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中東情勢
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中国は、「ふしぎな国」である。 いまほど、中国が読みにくい時代はなく、かつ、今後ますます「ふしぎな国」になっていくであろう中国。 そんな中、『ふしぎな中国』に紹介されている新語・流行語・隠語は、中国社会の本質を掴む貴重な「生情報」であり、中国を知る必読書だ。 ※本記事は2022年10月に刊行された近藤大介『ふしぎな中国』から抜粋・編集したものです。 九九六(ジウジウリウ) 私が東京で勤務している会社では、1980年代から毎年3人の中国人研修生を受け入れていた(現在は中断)。私はいまから30年ほど前、北京の同業の会社から派遣されて来たO氏に、毎週1回、ボランティアで日本語を教えていた。 そのO氏、営業部で働いていたのだが、夕刻に伺うと、いつも自席にいない。何度目かに、私は直接トイレに行って、一番奥のカギがかかっている扉をノックした。 「Oさん、起きて!」 すると扉が開いて、寝ぼけ眼のO氏が出
日産の下請けイジメ 「勧告されたにもかかわらず、是正されていないのならば、極めて遺憾だ。法令遵守の観点のみならず、経済界を挙げて進めている価格転嫁にも水を差す」--。 官僚出身で物静かな語り口が特徴の経済産業大臣、斎藤健氏が先週金曜日(5月17日)の記者会見で、吠えた。日産自動車が相変わらず下請けいじめをしているとの報道への感想を求められて、いら立ちを隠せなかったのだ。 日産を非難したのは、斎藤大臣だけではない。5月14日には、経済同友会の新浪剛史・代表幹事が記者会見で、「経営陣として「知らなかった」では済まされない」と切り捨てた。自民党の伊藤達也・中小企業政策調査会長も同日、「買い叩きが事実だとすれば、トップの責任が問われる」と、日産の内田誠・社長兼最高経営責任者(CEO)の進退を問う構えまで見せた。 自動車メーカーの下請けいじめは、筆者が新米新聞記者だった1980年代から絶えることなく
日航ジャンボ機墜落事故のとき、村長として救難作業をサポートした「旧海軍を代表する零戦隊指揮官」の戦後の半生 来年(2025)は「戦後80年」、そして「昭和100年」にあたる。太平洋戦争(大東亜戦争)の第一線で戦った将兵は概ね明治末期から昭和初年までに生まれた人たちだったが、約230万人が戦死、民間人の犠牲者を合わせると310万人もが犠牲になったとされている。 そして、戦争を生き抜いたその世代の人たちは、価値観の一変した世の中に戸惑いながらも、さまざまな分野で戦後の日本復興の礎となった。 ここでは、今年4月に上梓した私の新著『決定版 零戦 最後の証言1』(光人社NF文庫)より、旧海軍を代表する零戦隊指揮官の1人で、戦後は郷里・群馬県上野村村長となり、1985年8月12日、村内に日航ジャンボ機が墜落したさいにはパイロットとしての経験を活かし地元首長として救難作業をサポートした黒澤丈夫氏の「戦後
最短10秒でカードが発行され、還元率は20%にも!破壊力抜群「Vポイント」の貯め方・使い方をイチから解説します 知名度抜群のTポイントと、潤沢な資金力を誇るVポイントが結びついて、「ポイ活経済圏」を震撼させている。楽天やドコモほか既存のポイントサービスを活用している御仁も、その力に刮目せよ。 1.54億人に恩恵が 「Vポイントはメガバンクの一角である三井住友フィナンシャルグループ(FG)が運営しているので信用力が高く、シニア層にも安心して使えるサービスだと思います。楽天ポイントやPayPayポイントは、その便利さから2大ポイントとして拡大してきましたが、この2強になかなか馴染めなかったシニア層も利用し始めています。Vポイントは2強を覆すダークホースとしていま、大いに注目されているんですよ」 そのおトクさのあまり、「Vポイントに囲われてしまった」という、経済評論家で百年コンサルティング代表の
