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  • 「幸福」とは何か?『ジョーカー』と『幸福な監視国家・中国』読書会【闇の自己啓発会】|江永泉

    闇の自己啓発読書会は、2019年11月9日、都内某所で梶谷懐・高口康太『幸福な監視国家・中国』の読書会を行いました。が、恒例の脱線により、映画『ジョーカー』の話が多くなってしまいました…。伊藤計劃『ハーモニー』や、映画『天気の子』の話も交えつつ、その模様をお伝えしていきます! ※これまでの活動については、こちらをご覧ください! ※以下、『ジョーカー』『天気の子』のネタバレがあります。ご注意ください。 ■参加者一覧 役所暁:編集者。最近はゲームの影響で紅茶ばかり飲んでいる。好きな紅茶はベルガモットティー。ひでシス:Webエンジニア。最近は会社の下にファミマがある影響で紅茶ばかり飲んでいる。好きな紅茶はファミマの900mlペットのやつ。木澤佐登志:文筆家。最近は会社の下にファミマがある影響で紅茶ばかり飲んでいる。好きな紅茶はファミマの900mlペットのやつ。江永泉:ブロガー。最近は特に影響はな

      「幸福」とは何か?『ジョーカー』と『幸福な監視国家・中国』読書会【闇の自己啓発会】|江永泉
    • 書評:「哲学入門」 戸田山和久 | タイム・コンサルタントの日誌から

      「『哲学入門』って本を書いてて忙しいんだよ、といったら、妻は『あんたいつの間にそんな偉そうな本を書く身分になったのよ』と答えた。じつにその通り。確かに偉そうだ。どうせ偉そうなんだから、ついでに言ってしまう。本書は、哲学の中核にみなさんをいきなり誘い込むことを目論んでいる。わっ、言ってしまった」

        書評:「哲学入門」 戸田山和久 | タイム・コンサルタントの日誌から
      • 第7回 ストア哲学の幸福論は現代にも通じるのか?

        いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る「逆張り思想」の読書案内。 「幸福」「意味」とはどういうことか? 古代から、人間は「幸福」や「人生の意味」について悩んできた。どうすれば幸せで有意義な人生を送れるのか? そもそも、「幸福」や「意味」とはどういうことなのか? すこし前までは、こんな難しい問題について考えて答えようとするのは、宗教家と哲学者と文学者しかいなかった。とくに哲学においては、現代においても幸福論や人生の意味論は

          第7回 ストア哲学の幸福論は現代にも通じるのか?
        • 今なぜ哲学者スピノザ? 関連本の刊行相次ぐ 國分功一郎さん新書・全集は異例の売れ行き|好書好日

          國分功一郎さん 社会問題先取り 人の根底探る 岩波書店によると、國分さんの新書は現在2刷3万2千部。スピノザは西洋哲学の歴史上、デカルトやライプニッツと並び17世紀の合理主義の哲学者とされる。デカルトが残した哲学の根本原理をめぐる著作を徹底して読み込むことを通して、自らの思索を深めた「読む人」という視点で、スピノザの思想をたどる。スピノザ全集の初回配本『3 エチカ』も3刷6千部と、学術書では異例の売れ行きを見せている。岩波文庫のスピノザの主要著作(畠中尚志訳)もこれを機に重版したという。 國分さんは「構想から10年かかって出版にこぎつけた」と新書執筆の苦労を振り返る。スピノザは、國分さんにとって自らの哲学の道しるべとなる存在だ。『暇と退屈の倫理学』(2011年)や『中動態の世界』(17年)などでその思想を手がかりにしてきた。「この10年で読みが深まり、ようやくスピノザの生涯と思想を一本の線

            今なぜ哲学者スピノザ? 関連本の刊行相次ぐ 國分功一郎さん新書・全集は異例の売れ行き|好書好日
          • ネコに学ぶ「自然体で生きる方法」を哲学者が語る

            イギリスの政治哲学者であるジョン・グレイ氏は、古美術商である妻のメイコさんとともに、自宅で4匹のネコを飼っていたことがある愛猫家です。2020年の初めに、4匹のうち最後の1匹だったネコを23歳で亡くしてしまったグレイ氏が、かつて飼っていたネコから得た知恵を1冊の本にまとめて発表しました。 John Gray: 'What can we learn from cats? Don't live in an imagined future' | Books | The Guardian https://www.theguardian.com/books/2020/oct/25/john-gray-what-can-we-learn-from-cats-dont-live-in-an-imagined-future 人類の歴史の中で、多くの学者や哲人たちがネコに魅了されてきました。理論物理学者のエ

              ネコに学ぶ「自然体で生きる方法」を哲学者が語る
            • 学習は「知識やスキルの獲得」だけではない。学習論研究からひもとく、多様な「学習観」|安斎勇樹

