい国だ。 百聞は一見にしかず。グーグル・ストリートビューで歩いて見ると、よくわかる。どんな都市に行っても、都心部には立派な建物が並んでいるが、そこから離れると、驚くほどの貧しい町並みになる。 シベリア鉄道の終点ハバロフスク中央駅は、壮大な建物だ。しかし、一歩裏に回ると、道路は水溜まりだらけで、掘立て小屋のような家もある。その様子をこの「風景」(クリックすると開示)でご覧いただきたい。 中央の遠景に、中央駅の壮大な建物が見える。ここは、東京でいえば皇居前

              なぜウクライナに侵攻したのか、極端に臆病で貧しい軍事大国ロシア (野口 悠紀雄) @gendai_biz
            • これが長期停滞の元凶…コロナ禍が暴いた日本IT化「絶望的な遅れ」(野口 悠紀雄) @gendai_biz

              日本のITシステムに大きな問題があることが、新型コロナ禍で明るみにでた。政府の事務処理システムだけではない。在宅勤務の遅れなど、民間企業にも問題がある。 これは、コロナとの戦いで問題をもたらすだけでなく、日本の生産性を引き下げる。世界競争力ランキングで、日本は過去最低の34位になった。 紙ではコロナと戦えない 日本のITシステムに大きな問題があることが、新型コロナ禍で明るみにでた。この連載ですでに書いてきたが、改めてまとめてみると、つぎのとおりだ。 まず、政府の事務処理システムでIT化されていない部分が多く、コロナ対策として必要とされるさまざまな課題への対応で問題が生じた。 定額給付金申請では、マイナンバーを使ったオンライン申請が可能とされた。しかし、市区町村の住民基本台帳と連携していなかったため、自治体の職員は台帳と照合する膨大な手作業を強いられ、現場は大混乱に陥った。 その結果、100

                これが長期停滞の元凶…コロナ禍が暴いた日本IT化「絶望的な遅れ」(野口 悠紀雄) @gendai_biz
              • ニューヨーク・タイムズの訴訟でChatGPTが立往生の可能性(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                ChatGPTの事前学習データの使用料をめぐって、ニューヨーク・タイムズがOpenAIを訴えました。これは、情報の価値がどのようにして生じるかという問題の基本に関わるものであり、生成AIの将来に大きな影響を与えます。しかし、簡単に答えが出るものではありません。 裁判の結果次第ではChatGPTが成り立たない 米紙ニューヨーク・タイムズは、ChatGPTの開発者であるOpenAIに対して、事前学習のデータの利用に関して支払いを求める訴訟を起こしました。 この問題は、「情報や知識に関する社会的制度をどう構築するか?」という問題の本質に関わっており、大変重要です。 最初にこれまでの経緯を見ると、ニューヨーク・タイムズはその記事を無断でAIの訓練に用いることを禁止しています。したがって、OpenAIが事前学習でニューヨーク・タイムスの記事を使っていないと証明できない限り、罰金を言い渡されることにな

                  ニューヨーク・タイムズの訴訟でChatGPTが立往生の可能性(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                • エッ! 東京も大阪も感染情報収集にまだファクスを使っているの?(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                  新型コロナウイルス感染状況のデータを収集する新システムが5月末に導入されたのだが、いまだに利用が進まない。東京都でも、データはファクスで送られている。そのため、接触確認アプリも機能不全に陥っている。 こうした状態では、日本の生産性が低くなるのも当然だ。 期待の新システムだったが 新型コロナウイルス感染状況のデータを収集するため、最初はNESIDというシステムが使われていた。 感染が分かると、まず医師が患者の情報を記した発生届を作成する。それを各医療機関が管轄の保健所にファクスで送信する。受け取った保健所は、記載に不備がないかどうかを確認し、個人情報を黒塗りにするなどして都道府県にファクスで転送する。 データをファクスでやり取りするのでは、当然のことながら、迅速なデータの収集・分析はできない。それだけでなく、誤送など、さまざまな問題が発生した。 そこで、HER-SYSというオンラインのシステ

                    エッ! 東京も大阪も感染情報収集にまだファクスを使っているの?(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                  • 韓国が日本を抜いていく――これがアベノミクス時代、最大の「事件」だ(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                    日本の実質賃金が2000年頃からほとんど横ばいだったのに対して、韓国の実質賃金は2020年までに1.4倍になった。このため、2000年には日本の7割でしかなかった韓国の賃金が、2020年には日本より9%ほど高い水準になった。さまざまな国際ランキングでも、いまや韓国は日本より上位に位置している。 こうなったのは、韓国で技術革新が行われたのに対して、日本は円安に安住して技術革新を怠ったからだ。 日本人が聞きたくないニュース 総選挙が近づいていることもあり、アベノミクス評価の議論がなされている。 アベノミクスの期間に起きた重要な「事件」の1つは、韓国が日本を追い抜いたことだ。いま韓国は、さまざまな指標で日本を抜きつつある。 韓国の人口は日本の4割程度だから、GDPで見れば、日本のほうがずっと大きい。このため、変化はあまり目につかない。しかし、重要なのは、GDP全体よりは、豊かさなど、1人当たりの

