一般人の感覚では「非常識」としか思えない判決が目につく昨今。裁判官が頭でっかちで世間知らずだからこうなるのか? それとも実は、当事者のやむをえない事情を汲みつくした上での英断なのか? 裁判経験豊富な弁護士が、世間で「トンデモ判決」と言われる48の裁判を読み解き、痛快にジャッジする『裁判官・非常識な判決48選』より、交通事故にまつわる怖~い話をご紹介します。 ●訴えの内容 運転していた車が対向車線にはみ出し、対向車両と衝突して、はみ出した車の助手席に乗っていた男性が死亡する事故が発生。対向車線を走っていた車は、はみ出してきた車の存在に気がついて、避けるなどの対応ができたはず。したがって、対向車線を走っていた車は損害賠償の責任を負うべき ●判決 もらい事故であったとしても、対向車線を走っていた車は、はみ出してきた車を避けることができた可能性もあり、事故について過失がなかったとは言えない。したが