文学に関するrunt_ncのブックマーク (72)

  • わたしは、あなたのお母さんなんだけどさ

    知らないだろうけどね まごうことなきお母さんなんだよ、当に あなたはね、実際に生きづらさを抱えているね 小さい頃から、ずっと、今も まあそうだろうなあ、って思うくらいには、育てにくい子だった 年取ったらだいたい忘れるけどね いいことばっかり覚えてるよ 早く寝てくれた日の寝顔のこととか 爪を切るときの湿った手のひらとか 玄関先でこけて鼻血出したこととかね だけど当に手がかからない日だってもちろんあったんだよ あなたに手をかけなくていいことが、自由だということがすごく嬉しかった日もあった でもねえ 普通の人のなかで生きていかなきゃいけないくらいには頑張り屋さんで 普通の人としては生きていけないくらい、歪な感性を持ってうまれてきたあなたが どうしようもなく生きづらいあなたが、死んでしまいたいと言うのなら、お母さんに手をかけさせてくれなきゃ困るんだよ お母さんより大きくなったあなたでも、もしも

    わたしは、あなたのお母さんなんだけどさ
  • イエス・ノー遺影(イエス・ノー健一)

    anond:20230208195420 の続き】 仕事帰り、烏丸六角のファミマで買い物をしている最中に、この3年近く恒常的にセックスをしている男性から、「健一が亡くなったそうです」というLINEが入った。 この男性はどうにもこういうところがある。 身近な人間を基呼び捨てで呼ばわるところがある 母は「幸子」、母方の祖母は「ひさ江」、父方の祖父は「トメ吉」という具合に。ちなみに「トメ吉」については、まったく止まってはおらず、その下に「スエ」という妹がいる。 昔の人は、ある種なんとも露骨だ。 「子どもはもうこれ以上いらない」という気持ちを、今生まれてきた当の子どもの名前に込めてやるなよと私なんかは思ってしまうが、当人たちは一度避妊に失敗し、念押しのようにさらにその下に込めたりしているのだ。 現代なら「その名づけは虐待」とか普通に言われてしまいそう。 そういうふうにして、彼・彼女たちがそれぞ

    イエス・ノー遺影(イエス・ノー健一)
  • AIが作家を始めてもやらせておけ 神林長平さんが読みたい作品とは | 毎日新聞

    作家、神林長平さんは「言葉」「機械」などのテーマを重層的に組み合わせた独自の世界観を反映させた数々の作品で知られる。現代を代表するSF作家の一人として、急速に普及が進む人工知能AI)をどう見ているのだろうか。寄稿してもらった。 2023年は、チャットGPTに代表される対話型AIが爆発的に普及し始めた年として記憶されるだろう。機械相手に自然な会話ができるというのは驚きを伴う楽しい体験に違いないが、それが実用面で使われると、他人の権利や人権を侵害する恐れがある。ここにきてそれが顕在し、対応策もいろいろ議論されているのは報道されているとおりだ。 対話型、すなわち言語を主体とする生成AIの利用がさまざまな方面で社会的な問題を引き起こすという現象は、社会というものを成立させ、支えているのが「言葉」であることを思えば、当然理解できる。<言葉>は社会を生み、文化技術を発達させてきた。いつの頃からか人

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  • 「浴槽にお湯を入れる準備ができました」というファンタジー

    今さっき夕飯をべ終わり、皿洗いも終わった。 どうせ一人分なので、明日洗ったっていいのだけれど。 夜も深まってきたので、台所から給湯器の「お湯張り」ボタンを押下する。 静かな空間に、「浴槽にお湯を入れる準備ができました」とのアナウンスが響く。 そこからは浴室に向かい、浴槽への蛇口を開けなくてはいけない。 準備だけでなく、自動的にお湯の放流もしてくれればいいのに、とか思いつつ、今日も浴室に向かう。 その浴室に向かうまでの間、そう、この合間にいつも考えることがある。 それは「浴槽にお湯を入れる準備」とは何かということだ。 数少ない話し相手である給湯器に、そう言われるたびに、色々と妄想してしまう。 例えば、あの浴室では誰かが待っていて、私が遠慮がちに声をかけたら、驚くような大きな声で返事が返り、 どこから来たのか知らない大きな木の樽から、湯気たっぷりで当に熱々なお湯を、あの狭い浴槽に入れてくれ