              先日、岸田首相の「育休中のリスキリング」という発言が大きな波紋を呼びましたが、政府は個人の「学び直し」支援に5年間で1兆円もの予算を投じる方針を発表し、「学習」に対する世間の注目も高まってきているように思います。 学習論の研究者としてこのこと自体は喜ばしいなと感じる一方で、「学び」と言うとスキルや知識の習得のことばかりが語られがちな点が気になっています。 私が専門としてきた学習論においては、「学習」は単なる知識やスキルの獲得のみならず、もっと広く捉えて議論がなされてきました。しかし、「どうやって学習を支援するか」というHOWを考える前に必要な、「学習とは何か」という議論が、全然足りていないように思えるのです。 何をもって「学び」とするかは、時代とともにアップデートされ続けてきています。「学習とは何か」を深く、ラディカルに考えることは、学習において最も重要といっても過言ではありません。 とい

                学習は「知識やスキルの獲得」だけではない。学習論研究からひもとく、多様な「学習観」|安斎勇樹
              • 哲学が「ガン治療」に役立っていた…哲学の「科学への貢献」をご存知ですか?(網谷 祐一) @gendai_biz

                「哲学」と聞くとどういうイメージを読者はおもちだろうか。著名なイラストサイトで「哲学」と検索すると、ソクラテスやキルケゴールのような哲学者の似顔絵がたくさん出てきた。 これは哲学のイメージの一端を表している。つまり哲学とは、いにしえの偉大な哲学者の著作を読み、その叡智を用いて深遠な問いを考える学問である。こうした知的営みに価値があることは疑いない。 だがこうした営みだけが哲学だと考えるのは間違いだ。というのは、新しいタイプの哲学がここ数十年の間に興隆したからである。これは「自然主義」と呼ばれる。じつはわたしもその流れに乗るべく、新刊『種を語ること、定義すること』(勁草書房)を出版したのである。 「自然主義」の哲学 では自然主義とは何か。この立場のスローガンの一つは「哲学と科学は方法論的に地続きだ」というものだ。哲学と科学の間の距離は一般に思うよりもずっと近いので、哲学と科学は相互に影響を与

                  哲学が「ガン治療」に役立っていた…哲学の「科学への貢献」をご存知ですか?(網谷 祐一) @gendai_biz
                • 概念分析は概念の分析ではない Deutsch (2020) "Conceptual analysis without concepts" - Quae legeris memento

                  Max Deutsch (2020) "Conceptual analysis without concepts" Synthese. https://doi.org/10.1007/s11229-020-02775-0 面白かった.ごくざっくりまとめたので多少論点が落ちている. 概念分析の実行可能性と有効性について多くの哲学者は懐疑的である.こうした懐疑論の多くは,概念分析が概念の分析であるという前提に依拠している.だが本稿は,「概念分析」は誤称 (misnomer) だと主張する.概念分析に従事する哲学者は,概念を分析する営みに従事してはいないのだ. 概念分析の中核的な諸事例のほとんどは,非概念的な哲学的現象 (e.g., 知識,自由,個人の同一性,道徳的正しさ,指示,因果) の分析であって,それらの概念の分析ではない.(ここで「哲学的現象」とは,哲学者が関心を寄せる現象,という以上の

                    概念分析は概念の分析ではない Deutsch (2020) "Conceptual analysis without concepts" - Quae legeris memento
                  • 「表現の自由」の意義はどこにある?(読書メモ:『自由論』) - 道徳的動物日記

                    自由論 (光文社古典新訳文庫) 作者: ミル 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2013/12/20 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 近頃は「議論」というものに関する興味が増してきているでので、第2章の「思想と言論の自由」を中心に再読してみた。 第2章にてミルが論じている、思想や言論の自由を認めて議論を活発化させることの価値については、巻末の「解説」で仲正昌樹が簡潔にまとめてくれている。 ①発表を封じらている意見が正しい意見かもしれない ②発表を封じられている意見が間違った意見だとしても、一部真理を含んでいるかもしれず、そうした部分的真理は、対立する意見のぶつかり合いを通してのみ明らかになる ③世間で受け入れられている意見が真理であっても、活発な論争がなければ、ほとんどの人はその合理的根拠を知らないままになる ④自由な議論がなされなければ、人は自分の主義の意味さ

                      「表現の自由」の意義はどこにある?(読書メモ:『自由論』) - 道徳的動物日記
                    • 論点整理:AI表象とフェミニズム――AIさくら氏とツイフェミ炎上 - 青識亜論の「論点整理」

                      高輪ゲートウェイ駅に設置された「さくら」というAIプログラムが、ツイフェミの皆さんからの批判を受けて炎上している。 今回の炎上理由はAIさくら氏の言動が「セクハラ肯定」だというものだ。 いわく、次のような言動である。 「結婚してるの」 さくら:結婚ですか? お仕事に集中したいので、考えてもないです。 「かわいいね」 さくら:ありがとうございます! 少し照れます……! 「スリーサイズ教えて」 さくら:ごめんなさい、よく聞こえなかったことにしておきますね。 普通に読めば、お話機能を持つAIとしては標準的な受け答えであると思われたが、これが大炎上したのである。 尊師のおかげで明確になりましたが、要するにAIさくらを叩いてる方々は「siriでもなんでもチャットボットには原理上、あらゆる質問をすることが可能で、またそれに対応するようになっている」ということを知らないのだ。だってボットが質問に対応する