                      韓国が日本を抜いていく――これがアベノミクス時代、最大の「事件」だ(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                    • コロナ長期化、日本政府は「高齢者を見捨てない」と約束できるか?(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                      コロナ長期化、日本政府は「高齢者を見捨てない」と約束できるか? 欧州で始まった「悪魔のプラン」の誘惑 「高齢者だけを外出禁止にし、経済活動は再開する」というプラン、つまり、高齢者を見捨てるプランは、考えられるものだ。ドイツのメルケル首相は、その政策をとらないと約束した。日本はどうか? 私は理解できない 沖縄県の玉城デニー知事は、「大型連休に沖縄へ来る予定の人が、(発着を合わせ)6万人余りいる」として、旅行のキャンセルを求めた。 4月20日には県独自の緊急事態宣言を発令し、「離島を含め医療体制も非常事態だ」と理解を求めた。 沖縄県知事の切実な旅行自粛要請にもかかわらず、かなりの人が県外から沖縄に押し寄せたようだ(国土交通省の調べでは1.5万人)。 医療崩壊が迫っている島に出かけていって、ヴァカンスを楽しみたいとする人々の心理状況を、私は理解できない。 都道府県は、パチンコ店に休業を要請した。

                        コロナ長期化、日本政府は「高齢者を見捨てない」と約束できるか?(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                      • 日本のヤバすぎる「コロナ無対策」、これじゃ高齢者が「国に殺される」(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                        新型コロナウイルスの感染者が増加しているにもかかわらず、政府は経済再開を急いでいる。東京都の小池知事も、営業自粛要請には踏み込もうとしない。「自粛要請が必要ないからやらない」のではなく、「休業補償のための財源がないからできない」というのが実情だ。 「高齢者は見捨てて、若者だけで経済を回す」という「悪魔の戦略」の考えが、日本で徐々に広がっているように思えてならない。 これまで行なわれた政策の検証を行ない、今後の政策を効果的なものとすることが必要だ。 急ぎすぎた経済再開で感染者が増加 一時減少した新型コロナ感染者数が、再び増えている。東京都だけでなく、大阪府などでも増えている。 検査数が増えているからだというのだが、それだけが原因とも思えない。感染者の大部分が若年者だというが、最近では高齢者も増えている。 これが第二波なのかどうかは別として、安心できない状態であることは間違いない。外出規制や営

                          日本のヤバすぎる「コロナ無対策」、これじゃ高齢者が「国に殺される」(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                        • これが日本衰退の根本原因、なぜ博士号取得は経済的に割りにあわない(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                          日本で博士号取得者が少ないのは、経済的に割りにあわないからだ。それは、日本企業がイノベーションを進めようとせず、高度専門家に十分な給与を払わないからだ。 日本では学位取得者が少なく、論文数も減っている 日本の博士号取得者数を人口100万人当たりで見ると、2019年度で120人。これは、他の先進国と比べると、だいぶ少ない(文部科学省 科学技術・学術政策研究所「 科学技術指標2022。学位取得者の国際比較」による)。

                            これが日本衰退の根本原因、なぜ博士号取得は経済的に割りにあわない(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                          • かつて先進文明だった中国が「長い停滞」から抜けたとき、起きること(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                            中国の歴史が停滞したのは、個人や個人企業がリスクを取ってフロンティアを拡大する仕組みがなかったからだ。いまそれが変わろうとしている。これは、きわめて重大な変化だ。 明の時代に成長が止まった 中国は、人類の長い歴史を通じて世界のトップにいた。しかし、ある時点から落伍した。 歴史の転換点はいつだったのか? 多くの歴史家によれば、それは、明の時代だ。 経済学者であるグレン・ハバードとティム・ケインによる『なぜ大国は衰退するのか ―古代ローマから現代まで』(日本経済新聞出版社、 2014年)は、つぎのように述べている。 歴史家のアンガス・マディソンが示したデータを見ると、明朝の頃に中国の成長が止まった。人口は増大したが、人口1人あたりのGDPが増えなくなった。1400年代以降の中国では、水準の変動がなくなった。 「明時代の早期に何か決定的なことが起きて、中国の運命を変えたのだ」と著者たちはいう。