    「浴槽にお湯を入れる準備ができました」というファンタジー
  • 18から駅員一筋25年

    そのほとんどを都会のターミナル駅で過ごした。 忘れ物をした方や体調を崩されて救護されたお客様で、後日改めてお礼を述べに来駅してくださった方は数えきれない位いる。 一方で、終電近くの時間帯でホームや駅の出入り口に嘔吐された酔っ払いのゲロを18の頃から休み以外ほぼ毎日掃除して来たが、「昨日駅で吐いてしまってすいませんでした」と謝りに来た人は1人もいない。 25年間、たったの1人もいない。 鉄道業界に勤める人にもお酒を大好きな人が多いが、私はどうしてもこの理由が引っかかってお酒を飲みたいと思わない。 1人でも多くカッコいい酒飲みが増えてほしい。 きれいな飲み方ができる大人が増えてほしい。 定年までまだ何十年かは働く予定だ。 その間に1人位は「昨日吐いてしまって…」という人が現れてくれる事を願う。

    18から駅員一筋25年
  • 鮎川というオタクに優しいギャル

    鮎川は中学校3年の時の同じクラスの女子だった。身長が高くて小顔。すっと通った鼻筋が印象的な美人だった。 校則で禁止されているのに、少し明るい色に髪を染めていて生活指導によく目をつけられていた。 当時はアムラー全盛期。クラスの女子はみんなルーズソックスくらいは履いていて、ギャルっぽい格好が普通だった。 その中でも彼女は少しヤンキーっぽくもあり、大人びた雰囲気もあり、いつも気怠そうな感じで「圧」があった。 俺はといえば、いわゆるアニメ漫画ゲームオタク。 休み時間に仲良くする友達も少なかったので、漫画の模写ばかりをして昼休みを過ごしていた。 無論、下手くそな絵を見られるのが嫌だったので、音楽室の隣の空き教室にいつも忍び込んでいた。 夏休みもあけた9月。体育祭の係を決める学級会があった。 うちの中学校では3年生が町内10キロを走るマラソンが1番の目玉だったが、 運動が苦手な俺は心の底から参加したく

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  • カタクチイワシ、悪くないですよ。口を開けるのも、むしろそれが基本姿勢..

    カタクチイワシ、悪くないですよ。口を開けるのも、むしろそれが基姿勢なので疲れません。閉じる一瞬、顎がカクンとなる感覚に「この次、口が開かなくなったらどうしよう」と怖くなる時もありますが、大抵の場合、泳げば口は勝手に開きます。だから大丈夫です。マイワシも同じなので、ご心配なさらず。 こいのぼりっているじゃないですか。風が吹く日に泳ぎ続ける彼らを見ていると、私もこんな感じで泳げているかなって我が身を振りかえるいい機会になります。仲間と並んで大きく口を開けて、風が体の中を通り抜けて。彼らも心では風になりたいって思っているんですかね。いえ、海の中に風は吹かないけど、水のゆらぎが体を通り抜けていく感じが続くと、むしろ体をおいて抜け出して、水のゆらぎになりたいって願うときがあるんです。 口を開けて泳ぎ続けると、プランクトンが入ってきては体から出ていきます。何も考えずともそれは昼夜にわたり繰り返され

    カタクチイワシ、悪くないですよ。口を開けるのも、むしろそれが基本姿勢..
  • あの時の増田、ありがとう

    数年前にここを知ってからリアルで話せないことを何度か愚痴としてこぼさせて貰っていた。 5ちゃんはルールがよく分からないしIDが出ることで匿名とは違う気がして書き込めなかったけど、ここは何も表に出ないから安心してぽちぽちと打つことが出来たよ。 あの時友達を切れと言ってくれた増田、ありがとう。 休んだ方がいいと言ってくれた増田、ありがとう。 心療内科を勧めてくれた増田、ありがとう。 セカンドオピニオンを勧めてくれた増田、ありがとう。 親との距離を教えてくれた増田、ありがとう。 フラッシュバックへの対処法を教えてくれた増田、ありがとう。 怒りを受け止めて叱ってくれた増田、ありがとう。 豆腐の美味しいべ方教えてくれた増田、ありがとう。 ハムスターの飼育方法を教えてくれた増田、ありがとう。 おかげでここに来る頻度も減って仕事も住む場所も見つけて何とか1人で生きていけてます。 知らない誰かが困ってい