マイナカードを偽造し、不正にキャッシュレスアプリの残高を引き出したり、高額な買い物をする被害が相次いでいます。カードそのものの特性が一因とみられますが、国民の大切な個人情報や口座残高が犯罪組織に晒されている現状は重く見なければなりません。政府が「メリット」だと喧伝していたことも、結局役に立たなかったと、経済ジャーナリストの荻原博子氏は指摘しています。 マイナカードとキャッシュカードが揃うと… 偽造されたマイナカードでは、生年月日を悪用する犯罪も増えそうです。 マイナカードは、顔認証されなくても、暗証番号で「マイナポータル」に入ることができます。この暗証番号は、3回間違えると使えなくなるので、多くの方が覚えやすい番号にしていることが少なくありません。 その覚えやすい暗証番号で一番多いのが生年月日です。 なぜ、生年月日を暗証番号にしている人が多いと推測されるかといえば、ゆうちょ銀行で、不正にお
「ネットポルノ依存症」という大問題が、いよいよ世界を揺るがしはじめた…! あなたの脳も簡単にハックされる 科学者が一雄一雌の動物をアンフェタミン(覚醒剤)で興奮させると、もはやパートナーでは満足しなくなる。異常な人工的刺激が脳の報酬系に作用し、持続的な絆をつくる回路を抑え込んで乱交的な哺乳類と同じにしてしまうのだ。 ポルノは脳にとって性愛の刺激となり、ドーパミンを大量に産生させる。メタンフェタミン(覚醒剤)やヘロインのような中毒性のドラッグの強力な魅力は、それがセックスのために進化した仕組みを乗っ取るからだ。ラットを使った研究では、性的興奮で生じるドーパミン水準は、モルヒネやニコチン投与で引き起こされるものに匹敵した。 「オルガズムは自然の強化因子として最も強力なものだし、遺伝子の再生産が最優先の仕事なので、ポルノのストリーミングを見ながらオナニーするのは、神経学的に並ぶものがない」とウィ
学校とはどのような場所なのか、いじめはなぜ蔓延してしまうのか。学校や社会からいまだ苦しみが消えない理由とは。 いじめ研究の第一人者によるロングセラー『いじめの構造』で平易に分析される、学校でのいじめ問題の本質――。 「よい」は「みんな」のノリにかなっていること 小社会では独特の「よい」と「悪い」が成立している。彼らは、自分たちなりの独自の「よい」「悪い」に、大きな自信と自負を持っている。それは、きわめて首尾一貫したものだ。 この倫理秩序に従えば、「よい」とは、「みんな」のノリにかなっている、と感じられることだ。 いじめは、そのときそのときの「みんな」の気持ちが動いて生じた「よい」ことだ。いじめは、われわれが「いま・ここ」でつながっているかぎり、おおいにやるべき「よい」行為である。いじめで人を死に追い込む者は、「自分たちなり」の秩序に従ったまでのことだ。 大勢への同調は「よい」。ノリがいいこ
積み立て投資のいいところは、「手間がかからない」ところです。 別名「ほったらかし投資」とも呼ばれるように、チャートや決算書をチェックしたり、売買のタイミングを考えたり、トレンドの流れを読んだりする必要はありません。 いったん「オルカンを毎月3万円買う」と設定したら、証券会社が口座から自動的に引き落としてくれます。オルカンを買うか、S&P500を買うかで、最初に少し悩むくらいで、あとは半永久的に「ほったらかし」でいいのです。 仕事や育児などに追われていて、投資に時間を割くことができない、投資の勉強をする余裕なんてないという人には、ありがたいしくみでしょう。 しかし、メリットの裏には、必ずデメリットがあります。「手間がかからない」というメリットの裏には、「投資のスキルが身につかない」というデメリットがあるのです。 投資家には、さまざまな種類のスキルが必要です。 ・資金管理 ・未来予測 ・決断力