                              かつて先進文明だった中国が「長い停滞」から抜けたとき、起きること(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                            • 日本は20年後に経済規模で韓国に追い抜かれる-その残念な理由とは(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                              韓国の賃金は日本より高くなった。様々な指標で、韓国はすでに日本を抜いている。 30年前、日本は世界のトップにいた。90年代末に両国は経済危機に見舞われたが、対応が違った。韓国人は、大学を充実させ英語力をつけて、競争力を向上させた。日本人は何もしなかった。その結果がいま現れている。 韓国は日本より豊かな国になりつつある。 OECDのデータによると、2020年における年間平均賃金は、日本が38515ドル。韓国が41960ドルだ。韓国は日本より豊かな国になりつつある。 実際、韓国はすでに日本より強い経済力を持つ国になっている。様々な世界ランキングで、韓国は日本より上位にある。 スイスの国際経営開発研究所が作成するランキングでは、2021年の順位は、韓国が23位で、日本は31位だ。「デジタル技術」では、韓国8位、日本が27位だ。 国連が発表した電子政府ランキングでは、2020年で、韓国は世界第2位

                                日本は20年後に経済規模で韓国に追い抜かれる-その残念な理由とは(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                              • マイナンバーカードで「弱い者いじめ」は絶対にやめてほしい…!(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                頭が痛いコロナ下での更新手続き マイナンバーカードの電子証明の登録をしていなかったようだと、この欄で述べた(10月4日公開「不便の極みな『マイナンバーカード』、せめて更新はオンライン化できないか」)。そして、そうであれば更新手続きは必要ないと、妙な安心をしたと述べた。 ところが、先週マイナンバーカード電子証明更新手続きの通知が届いたのである。それによると、電子署名の期限があと1ヵ月で切れるという。 慌てて、マイナンバーカードを登録したときの書類を引き出してみると、電子証明用の暗証番号をメモしてある。したがって、電子証明の登録は、していたわけだ。そういえば、やたらと長いパスワードを設定した覚えがある。 私の電子証明は、この5年間、1度も使わなかったけれど、有効だった! しかし、前に書いたように、カードの電子証明有効期限欄は空欄だ。不思議に思って問い合わせ窓口に電話してみたところ、「電子署名が

                                  マイナンバーカードで「弱い者いじめ」は絶対にやめてほしい…!(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                • そういえば「脱印鑑」はどこへ行った~デジタル庁でデジタル化はむしろ事態悪化、事務負担はかえって増えるばかり(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                  デジタル庁が発足して2年以上たつが、脱印鑑は、進んでいない。それどころか、アナログとデジタルの手段が入り乱れて、事態は悪化している。デジタル庁の存在意義を見直すべきではないか? その昔、「脱印鑑」と言われたことがあった 「脱印鑑」ということが言われたことがある。ずいぶん昔のことだったような気がするので、おそらく、ほとんどの人は忘れてしまっただろう。 そこで改めて説明すると、コロナ禍において在宅勤務が奨励されたが、書類に印鑑を押す必要がある。それだけのために出社しなければならないという事態が頻発して、印鑑を廃止しようという声が高まったのだ。 印鑑が無意味だとは、多くの人がそれまでも日々の仕事の中で嫌というほど感じさせられていたことだ。 印鑑といっても、誰でも手に入る三文判。それを押したところで本人証明にはならないと思うのだが、しかし、規則なので、それがないと書類を受け取ってもらえない。受け取

                                    そういえば「脱印鑑」はどこへ行った~デジタル庁でデジタル化はむしろ事態悪化、事務負担はかえって増えるばかり(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                  • 中国が世界の「覇権国家」にはなれそうもない単純な理由(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                    覇権国家となる条件は、寛容政策(他民族を受け入れること)だ。古代ローマは、それによって強くなった国家の典型例だ。現代世界では、アメリカがローマの考えを引き継いだ。 中国は、この条件を満たせないので、覇権国家になりえない。 覇権国の条件は「寛容」 エイミー・チュアは、『最強国の条件』(講談社、2011)の中で、寛容主義は最強国となるための必要条件だとして、次のように述べている。 「今日のアメリカの世界覇権は、アメリカが世界で最も寛容な国であり続けた事実による部分が大きい。世界中から最も優秀な人材を呼び寄せ、彼らを活用する能力に秀でていたからこそ、アメリカは今日の世界において、経済、軍事、テクノロジーの各分野で、圧倒的な優位を築くことに成功したのである」 ここで、寛容とは他民族を受け入れることだ。 アメリカの強さは、様々な形で外国人をアメリカ国民として認めたことだ。この例を挙げていけば、尽きる