    あの時の増田、ありがとう
  • 貧すれば鈍するってマジね

    もう二十年も前 薄給なのにキツい仕事がつらくて逃げるようにやめた やすいパンだけをべて、甘いものがほしいから砂糖をなめて生活してた。 次の仕事が見つかるまで、一日だけの派遣をやった 遠くの倉庫に行ってピッキング作業して帰ってくる それで数千円 交通費も一部しか支給されない 働いて移動とご飯で消えるくらい少ない それでも家を追い出されないように手元にある現金を切り崩しながら生活していた。 次の仕事を見つけないといけないし、しかしその時間は生きるために労働力に変えないといけないし、そして働いたとしてもパンと砂糖で暮らすしかない。 計算していけば数カ月先に家賃は払えなくなる。なんとしても延命して仕事を見つけないといけない。 有限の時間を生きるために安売りした。 派遣先まで歩いていると自動車が通る。 軽自動車でも数百万する1万円を手に入れるのすら苦しいのに、なぜこんなに乗用車が溢れているんだろう

    貧すれば鈍するってマジね
  • メロスRTA

    メロスany%RTA。王宮と城下町、羊飼い達の暮らす村という3つの舞台を行き来しながら正義と陰謀に揺れる人々の姿を描く、名作RPGです。今回は「走れメロス」と呼ばれるチャートになります。走者とメロス、一心同体の走りをお楽しみください。 さっそく始めたいと思います。3、2、1、スタートです。 さて物語は主人公・メロスの妹の結婚が決まったので式の準備をしよう、城下町シラクスに買い物に行こうというところから始まります。しばらくは故郷の村で基操作のチュートリアルですので、簡単にこのチャートについて説明します。 今回バグありのカテゴリということで、途中のイベントをいかにスキップしていくかが鍵になります。走れメロスチャートでは、いわゆる探索パートの時もメロスを戦闘状態にし、メロスがずっと走り続けているというものです。 プレイ中ずっと戦闘モードで何が起こるかというと、一つとしては移動時間の短縮があるの

    メロスRTA
  • いいなと思うもの

    ・水族館や動物園で、説明文を読んで得たばかりの知識を、同行者になぜか少し得意げに披露している人の声を聞きながら、動物や魚を見ている瞬間 ・いいパン屋でいい惣菜パンを買って、包み紙に油が染みているのを見たとき ・新しいゲーム機の初期設定をしているときの、焦れるようなワクワクするような感じ ・ロイヤルホストなどのファミレスの看板が、雲ひとつない青空をバックにゆっくり回転している ・22時22分 ・式典のために用意された、デカい花瓶に入ったデカい生花の近くを通ったときに感じる、強い花の匂い ・12月の雨の日、降っているものにあられが混じっていることに気がつく瞬間 ・春先に飛んでるオレンジ色のチョウチョ(ツマグロヒョウモン!) ・夏場に美術館や博物館に行ったときの、圧倒的な涼しさ(案外人は多くて、静かさはない) ・自転車でネコの横を通り抜けるときにネコが見せる、いつでも動けるように緊張した姿(実際

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  • 僕とお父さんについて - 薄場圭 | 少年ジャンプ+

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  • Ingressでおかしくなって和歌山県の山中で正気を取り戻した話