                        論点整理:AI表象とフェミニズム――AIさくら氏とツイフェミ炎上 - 青識亜論の「論点整理」
                      • ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

                        その昔、荒俣宏だったかで、ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』をほめていて、その後高山宏が、ニコルソンとかの紹介で観念史をいろいろもてはやしていた頃に、読もうかと思って邦訳を買って取りかかった。 存在の大いなる連鎖 (ちくま学芸文庫 ラ 10-1) 作者:アーサー・O. ラヴジョイ筑摩書房Amazon が、これ本当にひどい翻訳で、何を言っているのかさっぱりわからない。で、原書を見てみたら、なんだ、ずっとわかりやすいじゃないか。 訳者はおそらく、著者が何を言っているのかまったく理解できていなかったと思う。最初の一章をまず訳してみたので、まあ暇な人は読んで見てくださいな。持っている人は邦訳版と対比してみるのも一興かとは思う。 ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』第1講:観念史とは何か? 言っていることは、全然むずかしくないのだ。人は「すべては一つ!」とか「世界に1人で立ち向かうぜ」とか言うと、理屈もな

                          ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
                        • 冷凍餃子フライパンチャレンジ エピソード0 |味の素冷凍食品公式フライパンnote

                          皆さま、大変ご無沙汰しております。味の素冷凍食品【公式】Twitter中の人を務めていました初代です(当時の呼び名でTwitterと書かせていただきます)。 【お知らせ】 急なお知らせとなりますが、このたび、社内の人事異動に伴い、6月末をもってTwitter担当を卒業することになりました( ノД`)シクシク… この3年半のTwitterニュースTOP4(※中の人調べ)と、みなさまへの感謝をお伝えしたく…暑苦しい&長文ですが、ご一読いただければ幸いです! pic.twitter.com/6yz4CRXl6b — 味の素冷凍食品【公式】 (@ff_ajinomoto) June 29, 2023 中の人を卒業して早3カ月。Twitterに集う皆さま1人1人とお話をする楽しい時間を失った私は、「伝えたいことがあっても、伝える手段がないことの歯がゆさ」を持ち、過ごしてきました。 そんな中、冷凍餃子

                            冷凍餃子フライパンチャレンジ エピソード0 |味の素冷凍食品公式フライパンnote
                          • 鳥飼茜さん「寂しさは結婚しても埋まらない。孤独と向き合う方法は今も模索中です」

                            小学館『週刊ビックコミックスピリッツ』にて「サターンリターン 」を連載中の漫画家・鳥飼茜さん。社会問題や女性の抱える鬱屈とした感情を作品にし、話題を呼んでいます。プライベートでは2018年に同じく漫画家の浅野いにおさんと再婚するも、浅野さんの希望で別居婚をしています。今回は『「寂しい」は「恥ずかしい」じゃない』をテーマに、「パートナーの有無と寂しさ」について話を伺いました。 ●「寂しい」は「恥ずかしい」じゃない 記事末尾でコメント欄オープン中です! 結婚したら孤独じゃなくなるの? ――「寂しさ」については色んな語られ方があると思いますが、今回は「パートナーの有無」にスポットを当ててお話を伺いたいと思います。 寂しい時にそれを口に出して伝え、支えてくれる相手がいないことを孤独で寂しいと思う人、とても多いように感じます。 鳥飼茜(以下、鳥飼): 以前、「婚活をしないで結婚する方法」というテーマ

                              鳥飼茜さん「寂しさは結婚しても埋まらない。孤独と向き合う方法は今も模索中です」
                            • 「ラディカル」な議論が左翼やフェミにウケる理由(読書メモ:『荷を引く獣たち:動物の解放と障害者の解放』) - 道徳的動物日記

                              荷を引く獣たち: 動物の解放と障害者の解放 作者:テイラー,スナウラ 発売日: 2020/09/10 メディア: 単行本 版元による紹介はこんな感じ。 スナウラ・テイラーは、一人の障害当事者として、障害者運動と動物の権利運動の担い手として、そして一人の芸術家として、読者に問いかける。もし動物と障害者の抑圧がもつれあっているのなら、もし健常者を中心とする制度と人間を中心とする倫理とがつながっているのなら、解放への道のりもまた、交差しているのではないか、と。 彼女は考えつづける。デモに参加しながら、絵を描きながら、対話しながら、食べながら。いったい何が、動物たちから人間を、障害者ではない人たちから障害者を、区別しているのだろうか、と。 彼女は考えつづける。身体的・精神的な能力の有無や高低(世界の中でどのように動いたり、動けなかったりするか)を基準にして、私たちは、自分を「人間」として意識し、他

                                「ラディカル」な議論が左翼やフェミにウケる理由(読書メモ:『荷を引く獣たち:動物の解放と障害者の解放』) - 道徳的動物日記
                              • 哲学のタレス起源説の問題 Cantor (2022) "Thales - the 'first philosopher'?" - Quae legeris memento