                                      中国が世界の「覇権国家」にはなれそうもない単純な理由(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                    • 日本政府がテレビ会議をできない「理不尽すぎる理由」(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                      日本政府は、コロナ下で、テレビ会議を満足にできなかった。そこで、2025年までに数百億円をかけて新たな通信網を構築し、テレビ会議をできるようにするという。 なぜ、5年間と巨額の資金が必要なのか分からない。 この背後には、システム開発・提供企業と政府の各部門の関係の固定化、そして発注者たる政府が評価能力を持っていないという問題がある。 幼稚園児さえできるテレビ会議を日本政府はできない 新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークが広がり、テレビ会議が広く行われるようになった。 しかし、中央官庁ではテレビ会議を満足にできなかったと報道された。こうした記事を読んで、なぜできないのかを理解できなかった。いまだに理解できない。 幼稚園児でさえzoomを楽々と操り、幼稚園の先生と話しているのだ。「官庁では機密があるから、幼稚園とは一緒にできない」と言われるかもしれない。しかし、機密事項なら、後からメールで

                                        日本政府がテレビ会議をできない「理不尽すぎる理由」(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                      • ChatGPT「超」活用法~アイディアが欲しいならブレインストーミングから「答え」ではなく「問い」を引き出せ (野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                        ChatGPTとの対話は、理想的なブレインストーミングです。ただし、それを行なう方法には、コツがあります。答えを引き出そうとするのではなく、問いを引き出そうとすべきです。 アイディアを得るためにAIと対話する 多くの人がアイディアを求めています。古くからさまざまな方法が提案されてきました。その中で、対話やブレインストーミングが強力な手段であることは、多くの人が認めるところです。新しいアイディアは、対話から生まれてくることが多いのです。

                                          ChatGPT「超」活用法~アイディアが欲しいならブレインストーミングから「答え」ではなく「問い」を引き出せ (野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                        • 家で書類をなくさない方法|野口悠紀雄の「超・整理法」を20年やってる人の話。|高田ゆうき|pixivFANBOX

                                          子供のときから本屋になりたかった漫画屋さんです。本屋さんは本を24時間読む仕事ではないとわかったので、じゃあ図書館で…と司書資格とったのですが、図書館も一日中、本読んでいていいわけではないんですよね(笑) 司書資格の授業に文献検索演習というものがありました。いわゆる特定班のことです。私は辞書類、百科...

                                            家で書類をなくさない方法|野口悠紀雄の「超・整理法」を20年やってる人の話。|高田ゆうき|pixivFANBOX
                                          • もう元の世界には戻れない…コロナウィルスに粉砕された理念の数々(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                            もう元の世界には戻れない…コロナウィルスに粉砕された理念の数々 自由、民主、公共性も、EU統合も五輪も… 新型コロナウィルスは、国のあり方に関する最も基本的な問題をわれわれに突きつけている。強権国家である中国が抑圧に成功しつつある。 その反面で、自由を基本とする欧米の民主主義国家で、事態が深刻化している。 国のありかたの基本が問われている コロナウイルス禍はいつかは終息する。しかし、何の長期的な影響も残さずに、そのまま忘れ去られてしまうものではありえない。 これまで十分な議論がなされることなく放置されて事柄に対して、あからさまな問題がいまわれわれに突きつけられている。 ものごとの本質に関する基本問題を、覆い隠し続けることができなくなった。いままでうやむやに放置していた問題が、きわめて重要な意味を持つことが明らかになった。 基本問題の第1は、中国の国家体制だ。 3月になってから、ヨーロッパや

                                              もう元の世界には戻れない…コロナウィルスに粉砕された理念の数々(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                            • 「強きを助け、弱きを見捨てる」、これがGoTo政策の本質だ(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                              GoTo政策は、一見したところ、観光業や外食業、あるいは娯楽業という「弱者」を助けようとする政策に見える。しかし、実際には、これらの業種の大企業を助けるだけで、零細企業を助けることにはなっていない。また、新型コロナ下においても所得が減少しない人々に補助を与える結果にもなっている。 第3波の真っただ中で人々の接触を進めようとしている 新型コロナ第3波で、病床使用率上昇など、医療体制逼迫への懸念が強まっている。 それにもかかわらず、政府はGoTo政策を実施している。観光旅行を促し、会食を勧めている。コロナ感染拡大に全力を挙げなければならない緊急局面で、人々の交流と接触を増やそうとしているのだ。 感染が広まってくると、高齢者は旅行を控えろとか、東京発着旅行は自粛せよということになった。マスクをしながら会食をせよとの指導もあった。アクセルとブレーキの両方を踏んでいるわけだ。一体どうなっているのだろ

                                                「強きを助け、弱きを見捨てる」、これがGoTo政策の本質だ(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                              • 勉強しない日本の大学生と、死に物狂いで勉強するアメリカの大学生(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                日本の人材は、国際的ランキングで評価が低い。日本人は大学入試までは必死に勉強するが、それ以降は勉強しないからだ。それは、日本企業が専門能力を評価しないからだ。アメリカでは、大学や大学院での成績で所得が決まるため、学生は必死で勉強する。 「高度人材」ランキングでも、日本の順位は低い スイスのビジネススクールIMDが作成する世界競争力ランキングで、日本の順位が世界最低になる項目がいくつもあると、前回述べた。IMDが作成するもう一つのランキングである「世界タレント(高度人材)ランキングWorld Talent Ranking 2021」にも、日本が世界最低になる項目がある。