    なああんた、あんたはゲーム脳って信じるか? ゲーム脳なんてインチキだ、って答えるだろうなあんたは。オレも信じちゃいない。それでもゲームで人間が狂っちまうことはある。あのときオレは復讐者になっていた。警告がてら、ちょっと思い出話に付き合ってくれ。 何年か前にIngressってゲームが流行っただろ。青組と緑組にわかれて陣取りゲームやる、ポケゴーの元になったゲームだ。ポケゴーのジムやポケストップをIngressではポータルって呼ぶが、占拠したポータル同士を直線で繋ぎ合わせて三角形をつくると自分の色の陣地にできて、ヘッドフォンからは「素晴らしい成果です」とお褒めの言葉が流れてくる。シンプルに見えて奥の深いゲームだったからオレはやる気になって青色の三角をつくりはじめた。 Ingressは誰かがポータルを占拠したり三角を作ったりするたびに行動ログが流れるから、オレの成果はすべてのエージェント(プレイヤ

    Ingressでおかしくなって和歌山県の山中で正気を取り戻した話
  • おばあちゃんの思い出話と乳首責めの相性

    【続きのようなもの anond:20230328202632】 三年前に祖母が亡くなったとき、私は孫代表スピーチを頼まれた。それで葬儀に出るまでの短い間におばあちゃんとの思いでをふりかえることになった。 そのころ大好きだったアイドルが載っていたMyojoやPOTATOを見せて、おばあちゃんに誰が好みか聞くと、「みんなすてきでかっこいいけど、この子が明るい感じでお話がしやすそう」といって、当時の私の推しを選んでくれた。 画家だった曾祖父の描いた、ふたつのあけびが木になるままにはじける刹那をとらえた、グロテスクで美しい日画をいつもいとおしそうにながめていた。 横山大観の展覧会に行きたいというから、じゃあ一緒に行こうと博多駅で待ち合わせをした。前日に何度も何度も電話で確認したホームにおばあちゃんはいなくて、慌てて必死に探したら、私の母が以前に贈ったあみめの大きなベージュのレースのよそ着をきて、

    おばあちゃんの思い出話と乳首責めの相性
  • 葬儀に派遣される女性スタッフの仕事をしていた だいたいの現場で私たちは..

    葬儀に派遣される女性スタッフの仕事をしていた だいたいの現場で私たちは名前ではなく「レディさん」とか「スタッフさん」とか呼ばれる ご遺体のお迎えから火葬後までずっと関わっていく葬儀社と違い、私たちがご遺族と一緒にいる時間は通夜告別あわせて8時間くらいだ 開式前に初めて故人と遺族に会い、どういう方だったか最後までわからない時もある 初めて派遣された葬儀会社の、初めて会う担当者から、初めて会う遺族のことを開口一番「めんどくさい人たちです」とだけ言われる時もある もちろん勉強していたり資格を持っている人もいるけど、私たちは役所の手続きやお金、お墓についてのことをほとんど知らない わかるのは葬儀中のことだけだ 私たちは説明書だったり自動ドアだったりコート掛けだったり案内看板だったりした 真夏日でも氷点下でもスーツ1枚で外に立ち、背筋を伸ばし指先を揃え、薄い笑顔で案内した 鞄にはなんでも入っていた

    葬儀に派遣される女性スタッフの仕事をしていた だいたいの現場で私たちは..
  • おじさんはこんなものを食べるぞ

    おじさんはみかんをべるぞ おじさんは松屋で親子丼べるぞ おじさんはロイホで黒黒ハンバーグとチョコファッジサンデーべるぞ おじさんはローソンのやっすい飲むヨーグルト1リットル買うぞ おじさんはスタバでチャイを飲むぞ おじさんは立ちいうどんでかき揚げうどんとおにぎりべるぞ おじさんは無印のグリーンカレー買うぞ おじさんはポムの樹でオムライスドリア頼むぞ おじさんは天下一品でこっさり味のラーメン頼むぞ おじさんはミスドでポケモンのドーナツ買うぞ おじさんはマックでごはんカルビセットを頼むぞ おじさんはコメダ珈琲でめちゃうまプリンシロノワール頼むぞ おじさんはケンタッキーでスヌーピーマグカップ付きバーガーセット頼むぞ おじさんは鳥貴族でとり釜飯頼むぞ(時間かかるから早めに頼むべし) おじさんは串カツ田中に一人でべにいくぞ おじさんはやよい軒でごはんおかわりしてべまくるぞ おじさんは大

