── 吉川さんから見て、田辺さんの芝居の作り方はどう見えました? やっぱり「リアル」ですか。 吉川 うーん……それこそ西村さんが言っていましたけど、決してリアルな画ではないのに、本当にその人が実在する感じがありますよね。「旨茶」のCMなんて、あんなデフォルメされたキャラなのに、なんじゃこのリアルさは! と思いますし。キャラの見た目と動きの生々しさが、僕のなかでは時々一致しなかったりするんですよ。それが田辺さんのアニメーションを見た、最初の印象でしたね。 ── 今回の現場ではいかがでしたか。 吉川 田辺さんが頭を抱えながらQARでタイミングをいじって、「やっぱりこのタイミングでやってくれ」と言って修正を戻すときも、確かに作画さんが描いてきたものと、田辺さんがタイミングをいじったものでは、よくここまで変わるものだなと思わされますね。作画さんのほうも、ここまで違うものを見せられると、ぐうの音も出