                                                  勉強しない日本の大学生と、死に物狂いで勉強するアメリカの大学生(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                                • 中国が日本を「豊かさ」で抜く…その時起きる戦慄すべき事態(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                  中国と日本の豊かさ(1人当たりGDP)の差は、急速に縮まっている。 この傾向は将来も続く。したがって、どこかの時点で中国は日本より豊か国になる。 これは、日本と中国との関係が現在のそれとは質的に全く異なるものになることを意味する。それは、さまざまな面で、日本人にとって受け入れがたい大変化をもたらすだろう。 2040年代に中国は日本より豊かな国になる 世界経済の長期予測がいくつかなされている。 日本経済研究センターが行なった2060年までの長期経済予測は、中国が2030年代前半に経済規模で米国を抜くとした。 「2030年展望と改革」(内閣府)によると、2030年で、中国のGDPの世界シェア 23.7%は、アメリカの20.2%より高くなる。 これ以外にもいくつかの長期推計があるが、それらのほとんどは、2030年代前半に中国がGDPの規模で世界最大になると予測している。 中国の人口は巨大だから、

                                                    中国が日本を「豊かさ」で抜く…その時起きる戦慄すべき事態(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                                  • 【書評】「超」独学法 AI 時代の新しい働き方へ 野口悠紀雄 角川新書 - 京都のリーマンメモリーズ

                                                    著者の野口さんは、『「超」整理法』、『続「超」整理法・時間編』、『「超」整理法 3』、『「超」勉強法』、『「超」勉強法 実践編』など、「超」シリーズでチョー有名な方です。 日本では、3チョー(いかりや長介、長嶋茂雄、野口悠紀雄)の一人と言われています。(笑) その野口さんが、「AI時代の新しい働き方へ」というサブタイトルを担いで、またもや「超」何かすごいものを出版されました。(笑) 【1.本書の紹介】 【2.本書のポイント】 【3.本書の感想】 【4.関連書籍の紹介】 【1.本書の紹介】 こちらは、野口さんが提唱されている、「独学」の方法を紹介しています。 野口さんは今年80才です。 その野口さんが今でも、皆さんに向かって、勉強しよう!と言っています。 勉強は20代で終わりだと思っていませんか? 20代までの勉強は、いわば勝手に作られた教材にそった、自由のない、全く面白みのないお勉強です。

                                                      【書評】「超」独学法 AI 時代の新しい働き方へ 野口悠紀雄 角川新書 - 京都のリーマンメモリーズ
                                                    • 英単語を必死に覚えようとする人は伸びない…何カ国語も操る"語学の天才"たちの一見非効率な勉強法 野口悠紀雄は中学時代から「20回英語音読法」を実践

                                                      単語帳を片手に必死に英単語を覚えても、いっこうに英語のレベルは上がらない。その一方で、みるみる上達していく人たちがいる。何が違うのか。『超「超」勉強法』を著わした野口悠紀雄さんは「何カ国語も操る“語学の天才”たちがいます。共通して実践していたのは、じつは文章の丸暗記法なのです」という──。(第2回/全7回) ※本稿は、野口悠紀雄『超「超」勉強法』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。 単語を覚えるのでなく、文章を丸暗記する 多くの人が、単語帳を使って英単語を覚えようとしています。意味を知らない単語を単語帳に書き出し、それを覚えるという方式です。 しかし、この方法では、いつになっても英語は上達しません。単語帳の言葉を1つ1つ、別々に、孤立して覚えようとしても、できません。 人間は関係のないものを、バラバラに覚えることができないのです。だから、英単語を孤立して覚えることはできません。こ

                                                        英単語を必死に覚えようとする人は伸びない…何カ国語も操る"語学の天才"たちの一見非効率な勉強法 野口悠紀雄は中学時代から「20回英語音読法」を実践
                                                      • アベノミクスの6年間に世界は大きく変わった|野口悠紀雄

                                                        2012年の暮れに第2次安倍晋三内閣が発足。2013年4月には、異次元金融緩和政策が開始された。これによって日本経済が復活するとの期待があった。企業利益は増加し、株価は上昇した。 日本のGDPは、名目では2012年の495兆円から2017年の547兆円へと10.4%増加した。実質では、495兆円から532兆円へと7.4%の増加だった。 ただし、ドルベースで見ると、円安が進行したため、6.2兆ドルから4.9兆ドルへと21.5%も減少した。 この間に、世界では何が起こったか?中国のドルベースGDPは、8.6兆ドルから12.0兆ドルへと40.2%も増加した。日本との対比では、1.38倍から2.47倍になった。 アリババやハーウエイなどの新しい企業が成長した。アリババの時価総額は4383億ドルで、トヨタ自動車の1755億ドルの2.5倍になった(2019年7月)。 私は、2012年に『日本式モノづく