    おじさんはこんなものを食べるぞ
  • マスクを奪うと勝てるボードゲーム

    マスクさえ奪えば勝てる。 そのことは、一夜にして棋界を変えたという。 流行した新戦法は、居飛車でも振り飛車でもない。 マスクを奪う、だ。 だが、ある戦術が棋界を席巻すれば、対抗戦略が生まれるのは必然だった。 棋士たちは、囲いを始める。 アメフトやバイクのヘルメットを被ってマスクを守るのだ。 もっとも、いかに頭部を守ろうとも、腹パンされてヘルメットを脱がされては意味がない。 守らんとする者は全身を覆い、攻めんとするものは武器を手にする。 守りと攻めのいたちごっこ。 やがて生まれたのは、全身をフルプレートの鎧で包み、剣を手にするスタイル。 棋士たちは、騎士になったのだ。 さらに、戦法の進化は進む。 やぐら(物理)やトマホーク(物理)を経て、そのゲームは、もはや合戦(将棋ウォーズ)の域に達した。 この戦を模したボードゲームも生まれたという。 その名を「将棋」という。 https://anond.

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  • ねこが22歳になった

    (前回のご報告)https://anond.hatelabo.jp/20211124144056 拾ったねこなので誕生日とかもわからないのだけど、ボロボロのこねこを9月に拾った時に多分生後3ヶ月くらいだった。ということで毎年6月をお誕生月にしているのでとうとう22歳になりました。ここまででもうご報告したいことの大半は述べてしまったのでここで文章を止めてもいいくらいなのですが、今年も無事に冬を越え、梅雨の手前の青空をともに眺めることができていることをことほぎ、ここに駄文を残しておきたいと思います。 あいもかわらぬねこ一匹ひと一人の生活ですが、最近は以前ブックマークコメントで教えていただいた26歳ねこさま動画を見つつ、動画の中で獣医師の先生がご紹介されていたペット用タオルなどをいそいそと購入して、これ以上なく嫌な顔をされながら増田のねこの体をお拭きしたりしています。ご紹介されていたものの中でさ

    ねこが22歳になった
  • わからん

    俺は文章を書くのが好きで、なぜ書くかというと支配するために書いている。 これは自分の動機を色々な意味で乱暴に表現した言い方だけど、実際この通りで、俺は世の中のたくさんの物事がよくわからなくて、それを自分の言葉で自分自身のために説明し直すことが俺にとっては対象を屈従させたことと同じなので、それが理由で書いている。 一種の、そういう暴力的な方法でしか、この世界にある意味不明さと向き合えない。とにかく俺は「わかりたい」のだが、いまは、まるで真逆のことを言う。 「説明を受けてようやくわかった」 「感じていたもやもやを(自分の代わりに)うまく言語化してくれた」という意見を最近よく目にすることがあって、それを見かけるたびに、正直言うと少し嫌な気持ちになる。 俺自身が「わかる」ために言葉を並べることに憑かれているし、俺が書いたものを読んだり講義を聞いた人に「説明上手ですね」と言われると身もだえるほどうれ

    わからん
  • 大嫌いな父を見殺しにしてしまった話

    私は父が大嫌いでした。 末っ子の私は末っ子あるあるなのか、あまり幼少期の写真もなく、家族で旅行に行ったのもベビーカーで東京ディズニーランドに行ったのが最後だった。シンデレラ城の前で撮った古びた写真を見せられ、ほらみんなでディズニーランドに行ったんだよ。なんて母に言われても覚えているわけもなく、羨ましいという気持ちが膨らむばかりでした。 誕生日ひとつとっても、兄達は母手作りのアンパンマンのケーキと一緒に写った写真も残っていてズルい。私の誕生日なんて写真どころかケーキがないことだってあった。それも全部、父が悪い。父がギャンブル好きで借金まみれなのが悪いのだ、と思っていました。休みの日は寝るかパチンコか競艇か。たまに家族サービスをしてくれることもありますがそれは稀なことでした。 そんなこんなで家計は火の車なので私が小学校中学年の頃から母は働きに出るようになりました。最初は日中働いていた母も、稼ぎ

    大嫌いな父を見殺しにしてしまった話