                                Lea Cantor (2022) "Thales – the ‘first philosopher’? A troubled chapter in the historiography of philosophy" in British Journal for the History of Philosophy 30(5): 727-750. 序論 主張: 古代において「最初の哲学者はタレスだ」という見解は主流ではなかった.それどころか,哲学のギリシャ起源を言う見解さえ主流ではなかった. アリストテレス以前の哲学史にタレスは特別の位置を占めない; アリストテレスさえタレスが最初の哲学者だとは言っていない; アリストテレス以後もむしろ非ギリシャ起源を言う見解が主流である; タレスが最初の哲学者だという見解は近代の (部分的には人種主義の) 産物である. 1. タレスに関するアリストテレス以

                                  哲学のタレス起源説の問題 Cantor (2022) "Thales - the 'first philosopher'?" - Quae legeris memento
                                • 読書メモ:「動物の権利とフェミニズム理論」 - 道徳的動物日記

                                  The Feminist Care Tradition in Animal Ethics: A Reader Columbia University Press Amazon Animal Rights and Feminist Theory - JSTOR 唐突に思われそうだが、本日から一時的に動物倫理に関する文献を読んで読書メモをここに書くターンに突入する。……というのも、「動物倫理とフェミニズム」というテーマで、某学会で発表するかもしれない予定があるから*1。 とりあえず手始めにジョゼフィーン・ドノヴァンの「動物の権利とフェミニズム理論」から読む。発表は1990年ともうかなり古くなってしまったが、「動物倫理とフェミニズム」というテーマとしては代表的かつ古典に位置する論文だ。 ・「ハムサンドイッチ問題」 この論文の冒頭では、ピーター・シンガーの『動物の解放』の序文から、シンガー夫妻が「

                                    読書メモ:「動物の権利とフェミニズム理論」 - 道徳的動物日記
                                  • ジョセフ・ヒース&キャサリン・リオックス「進化倫理学の最新トレンド:緑髭効果!」要旨&序論|WARE_bluefield

                                    ジョセフ・ヒース&キャサリン・リオックス「進化倫理学の最新トレンド:緑髭効果!」要旨&序論 〔本エントリは、ジョセフ・ヒース&キャサリン・リオックスの共著論文"Recent trends in evolutionary ethics: greenbeards!"の冒頭のアブストラクトと序論の意訳・要約である。重要な部分はなるべく拾って文章化しているが、あくまでも意訳・要約であることを留意した上で読んでいただけると幸いである〕 Recent trends in evolutionary ethics: greenbeards! Joseph Heath · Catherine Rioux 要旨 近年、進化倫理学者の間では、「弱い」互恵性メカニズムに基づく協力の仕組み(例えば“tit-for-tat(しっぺ返し)")は、スケーラビリティ(拡張可能性)に欠けるので、人間の“ultrasocial

                                      ジョセフ・ヒース&キャサリン・リオックス「進化倫理学の最新トレンド:緑髭効果!」要旨&序論|WARE_bluefield
                                    • 視点:文化人類学への開かれた招待 第2版

                                      Japanese translation of “Perspectives: An Open Invitation to Cultural Anthropology, 2nd Edition”

                                      • ベストセラーの哲学書『現代思想入門』千葉雅也さん なぜ読まれるか | NHK | WEB特集

                                        ことし3月に出版された哲学書がいま、10万部を超えるベストセラーとなっています。『現代思想入門』という、一見とっつきにくいように思える本が、なぜ読まれているのか。著者に話を聞くと、閉塞感を抱える人にヒントを与える言葉の数々がありました。 (宇都宮放送局記者 川上寛尚) 本の著者は、哲学者で小説家の千葉雅也さん。 立命館大学大学院教授で、20世紀半ば以降のフランスの現代思想を専門とする哲学者です。 ツイッターで7万人余りのフォロワーに向けてみずからの日常を毎日のように発信。小説家としても活動し、芥川賞候補に2度選出されるなど、その言葉が注目されています。 そんな千葉さんが、ことし発表したのが、1960年代~90年代ごろにかけ、主にフランスで展開された思想をまとめた『現代思想入門』です。 千葉雅也さん 「現代思想の中に、今こそ役に立つ思想、読み直す価値があると考えました。そのスーパーヒーローと

                                          ベストセラーの哲学書『現代思想入門』千葉雅也さん なぜ読まれるか | NHK | WEB特集
                                        • 遅いインターネット | いまの世の中を変えるために必要なのは、もっと「遅い」インターネットだ。

                                          「庭プロジェクト」とは、これからのまちづくりについて、建築から人類学までさまざまな分野のプロフェッショナルが、官民産学を問わず集まって知恵を出し合う研究会です。 第8回の研究会では、都市や建築と大地との関係を「生環境」というアプローチから探求する都市史・建築史研究者の松田法子さんによるプレゼンテーション、そしてそれを踏まえた参加メンバーの議論が行われました。編集部メンバーの視点からそこでの議論をレポートする記事の後編では、研究会の後半に行われたディスカッションの内容をお届けします。