                                                          アベノミクスの6年間に世界は大きく変わった|野口悠紀雄
                                                        • いまや日本は中国より安い国! アベノミクスの期間に貧しくなった (野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                          日本は、韓国はおろか、中国やポーランドより物価が安い国になってしまった。アベノミクスの前には、こうしたことはなかった。アベノミクスで円安を進めたためにこうなった。 いまや日本人は、外国で買い物旅行を楽しむことができない。それだけでなく、高いiPhoneや高い原油を買わなければならない。 日本で390円のビッグマックが、中国では442円 英誌『エコノミスト』が作成する「ビッグマック指数」で、日本の地位低下が著しい。 昨年11月7日の本欄「これでよいのか安い日本。ビッグマック指数で中国やポーランドの下位」で、「他国のビッグマック指数が6月時点と変らなければ、日本は中国やポーランドに抜かれる」と述べた。 この予想が的中してしまった。 今年2月の数字では、実際に、中国に抜かれてしまった。ポーランドにも抜かれた。いまや日本より下位にあるのは、ペルー、パキスタン、レバノン、ベトナムなどといった国だ。

                                                            いまや日本は中国より安い国! アベノミクスの期間に貧しくなった (野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                                          • 厚生労働省の「デジタル化」はなぜ駄目なのか? その言葉を失う失態体質(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                            コロナの感染情報収集に、まだファックスが使われているようだ。接触確認アプリCOCOAは、委託を見直した結果、委託先企業数が増えてしまった。マイナンバーカード利用拡大の重要な1つである健康保険証への活用は、開始直前の土壇場になって延期になってしまった。 菅政策の最重要課題である「デジタル化」について、なぜもこうも不具合が続くのか? まだファクス!! 「データドリブン」ということが言われる。新型コロナ対策でも、データこそ重要だ。適切な対策のためには、迅速なデータ収集が必要。そのためには、情報のデジタル化は不可欠だ。 ところが、日本では、2020年 5月末までは、コロナ感染情報の収集にファクスが使われていた。 感染者を確認した医療機関が、手書きの「発生届」作成する。それをファクスで管轄の保健所に送信する。保健所が記入漏れなどを確認し、個人情報を黒塗りにするなどして都道府県にファクスで転送する。

                                                              厚生労働省の「デジタル化」はなぜ駄目なのか? その言葉を失う失態体質(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                                            • なぜこんなに弱いのか、ロシア軍の正体を給与面から解剖する (野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                              あっという間にウクライナを占領してしまうと思っていたら、攻めあぐねている。ロシア軍はなぜこんなに弱いのか。給料の分析から明かす本質的な弱点。 実は弱かったロシア軍 ウクライナに侵攻したロシア軍が苦戦している。すでに多数の将兵が死亡したと言われる。

                                                                なぜこんなに弱いのか、ロシア軍の正体を給与面から解剖する (野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                                              • アベノミクスの6年間で、日本と中国の格差はさらに拡大した(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                                2012年末に第2次安倍晋三内閣が発足し、2013年4月には異次元金融 緩和政策が開始された。これによって日本経済が復活するとの期待が広がった。 しかし、実は、この間にも世界経済での日本の地位は低下したのだ。 他方で、中国は量質ともに目覚ましく成長し、アメリカを脅かすまでになった。 中国とのGDP 比が1.38倍から2.47倍に拡大 多くの人が、アベノミクスの6年間で日本経済は順調に成長したと思っている。確かに、企業利益が増加し、株価は上昇した。 日本のGDP(国内総生産)がこの間に増大したことは事実である。名目では2012年の495兆円から2017年の547兆円へと10.4%増加した。実質では、495兆円から532兆円へと7.4%の増加だった。 しかし、ドルベースで見ると、円安が進行したため、6.2兆ドルから4.9兆ドと21.5%も減少したのだ。 一方、世界の多くの国が、この間に日本を超

                                                                  アベノミクスの6年間で、日本と中国の格差はさらに拡大した(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                                                • 独り負けの円安「止める手段、一つだけある」 野口悠紀雄氏の答え | 毎日新聞

                                                                  円安が止まらない。対ドル相場は20年ぶりの円安・ドル高水準となり、他の主要通貨に対しても円の「独り負け」の状況が続く。輸出立国の日本では長く、「円安は日本経済にプラスに働く」と言われてきたが、輸入品の高騰など生活にも影響が広がる中、その見方を疑問視する声も少なくない。円安で日本経済はどうなるのか。政府・日銀に円安の弊害を最小限にとどめる手段は残されているのか。その答えを探るため、日本を代表する経済学者で、一橋大名誉教授の野口悠紀雄氏に話を聞いた。【聞き手・杉山雄飛】 日本が直面する「負のスパイラル」 ――歴史的な円安水準が続いています。 ◆日本にとって危機的で、一刻を争う状況です。このまま放っておくと、とんでもない水準まで円安が加速する「負のスパイラル」に陥りかねません。 ――どういうことですか? ◆現在、円安が進んでいるのは、日本と米国の金融政策の違いによって日米の金利差が拡大しているこ