住友化学が「過去最大の赤字」を計上する意味 2024年3月期決算の発表では、やっと動き始めた日本企業の姿が、様々な業種の様々な企業で語られていた。決算発表の場は以前のような単なる受託責任の解除としての会計報告の場というだけでなく、それぞれの企業が、投資家に対して、その会計年度やその背景にある経営計画やその遂行度合いを総括し、問題があれば、何が問題なのかを整理して伝え、そこから自分たちが誰も完璧には予測できない未来をどう予測し、動いていこうとするか、価値を創造していこうとするか、を語り掛ける場に、やっと変貌しつつある。 そこで総括され、語られた内容について、また別の情報を持った投資家が、様々な立場で評価を降し、その企業の航海に参加し果実の分配に預かろうとする(株を買う)のか、その航海の成功を危ぶみ、例えば株を借りて売り向かおうとするのか、いずれにせよその均衡の中で株価は成立する。 絶対的な神
そんな厳しい台所事情の中、東京15区の選挙戦に狩り出されたのが、維新の国会議員団の秘書団だった。 秘書の一人が明かす。 「秘書団は連日動員されていました。選挙運動では基本的に、証紙を貼った法定ビラしか配布できないのですが、選挙期間中に維新秘書らが東京15区内の駅前で、候補者の写真の入った維新の機関誌を配布しており、SNS上で問題視された。すると、秘書会から4月18日に一斉メールで〈選挙運動と同時に、政党・政治団体の活動を行っています〉〈秘書会ジャンパーには『維新ロゴ』が入っており、選挙活動に類推されないようにするために、維新と記載のない薄グリーンの上着等を着用してください〉という指示がきました。事実上の選挙運動ですが、あくまで政党活動だと強弁したのです」 危なっかしい活動はこれだけではなかった。議員会館内で、選挙準備に携わった秘書もいたという。 「公示直後の4月16日には、秘書会の会長のA
なんとアメリカ軍にとって、日本は「国境が存在しない国」だった!…日本が渡してしまった「ヤバすぎる特権」 日本には、国民はもちろん、首相や官僚でさえもよくわかっていない「ウラの掟」が存在し、社会全体の構造を歪めている。 そうした「ウラの掟」のほとんどは、アメリカ政府そのものと日本とのあいだではなく、じつは米軍と日本のエリート官僚とのあいだで直接結ばれた、占領期以来の軍事上の密約を起源としている。 『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』では、最高裁・検察・外務省の「裏マニュアル」を参照しながら、日米合同委員会の実態に迫り、日本の権力構造を徹底解明する。 *本記事は矢部 宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)から抜粋・再編集したものです。 研究の成果をひとことでまとめると ここまで見てきた、「戦後日本」という国のあまりにもおかしな現実。約7年間、多くの研究者のみ
なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか、張り紙が増えると事故も増える理由とは、飲み残しを放置する夫は経営が下手……。 12万部ベストセラーとなっている『世界は経営でできている』では、東京大学史上初の経営学博士が「人生がうまくいかない理由」を、日常・人生にころがる「経営の失敗」に見ていく。 ※本記事は岩尾俊兵『世界は経営でできている』から抜粋・編集したものです。 世界から経営が失われている 経営とは、企業や社長のものなのだろうか。 『世界は経営でできている』で気鋭の経営学者は、経営を「価値創造(=他者と自分を同時に幸せにすること)という究極の目的に向かい、中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し、究極の目的の実現を妨げる対立を解消して、豊かな共同体を創り上げること」だという。 そして、そのような経営はすっかりみられなくなった。 〈世界から経営が失われている。 本来の経営は失われ、その代