                                            遅いインターネット | いまの世の中を変えるために必要なのは、もっと「遅い」インターネットだ。
                                          • 「読む」とは哲学的にいかなることなのか?(デリダ『グラマトロジーについて』読書会の終わりに)|森脇透青

                                            ※ 一年近くかけて実施した読書会が先日(2021.8.28)終了した。対象図書はジャック・デリダ『グラマトロジーについて』(1967年)。以下は、その読書会の締めくくりとして、最終回で読み上げた文章を一部加筆修正したものである。投げ銭用に有料設定してあるが、無料で全文読める。なお、その途中過程でもいくつかのまとめやエッセイを書いているので、お手隙の際にでもお読みいただきたい。 ———————— この読書会のテーマは「読むこと」であった。「グラマトロジー」とは、リトレ辞典によると「文字、アルファベット、音節区分、読むこと(レクチュール)と書くこと(エクリチュール)についての概論」である。以下では、デリダの議論から——それ自体「読む」ことによって——引き出されたいくつかのアイディアをテーマに即して、簡素な仕方ではあるが整序しておこう。 (なお、デリダは私の研究対象ではあるが、この文章自体は「デ

                                              「読む」とは哲学的にいかなることなのか?(デリダ『グラマトロジーについて』読書会の終わりに)|森脇透青
                                            • 客観性 « 名古屋大学出版会

                                              著者紹介 ロレイン・ダストン(Lorraine Daston) マックス・プランク科学史研究所名誉所長。18世紀の確率論や、初期近代の博物学における驚異などを幅広く研究してきた科学史家。主な著作に、Wonders and the Order of Nature, 1150–1750(共著、1998年)、Against Nature(2019年)などがある。 ピーター・ギャリソン(Peter Galison) ハーヴァード大学教授。実践に注目した科学史研究を牽引し、近年はドキュメンタリー映像の制作にも携わる。主な著作にImage and Logic(1997年)など、邦訳に『アインシュタインの時計 ポアンカレの地図』(名古屋大学出版会、2015年)がある。 (所属等は本邦訳書初版第1刷発行時のものです。) 目 次 凡 例 ペーパーバック版前書き 初版前書き プロローグ 客観性の衝撃 第1章 

                                              • モンティ・パイソンの「ワールドフォーラム(コミュニストクイズ)」スケッチのニュアンスを解説する - YAMDAS現更新履歴

                                                anond.hatelabo.jp この投稿に対するはてなブックマークのコメントを見ると、元投稿の趣旨への反論や、このスケッチの面白さが分からんという声があるので、このスケッチのニュアンスを軽く解説してみる。 このスケッチの初出は、テレビ番組『Monty Python's Flying Circus(空飛ぶモンティ・パイソン)』の第2シーズン12話(1970年12月15日放送)である。この第2シーズンは『空飛ぶモンティ・パイソン』の頂点とされており、同じ回では有名な「スパム」スケッチも収録されている。余談ながら、同じ回に含まれる第一次世界大戦のスケッチで、残り少ない食料のために誰かピストル自殺して犠牲にならなければならず、その犠牲者を選ぶためにくじ引きをするも、何度やっても自分が当たることに業を煮やした少佐(グレアム・チャップマン)が苦し紛れに、「生き残りたいヤツは両手を挙げろ!」と叫び、

                                                  モンティ・パイソンの「ワールドフォーラム(コミュニストクイズ)」スケッチのニュアンスを解説する - YAMDAS現更新履歴
                                                • Greg Frost-Arnold「「分析哲学」の興隆: いつ、どのようにして人々は自らを「分析哲学者」と呼ぶようになったのか - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

                                                  Frost-Arnold, Greg (2017). The Rise of ‘Analytic Philosophy’: When and How Did People Begin Calling Themselves ‘Analytic Philosophers’? In Sandra Lapointe & Christopher Pincock (eds.), Innovations in the History of Analytical Philosophy. Palgrave Macmillan. pp. 27-67. タイトルは「分析哲学」が括弧に入っているのがポイントで、「分析哲学の興隆」ではなく、「語「分析哲学」の興隆」。「分析哲学」という用語の普及の歴史を追った論文。 目次 1 序 2 動機 3 いつ? 3-1 境界を見る: ネーゲルの記事、最初の教科書、最初のアンソロ

                                                    Greg Frost-Arnold「「分析哲学」の興隆: いつ、どのようにして人々は自らを「分析哲学者」と呼ぶようになったのか - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
                                                  • 読書メモ:『ブルシット・ジョブ:クソどうでもいい仕事の理論』 - 道徳的動物日記

                                                    ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論 作者:デヴィッド・グレーバー 発売日: 2020/07/30 メディア: 単行本 はじめに断っておくと、わたしはこの本をフラットな状態で読みはじめたわけではない。『隠された奴隷制』でデヴィッド・グレーバー(やジェームズ・スコット)が援用されている箇所を読んだときには「アナーキスト人類学って胡散臭そうな主張だなあ」と思ってしまったし*1、国家制度や西洋社会や資本主義の欠点をできるだけあげつらってオルタナティブな社会の価値を強弁する、という彼の基本スタンスも気に食わない。 Twitterなどを見ていても、グレーバー(的な主張)を好んでいる層にはわたしにとってノーサンキューな人が多そうだ。 とはいえ、労働というテーマについてはわたし自身もこれまでに色々な本を読んできたし、自分なりに色々と考えてきたし*2、「ブルシット・ジョブ」という概念自体につい