                                                                    独り負けの円安「止める手段、一つだけある」 野口悠紀雄氏の答え | 毎日新聞
                                                                  • 「超」整理日記(第801号):現金給付で、不正受給が横行するだろう|野口悠紀雄

                                                                    政府は、新型コロナウイルスの感染拡大によって収入が減った世帯への現金給付の枠組みを決めました。 給付額を1世帯あたり30万円とします。 給付金総額は3兆円規模に上るとみられます。 ◇ 不公平な支給になる 一律給付でなく、条件をつけて支給制限をした給付は、間違いなく不公平を生むでしょう。 所得減の要件をどのように決め、どのように審査するかは極めて難しい課題です。以下に述べるように、現在の案ではこれが確保されていないので、著しく不公平な政策になります。 第1に、コロナに感染したが所得制限で現金給付を受けられない世帯と、感染しないが別の理由で所得が減少した世帯と、どちらを助けるべきでしょうか? 第2に、わずかの差で条件を満たせなかった人は、大きな不満を持つに違いありません。 第3点がもっとも大きな問題です。現実には、不正行為が横行する可能性が強いのです。 ◇ どうやって収入減を証明するのか? 個

                                                                      「超」整理日記(第801号):現金給付で、不正受給が横行するだろう|野口悠紀雄
                                                                    • 金利抑制を巡る日本銀行と海外ファンドの死闘、制するのはどちらか (野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                                      日本銀行は世界の大勢に逆らって金利を押さえ込んでいるが、いずれ政策転換を余儀なくされるだろうと予測する海外のファンドが、日本国債を売り浴びせて、日銀に挑戦している。もし彼らが勝てば、巨額の利益を手に入れることになる。 海外のファンドが日銀に挑戦 現在、日本の金利水準は、主要国(とくにアメリカ)の水準に比べて低い。このため、円資産を売って、ドルなどの資産に乗り換える動きが続き、金利に上昇圧力がかかっている。 これが、急速な円安をもたらしている基本的な原因だ。 これに対して、日本銀行は、国債を無制限に買い入れる政策をとって、対抗している。 最近では、海外のファンドが日銀の金融政策に真っ向から挑戦して政策転換を促し、日銀が応戦している状況が鮮明になってきた。 6月16日付の日本経済新聞によると、イギリスのヘッジファンド、ブルーベイ・アセット・マネジメントは、長期金利を抑制しようとする日銀の政策は

                                                                        金利抑制を巡る日本銀行と海外ファンドの死闘、制するのはどちらか (野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                                                      • 日本は「円安」を進めても貿易収支が悪化する「技術後進国」になってしまった(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                                        日本は「円安」を進めても貿易収支が悪化する「技術後進国」になってしまった ハイテク競争の韓、台は貿易黒字が増大 日本は通貨を安くしたが、貿易収支が悪化した。それに対して、韓国、台湾は通貨価値を維持し、貿易収支黒字が増加した。 これは、日本の輸出産業の国際競争力が低下し、韓国、台湾の競争力が向上したことを意味する。 円安を進めたのに貿易収支が悪化 2000年以降の日本と韓国の貿易収支の推移は、図1に示すとおりだ。 日本の場合、2007年頃までは1000億ドル程度の黒字だった。しかし、その後は大きく減少し、2011年から15年は赤字になった。それ以降は、赤字と黒字が交錯する状態になっている。 他方で、為替レートは、2011年には1ドル=80円程度であった。 「円高によって貿易収支が悪化する」との声が産業界で強まり、2013年からの異次元金融緩和で、積極的な円安を進めた。その結果、対ドルレートは

                                                                          日本は「円安」を進めても貿易収支が悪化する「技術後進国」になってしまった(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                                                        • 【書評】AI 時代の「超」発想法 野口悠紀雄 PHP ビジネス新書 - 京都のリーマンメモリーズ