たとえば、金融機関で融資を受けるための労力を惜しんで、これまで信頼を蓄積してきた常連客からお金を借りようとする料理人の例。 この人は、わずかな時間を節約するために信頼という資産をお金に換えてしまったわけだ。こうした人は、たとえ一度かぎりで安易にお金を借りられたとしても、より大きな商売の機会を逃してしまう。その結果お金も時間も信頼もなくなっていく。 さらに、世界的にみると知識・情報の貧困がお金や時間のさらなる貧困をもたらすという悲劇がみられる。 たとえば発展途上国に住む人々の死因の上位に下痢がある。このとき、発展途上国の人々は往々にして下痢に対し抗生物質や注射を用いた治療を要求する。しかし、下痢から命を救うには本当は経口補水液があればよい。しかも経口補水液を作るのに必要な塩、砂糖、水、レモンは発展途上国であっても誰でも比較的簡単に手に入れられる。 だが、経口補水液の知識・情報を持っていないた
もっとも多忙な仏文学者、鹿島茂が選ぶ現代新書はこの3冊だ! 講談社現代新書創刊60周年記念インタビュー「私と現代新書」 今年、講談社現代新書は創刊60周年を迎えました。これを記念して、これまで現代新書をお書きいただいた著者の方々に、ご自身にとって特別な現代新書を挙げていただきながら、自著についてお話を伺うインタビューシリーズ「私と現代新書」が始まります。第1回目に登場していただくのは、仏文学者の鹿島茂さんです。 これまで執筆いただいた現代新書は、『デパートを発明した夫婦』(1991年)と『悪女入門 ファム・ファタル恋愛論』(2003年)。このうち『デパートを発明した夫婦』は、今年、書き下ろしの「パリのデパート小事典」を付して、装い新たに講談社学術文庫『デパートの誕生』として刊行されました。 鹿島さんは、作家、書評家、古書蒐集家、近年ではシェア型書店のプロデューサーとしての顔を持ち、さらに
スペインの名門フットボールチームビジャレアルは、2014年からその育成メソッドを大きく変えているという。そこに大きくかかわっているのが、同チームのサッカーコーチをつとめる佐伯夕利子さん。佐伯さんはスペインで初めて女性でサッカーコーチのライセンスを取得。日本人としても女性としても初めてスペインリーグ3部のプエルタ・ボニータの監督に就任した。 そんな佐伯さんの著書『本音で向き合う 自分を疑って進む』(竹書房)には、海外でどのようにプロサッカーコーチとなったのかという佐伯さんの人生や、ビジャレアルの育成メソッドを作るまでの指導方法はどのようにして導き出したのかというサッカー指導のポイントが満載だ。 佐伯さんのサッカー指導といえば、5歳児が魔法のようにサッカーのプレーをする動画が拡散されたことがある。監督の言いなりになるのではなく、自ら考えて行動するスキルを5歳でも身につけられるのかと大きな話題と
2003年に、日本のサッカーS級ライセンスに相当するNIVEL IIIを取得。同じ年にスペインリーグ3部のプエルタ・ボニータの監督に就任した佐伯夕利子さん。同国で女性としても日本人としても初めて監督に就任し、2007年には『ニューズウィーク日本版』で「世界が認めた日本人女性100人」にノミネートされた。 「プエルタ・ボニータ」は当時3部リーグだったとはいえ、日本で言えば女性がJ3のクラブを率いているようなもの。その後、ビジャレアルの女子チームの監督を務めるなど指導者としての経験を積み、2014年からビジャレアルが行ってきた指導方法の変革にも大きく関わっている。久保建英選手がビジャレアルに移籍し、初めてクラブハウスに訪れた際、佐伯さんに深々と挨拶していた写真を覚えている人もいるかもしれない。 佐伯さんはなぜ外国で、それも女性として前例がないなか、サッカーコーチになったのか。そしてその指導方法