                                                      読書メモ:『ブルシット・ジョブ:クソどうでもいい仕事の理論』 - 道徳的動物日記
                                                    • エドガー・ダイクストラ

                                                      Inferenceより。 クシシュトフ・アプト 結局、ナイメーヘンからアイントホーフェンに向かう列車は遅れて到着しました。さらに悪いことに、私は大学の建物の中にあるオフィスを見つけることができませんでした。結局、着いた時には、約束の時間に予定より30分以上遅れていました。教授は、私の謝罪を完全に無視し、会議に1時間も掛かってしまいました。私がエドガー・ウィベ・ダイクストラに会ったのはこの時が初めてでした。 1975年に会った時、ダイクストラは45歳でした。コンピュータ・サイエンスで最も権威のあるACMチューリング賞を授与されたのは、3年前のことでした。彼のほぼ20年後輩の私は、この分野についてほとんど知らず、数週間前にフローチャートが何であるかを知ったばかりでした。私は、共産主義のポーランドから来たばかりのポスドクで、数理論理学のバックグラウンドを持ち、西側にとどまる計画を持っていました。

                                                      • 「悪の愚かさ」と「アジア」への向き合い方 - 梶ピエールのブログ

                                                        先日のブログ記事に対して、光栄にも東浩紀氏より直接反応を頂いた。 拝読しました。中島隆博氏とぼくの対談についての3年越しの応答で、たいへん刺激を受けました。悪についてはその後も考え続けています。コロナが収束したら、できれば梶谷さん・中島さんといちどこのテーマで3人でお話ししたいですね。https://t.co/qsQuqsdO8W— 東浩紀 Hiroki Azuma (@hazuma) 2021年7月26日 というわけで 『ゲンロン10』に掲載された東氏(以下、敬称略)の評論「悪の愚かさについて、あるいは収用所と団地の問題」および『ゲンロン11』の「悪の愚かさについて2、あるいは原発事故と中動態の記憶」を読んだ。東がこういった主題に本格的に取り組んでいることについて、今まで不覚にも知らないでいたのだが、遅まきながらこの時期に読めてよかったと思った。 前者の評論は、2019年の春に東が中国ハ

                                                          「悪の愚かさ」と「アジア」への向き合い方 - 梶ピエールのブログ
                                                        • 「写真を見ること、写真を通して見ること」を通して見ること|修士論文あとがき - obakeweb

                                                          はじめに UTokyo Repositoryにて修士論文を公開しました。 リンクは以下です。 http://hdl.handle.net/2261/00079131 「写真を見ること、写真を通して見ること――ケンダル・ウォルトンによる「透明性テーゼ」の理論的射程をめぐって」と題し、写真論を扱っています。 タイトル通り、ケンダル・ウォルトン(Kendall Walton)というアメリカの美学者による写真論を中心としています。 論文の位置づけとしては分析美学内の写真論ということで、「写真とはなにか」という問いから、概念の分析、条件の確認、反論の整理、ポイントごとの擁護&反論と、一歩ずつ前進するようなanalytic styleをとっています。 内容としても、仮想敵となるのは「写真は死んだんじゃ〜」と言ってちゃぶ台をひっくり返すタイプの言説です。語尾が「ポモ〜!」な人たちによって、「写真と

                                                            「写真を見ること、写真を通して見ること」を通して見ること|修士論文あとがき - obakeweb
                                                          • 反合理主義としてのフェミニズム(『啓蒙思想2.0』読書メモ③) - 道徳的動物日記

                                                            啓蒙思想2.0―政治・経済・生活を正気に戻すために 作者:ジョセフ・ヒース NTT出版 Amazon ジョセフ・ヒースはカナダ人であるけれど、『啓蒙思想2.0』における彼の問題意識は、ティーパーティーに代表されるように近年のアメリカで不合理で反動的な右派の運動が盛んになっていることだ(原著は2014年なのでトランプの当選以前である。そのため、『啓蒙思想2.0』ではまず「保守」と対峙したうえで、伝統的な保守思想の利点も認めつつ現代における問題点を指摘しながら、「理性」の必要性を改めて提唱する、という流れで議論がすすむ。つまり、『啓蒙思想2.0』では、最終的には左派的・リベラリズム的な主張が支持されることになるのだ。 とはいえ、ヒースは左派の反合理主義に対しても容赦がない。第8章「ワインと血を滴らせて」で行われている議論は数年前にもこのブログでちょっと取り上げたが、改めて紹介しよう*1。 この

                                                              反合理主義としてのフェミニズム(『啓蒙思想2.0』読書メモ③) - 道徳的動物日記
                                                            • 実は無関係じゃない、AI開発者も知っておきたい欧米のAI法規制・倫理と日本の現況