                                                                          AI時代に必要な発想法とは何でしょうか? 【1.本書の紹介】 【2.本書のポイント】 【3.本書の感想】 【4.関連書籍の紹介】 【1.本書の紹介】 『「超」整理法』でおなじみの野口悠紀雄さんが、今回は発想法、つまりアイデアの出し方を紹介した本です。 歴史に残る天才たち、アインシュタインやガリレオなどなどがどのようにして、発想したのかを紹介しながら、私達が発想するための方法を披露しています。 歴史上の天才たちがたくさん出ていますので、「天才大集合の本」かと勘違いしてしまう程です。(笑) AIの時代が来ても、大事なのは考えることです。 記憶力で勝負してもAIには勝てません。 そこで必要なのは考えること、つまりアイデアを出すことです。 アイデアの出し方は、いろんな人がいろんな所で語っています。 それぞれ、少しづつ違います。 野口さんの意見が他と違うのは、マニュアル化した発想法では、良いアイデア

                                                                            【書評】AI 時代の「超」発想法 野口悠紀雄 PHP ビジネス新書 - 京都のリーマンメモリーズ
                                                                          • ASMLーゴミ捨て場に生まれた企業が世界の半導体製造を制覇した (野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                                            1990年代中頃まで、半導体露光装置で、キヤノンとニコンは世界を制覇した。しかし、その後、オランダのASMLがシェアを伸ばし、現在では、EUVと呼ばれる半導体製造装置の生産をほぼ独占している。日本のメーカーは、なぜASMLに負けたのか? ASMLとは何者? オランダにASMLという会社がある。時価総額2642.2億ドル。これは、オランダの企業中でトップだ。オランダのトップ企業はフィリップスだと思っていた人にとっては驚きだ。「そんな会社、聞いたこともない」という人が多いだろう。 実際、ASMLは、歴史の長い企業ではない。生まれたのは1984年。フィリップスの1部門とASM Internationalが出資する合弁会社として設立された。フィリップスのゴミ捨て場の隣に建てたプレハブで、31人でスタートした。 しかし、いまの時価総額は、日本のトヨタ自動車2742.5億ドルとほぼ同じだ。世界第678

                                                                              ASMLーゴミ捨て場に生まれた企業が世界の半導体製造を制覇した (野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                                                            • 2025年の崖…日本の基幹コンピュータシステムが制御できなくなる日(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                                              経済産業省が2019年9月に公表した「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」は、積極的なデジタル化の促進というよりは、レガシーシステムがブラックボックス化している危険を指摘している。 金融機関ではレガシーシステムが残っている場合が多く、みずほの大規模システム障害のような問題がすでに起きている。みずほの場合には、縦割り組織と経営者の無理解が問題を悪化させた。 「2025年の崖」とは 日本でDXという言葉がよく使われるようになったのは、この経済産業省の『DXレポート」による。 ただし、世間で「DX」が使われる意味と、このレポートの内容は、かなり食い違っている。 多くの人が「DXを進める」と言うときに意味するのは、「デジタル化を進めて新しいビジネスを展開する」というようなことだ。ところが、このレポートの内容は、このような意味での積極的な「デジタル化」いうよりは

                                                                                2025年の崖…日本の基幹コンピュータシステムが制御できなくなる日(野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                                                              • 「停滞」どころではない、日本の賃金は本当は「下がって」いる (野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                                                日本の平均賃金は、過去20年の間にかなり低下している。 ところが、一般労働者とパートタイマーを分けて見ると、それぞれでは低下傾向は見られない。なぜこのような現象が生じるのか? ここには、日本の賃金事情の基本的な問題が隠されている。 平均賃金は、停滞でなく、下落している 「日本の賃金は、長期にわたって停滞している」と言われる。しかし、毎月勤労統計調査のデータを見ると、図表1のように、1990年代の中頃以降、停滞しているというより、かなり顕著に下落している。 図表1 日本の平均賃金指数の推移(毎月勤労統計調査のデータ)

                                                                                  「停滞」どころではない、日本の賃金は本当は「下がって」いる (野口 悠紀雄) @gendai_biz
                                                                                • スマートシティが突きつける難題…輝ける未来にはプライバシーがない?(野口 悠紀雄) @gendai_biz

                                                                                  ビッグデータの活用によって、都市の課題を解決し、エネルギーの効率的利用をはかる「スマートシティ」の計画が、日本でも進められている。しかし、スマートシティには、プライバシーがあるのか? また、個人情報のこうした活用は許されるのか? グーグルによるスマートシティ計画の挫折は、さまざまな問題を突き付ける。 「輝ける」未来都市-スマートシティ 2月23日に、静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本・東富士工場跡地に隣接する旧車両ヤードで、「Woven City」(ウーブン・シティ)の建設がスタートした。ここで、自動運転やロボット、AI技術など、さまざまな新技術を実証する。 これは、 「スマートシティ」と呼ばれる新しいコンセプトの都市だ。世界中で計画が進んでいる。日本でも、横浜市、豊田市、けいはんな学研都市、北九州市などで実証実験が行われている。 スマートシティをさらに進めた「スーパーシティー」構想を実現す

                                                                                    スマートシティが突きつける難題…輝ける未来にはプライバシーがない?(野口 悠紀雄) @gendai_biz