パーティ券購入規制の提案を悉く拒否する自民党 筆者が解説者として毎週登壇している朝日放送のテレビ番組『正義のミカタ』にて過日(5月18日)、自民党の「裏金問題」が取り上げられた。 その中で、自民党がその解決策として政治資金規正法の「改正案」をとりまとめ、公明党との共同提案の形ではなく「独自案」として提出しようとしているが、その内容があまりにも“しょぼい”、という問題が話題となった。 政治資金規正法については、政治資金パーティそれ自体を禁止せよという案(立憲民主党)や、外国人のパーティ券購入の禁止(国民民主党)、企業・団体のパーティ券購入を禁止せよという案(維新・共産)が野党側から出されている。 しかし、そんな中で、自民党案はというと、 「政治資金パーティを許可する」 「企業、団体のみならず、外国人によるパーティ券購入も許容する」 というものとなっているのだ。 しかも、与党である公明党からは
関西以外では弱小政党 日本維新の会が揺れている。前回衆院選で躍進し、一時は各社世論調査で立憲民主党を超す支持率を記録。馬場伸幸代表(59)は「次期衆院選で野党第一党を目指す」と公言していた。だが、5月4日・5日実施のJNN世論調査では、立憲民主党の10.2%に対して、維新は4.6%と大きく差を拡げられている。 維新関係者が語る。 「退潮を印象付けたのが、4月の衆院補選でした。維新は2選挙区に候補者を擁立したが、どちらも敗退。有権者は、自民党派閥の裏金事件に厳しい目を向けているのに、なぜか馬場代表は応援演説で『立憲民主党を叩き潰す』『共産党は日本にはいらない』などと他野党の批判を繰り返し、政権批判票の受け皿になれませんでした」
登山人口は年々増加の一途をたどり、いまや登山は老若男女を問わず楽しめる国民的スポーツになっています。いっぽう、登山人口の増加に比例して山岳事故も増えており、安全な登山技術の普及が喫緊の課題となっています。 運動生理学の見地から、安全で楽しい登山を解説した『登山と身体の科学 運動生理学から見た合理的な登山術』(ブルーバックス)から、特におすすめのトピックをご紹介していきます。 今回は、トレッキング・ポールの使い方について解説します。 *本記事は、『登山と身体の科学 運動生理学から見た合理的な登山術』(ブルーバックス)を再構成・再編集したものです。 トレッキングポールの利用 前回の記事では、下りで疲労しない歩き方をご説明しましたが、その際にあげた図「同じ人がさまざまな下り方をしたときの着地衝撃力の違い」を見ると、トレッキングポールの使用も有効であることがわかります。着地点の近くにポールをしっか
社長と社員の給与格差、どれくらいならOKですか? 日本では、資産5億円以上の超富裕層は9万世帯。単身世帯の34・5%は資産ゼローー。 富裕者をより富ませ、貧困者をより貧しくさせる今日の資本主義。 第一人者が明かす、貧困大国・日本への処方箋。 本記事では、〈日本が「格差社会」であり続けている驚愕の理由…「格差是正」を支持する人は少数派だった?〉にひきつづき、日本における格差是正策などについてくわしくみていきます。 ※本記事は橘木俊詔『資本主義の宿命 経済学は格差とどう向き合ってきたか』から抜粋・編集したものです。 先進資本主義国の区分 先進資本主義国を、(1)経済(経済効率性)優先か平等性重視か、(2)福祉国家か非福祉国家か、(3)福祉の提供は普遍主義か、選別主義か、の三基準(家族主義か自立主義かを含めれば四基準)で分類してみた。表8-1がそれである。 なお経済優先か平等性重視かの区分は、
「価値は有限でしかありえない」のか? 〈日本には「価値は有限でしかありえない」という誤った観念が普及した。 (中略) 価値は有限だとする思い込みが流行するとともに、「価値を誰かから上手に奪い取る技術」を売り歩く人々が跋扈した。いかにして価値を掠め取ったかを自慢するだけの書物が街に溢れた。多くの人は経営の概念を誤解し経営を敵視するようになった。そうするうちに本来の経営の概念は狡知の概念と入れ替わってしまった。 もし価値が一定で有限ならば、誰かが価値あるものを得ているのは別の誰かから奪っている以外にありえない。善人に対しても「我々に気づかせないほど巧妙に、我々の価値を奪っているのでは」という疑念がよぎることになる。 こうした誤った推論により、日本の現状を誰かのせいにする言説が流行した。若者が悪い、高齢者が悪い、男性が悪い、女性が悪い、労働者が悪い、資本家が悪い、政治家が悪い、国民が悪い……。現