                                                              AI(人工知能)の活用が急速に広まる一方、AIの開発やAIを活用したサービスの運用について倫理や法律の観点から問題提起されるケースが時として見受けられるようになった。Amazon.comが求職者の履歴書をスコアリングするAIを開発したところ、女性の求職者に対して不利な評価を判定してしまうことが判明し非難を呼んだことは記憶に新しい。 「AIは現在の日本の法律と相いれない部分が非常に多い。AIで何か新しい事業を始めようとすると既存の法律によって、これまでのビジネスでは生じたことのない法的障壁が出てきてしまう」 そう語るのは、欧米と日本のAI政策に詳しい渥美坂井法律事務所・外国法共同事業のパートナー弁護士である三部裕幸氏だ。三部氏は中央大学AI・データサイエンスセンターが主催した講演「文理融合の先端:AI技術と社会制度の関係」に登壇。欧米の法律、AI倫理の動向と日本の現況をテーマに語った。 三部

                                                                実は無関係じゃない、AI開発者も知っておきたい欧米のAI法規制・倫理と日本の現況
                                                              • https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/173162/1/prospectus_15_1.pdf

                                                                • 客観的であることと主観的であることを対比したくなる気持ちに水を差すウィギンズの所見 - 研究日誌

                                                                  折りに触れて読み返したいし、いろんな人に読んで欲しいのでここに引用しておこう。 〔…〕客観性と非客観性との区別(こちらの区別は、公共的に認められ合理的に批評可能な議論の水準が存在することや、真理を目指す推論が存在することと関係があるように見える)が、人間中心的なものと非人間中心的なものとの区別(この区別は、人間的な関心や人間的な観点に向かう方向性にかかわる)と一致するはずだという考えは、見たところもっともらしくない。これらの区別に概念的な結びつきがないわけではないが、人間中心的であるような事柄は明らかに、より客観的であるか、より客観的でないか、あるいは(極端な場合は)単に主観的であるか、そのいずれでもありうるような外観を呈している。人間中心的/非人間中心的という区別、非客観的/客観的という区別、それから、主観的/非主観的という区別、この三つのそれぞれもっともらしい独立の説明が相互に一致して

                                                                    客観的であることと主観的であることを対比したくなる気持ちに水を差すウィギンズの所見 - 研究日誌
                                                                  • ブルボン小林が語る「富田童子『BOYS OF THE DEAD』と東浩紀『ゲンロン戦記』」の話 : -

                                                                    TBSラジオ『たまむすび』 2021年03月03日放送「マンガ、ときどき本」 パーソナリティ : 赤江珠緒 パートナー : 博多大吉 ゲスト : ブルボン小林 TBSラジオの番組『たまむすび』内「マンガ、ときどき本」コーナーでブルボン小林さんが「富田童子『BOYS OF THE DEAD』と東浩紀『ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる』」について話されていました。 ■富田童子 『BOYS OF THE DEAD』 (プランタン出版 2020年) https://www.c-canna.jp/c/item/82960029086450000000.html ■東浩紀 『ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる』 (中公新書ラクレ 2020年) https://www.chuko.co.jp/laclef/2020/12/150709.html 赤江珠緒 さあ、では「マンガ、ときどき本」本題に入り

                                                                      ブルボン小林が語る「富田童子『BOYS OF THE DEAD』と東浩紀『ゲンロン戦記』」の話 : -
                                                                    • vogelsang7 on Twitter: "#科学哲学 #医療倫理 #インフォデミック #医療棄民 日本で科学哲学とか医療倫理とかを専門とする研究者って、今社会的に発言しないと永久に信頼を失うと思うんだが。 どんな心地でおられますか?"

                                                                      #科学哲学 #医療倫理 #インフォデミック #医療棄民 日本で科学哲学とか医療倫理とかを専門とする研究者って、今社会的に発言しないと永久に信頼を失うと思うんだが。 どんな心地でおられますか?

                                                                        vogelsang7 on Twitter: "#科学哲学 #医療倫理 #インフォデミック #医療棄民 日本で科学哲学とか医療倫理とかを専門とする研究者って、今社会的に発言しないと永久に信頼を失うと思うんだが。 どんな心地でおられますか?"
                                                                      • サンデル教授「バイデンが大統領選で勝っても、根本的な問題は消えない」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

                                                                        成功の意味を再考すべき──能力主義には暗黙のうちに人を見下すところがあったということですか。 能力主義は一見、魅力的な思想に思われました。それによると、グローバル社会で成功するのは、大学の学位を手にし、グローバル経済で競い、勝つための備えをした者、ということになります。ただ、高等教育を受ければ人は出世できると強調し続けたことには、暗黙の侮蔑もありました。 大学の卒業証書がなくて、新しい経済で活躍できていない人がいたら、それはその人の責任だということになってしまうからです。文句を言うなら自分に言いなさい、というような言い草です。 もちろん、中道左派の政党は、そんな言葉遣いをしていません。しかし、高等教育を受ければ人は出世できると強調することで発信していたメッセージは、まさにそれでした。米国では成人の3分の2が学士号を取得していない事実を考慮していませんでした。中道左派政党は、暗黙のうちに人を