ドゥーイングからビーイングへ 無意識にすごしていると、基本的にはドゥーイング・モードになり、心によけいな考えが積み重なっていきます。ひとつのものごとが大きな不安や心配になっていくのです。それが悩みの源です。 瞑想でビーイング・モードになると、その流れが止まります。ネガティブな思考の流れが止まって、悩みを深めることがなくなるのです。不快な悩みも、もとは心のなかで一瞬わき起こった感覚のひとつにすぎず、さらに、悩みを大きくしていたのは自分の考えだったのだということがみえてきます。 つまり、マインドフルネス瞑想によって、悩み深いドゥーイング・モードから心の本来の姿であるビーイング・モードへと、切り替えることができるのです。 効果を求めてあせらずに練習をくり返せば、モードの切り替えは誰にでもできるようになります。そして、同じ体験をくり返すうちに、ひとつの考えにとらわれなくなり、瞑想をしていないときで
なぜ日本兵1万人が消えたままなのか、硫黄島で何が起きていたのか。 民間人の上陸が原則禁止された硫黄島に4度上陸し、日米の機密文書も徹底調査したノンフィクション『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』が9刷決定と話題だ。 ふだん本を読まない人にも届き、「イッキ読みした」「熱意に胸打たれた」「泣いた」という読者の声も多く寄せられている。 遺骨行方不明の要因6「生還者証言の限界」 海外各地の遺骨収集は、生還者(元帰還兵)の証言が頼りだった。政府派遣の収集団には生還者が多数参加し、激戦が行われた場所や戦友を埋葬した場所を証言し、それに基づいて発掘作業が行われた。 しかし、こと硫黄島においては、生還者の証言が必ずしも成果に結びつかない特殊事情があった。 一つは地形の大幅な変化だ。太平洋戦争でも最大級とも言われる砲爆撃で地形が変わり、さらに戦後の米軍の整備で山は削られ、谷は埋められた。地下壕の入り口は徹底的に
マンション購入の「意外な盲点」 マンション価格の高騰が治まらない昨今。購入希望者は頭を悩ませていることと思いますが、じつはマンション購入で重要なのは価格だけではありません。 長く住み続ける家として考えた場合に“意外な大誤算”となり得るのが、じつは管理費や積立金の「予測できない高騰」です。今回はこれについて著したいと思います。 労働者の確保や物価上昇への対策として、政府は2023年から北海道、東京都、大阪府、愛知県、福岡県などの主要都市の最低賃金を順次引き上げし、これにより全国の平均時給が過去最大の1002円のベースアップとなりました。 物価に応じた賃金のベースアップは当然の措置ではありますが、一方でこの賃金引き上げに不満を漏らすのが、中小・零細企業の経営者や個人経営の飲食店店主などでした。人件費にこれまで以上のお金がかかり、また募集したとしても、そもそも“人気のない職種”には人が集まらない
ゲラン ジャパン アンバサダー 桐谷美玲さんと参加した大阪でのBee School Photo by Ian Gavan courtesy of Guerlain 画像ギャラリーを見る → 銀座や梅田で養蜂、女性養蜂家の育成 アンジェリーナさんがゲランのビー アンバサダーとしてサポートしているのは、ゲランの「ミツバチ保護プログラム」の中でも「Women for Bees(ウーマン・フォー・ビー)」と「Bee School(ビースクール)」のプロジェクトだ。前者「ウーマン・フォー・ビー」は女性養蜂家を育てるもので、2020年にゲランとユネスコによって設立された。フランスで始まり、その後カンボジア、日本、メキシコ、ルワンダなど世界中へと広がっている。2023年末までに約105名の女性がトレーニングを修了。日本でもすでに18名の女性が卒業し、2024年には12名の女性が学んでいる。