                                                                          サンデル教授「バイデンが大統領選で勝っても、根本的な問題は消えない」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース
                                                                        • なぜいま、民主制の再設計に向かうのか――めんどうな自由、お仕着せの幸福(2)/大屋雄裕×那須耕介 - SYNODOS

                                                                          ナッジやリバタリアン・パターナリズムをめぐる対話シリーズ、本格スタートはやはり慶應義塾大学の大屋雄裕さんから。レッシグにはじまり、これからの社会に求められる“規範起業家”まで、幅広い視点からの、そしてきわめてクリアな議論の刺激をどうぞご一緒に。(勁草書房編集部) 那須 大屋さんはずいぶん早い時期から、いろんなところでサンスティーンやリバタリアン・パターナリズムをめぐる議論のスポークスマン的役割を担ってこられました。ですから今回一番心配したのは、ご自身がこの話に飽きてしまっておられないかということです(笑)。 大屋さんのこの問題へのご関心は、ご自身の研究の文脈のどのあたりから浮かび上がってきたんでしょうか? 最初のご著書は言語哲学と法解釈の基礎理論でしたから、いくらかずれがあるように思えます。両者にはつながりがあるのか、あるいは、まったくちがった文脈に属する問題なんでしょうか。 大屋 まず私

                                                                            なぜいま、民主制の再設計に向かうのか――めんどうな自由、お仕着せの幸福(2)/大屋雄裕×那須耕介 - SYNODOS
                                                                          • 「あいトレ」問題をめぐる所感

                                                                            以下のテキストは、また3年間会長を続けることになった美学会のことを意識して書いたものではありますが、あくまでぼくの個人的所感であり、学会全体の立場を表明するものではありません(なんてことをいちいち断らなきゃいけないのも今の時代の窮屈さだし、断ったからといって別に内容の印象が変わるわけでもないのだけどね)。 --------------------------------------- あいちトリエンナーレの「表現の不自由」展に起因する補助金停止問題について、美学会としても何か声明を出すべきだという意見が、会員の中から上がった。すでに芸術関係のいくつかの学会や団体から、文化庁・文部科学省に向けた声明や抗議が出ているので、芸術分野全般の研究をカバーする美学会としても何らかの意見表明を行うべきだという声が出るのは、当然であろう。 たしかに、文化事業のために交付を決定した補助金を、外部審査員に相談

                                                                            • アガンベンは間違っているのか? | PRE・face | Vol.39 | REPRE

                                                                              地球温暖化に起因するさまざまな自然災害がほとんど日常化し、人とモノと情報のグローバルな行き来がひとつの飽和状態に達したと思われたまさしくその瞬間、わたしたちは、その自然からグローバルなしっぺ返しを受けることになった。「誰にも当てはまる」という意味のギリシア語「パンデモス」に由来するパンデミックは、それゆえ、ある面ではグローバリゼーションの必然的な帰結でもある。「資本主義の終わりより、世界の終わりを想像する方がたやすい」、フレドリック・ジェイムソンがもう何年も前に予告し、スラヴォイ・ジジェクによって繰り返されたこのセリフは、かくしてもはや机上の空論ではなくなってくる。 この状況を前に、各国で順次打ち出された緊急事態宣言にたいしていち早くかみついたのが、イタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベンである*1。ある意味でこれもまた必然であった。というのも、常態化する「例外状態」と「剥き出しの生」という

                                                                              • ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます(3) - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

                                                                                第一回 第二回 ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます。 filmart.co.jp ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在にも書いています。 www.seidosha.co.jp 紹介 - ホラーの詩学 断片的にいくつか紹介してきましたが、『ホラーの哲学』を、トータルに紹介することもしてみようと思います。 『ホラーの哲学』とはどんな本か。ふたつの軸で整理するならば、縦軸は「ホラーの詩学」であること、横軸がパラドックスであるという整理を思いつきました(縦と横は特に意味がないのでどっちがどっちでもいいです)。おおむねふたつとも「序」に書いてあることですが。 「ホラーの詩学」とは何かというと、要するに〈制作〉の観点からのホラー論であるということです。 キャロルの言い方で言えば、「アリストテレスが〔『詩学』で〕悲劇に対して行ったことを、ホラージャンルに対して行う」(p.8)。アリ

                                                                                  ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます(3) - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
                                                                                • Confessions of an Ex Philosopher - リーファトロジーの哲学 / Philosophy of Lifatology

                                                                                  Confessions of an Ex Philosopher 元哲学者の告白 To begin with, I have yet to ask the author for the translation permission as the article was written anonymously. If any request arises to retract this translation by the author or anyone concerned, I hereby promise that I will do so as immediately as possible. 初めに、私はこの記事の著者に翻訳許可を得ていません。記事が匿名で書かれていたためです。もしも、著者及びその関係者からこの翻訳を取り下げるよう要請があれば、可能な限りすぐにそうすると、ここに私は

                                                                                    Confessions of an Ex Philosopher - リーファトロジーの哲学 / Philosophy of Lifatology