現代の「日本の構造」、どれくらい知っていますか? 日本の共働き世帯数、日本人の労働時間、日本の労働生産性、事業所の開業率…… 『日本の構造 50の統計データで読む国のかたち』では、橘木俊詔氏が少子化、格差、老後など、この不安な時代に必要なすべての議論の土台となるトピックを平易に解説します。50の項目で、日本の「いま」を総点検! ※本記事は、橘木俊詔『日本の構造 50の統計データで読む国のかたち』から抜粋・編集したものです。 貧困とは文字通り、所得が低いので日常の経済生活に困るほどの状態にいることをさす。貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2種類の定義がある。 「絶対的貧困者」とは、人が生きていくうえで、食費、衣服費、住居費、光熱費などのように最低限の生活をするのに必要な金額を設定して、それ以下の所得しかない人を貧困とするものである。 国によっては、この額を正確に定めて「貧困線」と定義し
日本が「普通の国」と言えない理由…日本の国土は、「すべて米軍の治外法権下」にあるという「信じがたい現実」 日本には、国民はもちろん、首相や官僚でさえもよくわかっていない「ウラの掟」が存在し、社会全体の構造を歪めている。 そうした「ウラの掟」のほとんどは、アメリカ政府そのものと日本とのあいだではなく、じつは米軍と日本のエリート官僚とのあいだで直接結ばれた、占領期以来の軍事上の密約を起源としている。 『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』では、最高裁・検察・外務省の「裏マニュアル」を参照しながら、日米合同委員会の実態に迫り、日本の権力構造を徹底解明する。 *本記事は矢部 宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)から抜粋・再編集したものです。 日本の国土は、すべて米軍の治外法権下にある しかし、不思議ですよね。 独立国の首都圏上空が他国の軍隊に支配されているのです
年収は300万円以下、本当に稼ぐべきは月10万円、50代で仕事の意義を見失う、60代管理職はごく少数、70歳男性の就業率は45%――。 10万部突破のベストセラー『ほんとうの定年後』では、多数の統計データや事例から知られざる「定年後の実態」を明らかにしている。 定年前後の貯蓄額はいくら? 〈純貯蓄額は年齢を重ねるごとに増える。 年齢階層別の純貯蓄額の推移をみると、30代で665万円の負債超過であったものが、40代で負債超過の額は48万円と貯蓄と負債がほぼ均衡、その後は50代で1052万円、60代に2080万円まで純貯蓄が増える。 家計調査においては、住宅資産を貯蓄として計上していないが、当然、住宅資産も売却すれば一定の価値を生むことになる。このデータには計上されていないが、これとは別に長期にわたる住宅ローンの支払いも家計の資産構築に寄与していることになる。〉(『ほんとうの定年後』より) デ
「カワイすぎる女芸人」と評されるルックスとは裏腹の、下ネタや毒舌がおなじみの芸風で人気の芸人・紺野ぶるま。 数々のお笑い賞レースでも実力が認められてきた彼女だが、幼少期からの闘病や高校中退など波乱な10代を送り、実は大の“自己啓発本好き”であることでも知られている。 結婚・出産を経験し、公私とも順風満帆に見える現在も自己啓発本は手放せない存在だという。紺野さん自身と自己啓発本の関わり方や自己啓発本の魅力、そして世の中にはびこる「自己啓発本嫌い」について語ってもらった。 何読んでいるのか聞かれるのが一番シンドイ問題 ――前編記事では自己啓発本との関わり方や読む際のスタンスなどをお聞きしましたが、自己啓発本好きであることを、周りの芸人仲間にいじられることも多いのでは? 紺野:まず引かれますし、いじっていいのかわからない段階だと、けっこう気を使われますね。「病んでいるの?」って私めちゃくちゃ言わ
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