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2023年はヒップホップ誕生から50周年という記念すべき年だ。その歴史の節目に「日本におけるヒップホップ」に焦点をあてて、その歴史を振り返りたい。 黎明期に日本でどう受容されていたか、日本人の手でどうヒップホップを具体化しようと試みられていたのか。そこで生きたのはどんな人々だったのか。 もちろん一人の視点だけでそれら全てを語ることは難しいだろう。この記事では当時、実際にクラブに出入りし、レコードを聴き、1人の「ヘッズ」だった人物の目を通じた体験を振り返りたい。今回は1980年代からヒップホップを愛聴してきたDJ、ライターの荏開津広さんに話をうかがった。 ー荏開津さんが日本語でのラップを意識されたのはどの時点でしたか? 荏開津:私は映画『ワイルドスタイル』(1983年)に衝撃を受けた世代です。リアルタイム時に映画館で観たわけではなかったですが、それでヒップホップの魅力にのめり込みました。日本
Gacha Pop Now:Creepy Nuts、Ayumu Imazu、Serani Pojiから分析する、日本発ヒットの最新動向 Spotifyが昨年5月にローンチしたグローバルプレイリスト「Gacha Pop」から見えてくる日本の音楽と世界との関係をSpotify Japanの芦澤紀子と語り合う定期連載『Gacha Pop Now』。今回は1月にリリースされた楽曲を中心に、昨年末以降の話題を振り返る。 今年最初の大ヒットとなったCreepy Nuts“Bling-Bang-Bang-Born”や、Ayumu Imazu“Obsessed”がダンスチャレンジの影響力の強さを改めて証明した一方で、過去作がリバイバルしたSerani Pojiや、新作が人気のロクデナシからは、「渋谷系」や「ボカロ」といった日本発のムーブメントのさらなる広がりが感じられた。TikTokに対する議論の熱が高ま
毎月一組のアーティストをフィーチャーし、そのアーティストの音楽史をディープに掘り下げ、楽曲とともにお送りする聴くドキュメンタリー『Artist CHRONICLE』。2月はシンガーソングライター・KANの特集が4回シリーズで公開され、縁のあるミュージシャンからの証言とともに、改めてKANの魅力に迫っている。 KANといえばMr.Childrenの桜井和寿やaiko、スキマスイッチ、秦基博といった数多くのアーティスト仲間からも愛されたことで知られ、その背景には彼独自の音楽に対する哲学やこだわりがあった。『Artist CHRONICLE』に寄せられた、スターダスト☆レビューの根本要や槇原敬之らのコメントを紹介しつつ、彼の影響力の大きさを再考する。
2023年はRADWIMPSがひとつの目標として掲げていた念願のワールドツアーを実現させた年となった。2014年に初めて海外でのライブを行なって以降、アジアを中心にコンスタントにツアーを行ない、満を持してワールドツアーを計画したのが2020年。しかし、予想だにしなかったパンデミックによって、その計画はすべて中止となってしまう。 それでもバンドは歩みを止めず、国内でツアーを行ないながらワールドツアーを再度計画し、2023年それがついに現実に。北米・ヨーロッパ・アジア・オーストラリアを一年かけて回り、2000~5000キャパの会場が軒並みソールドアウト。どこの国や地域でも当初の想定以上のオーディエンスが集まり、各地での熱狂ぶりに、野田洋次郎は「ずっと夢のなかにいるような感覚でした」と話してくれた。 このワールドツアーの成功は、バンドが20年以上をかけて築き上げてきた地力を証明するものであると同
日本のヒップホップ史を振り返る際に、非常に重要になってくる1990年代から2000年代初頭。日本では『さんぴんCAMP』などを軸に語られがちなこの年代。一方でアメリカでは、西海岸のDr.DreによるGファンクサウンドが勢いを増していた。1990年代後半〜2000年代前半、日本でもその影響を受けなかったとは考えにくいが、あまり多くが語られてこなかった印象を受ける。 そこで今回、1990年代から2000年代前半を中心に、どう日本で西海岸のサウンドが受容され、発展していったのかを考えたい。ライター・アボかど氏のテキストとともに、「Jウェッサイ」の歴史をクルーズしよう。 現在、日本でヒップホップが過去最高の盛り上がりを見せている。そう感じているリスナーは多いのではないだろうか。充実した作品が毎週のように届き、『POP YOURS』や『HOPE』などヒップホップ色の強い大型フェスも増加。ジャンルを問
2023年7月から12月にかけて放送されたテレビアニメ『呪術廻戦』 第2期の劇伴を集めた『「呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変」オリジナル・サウンドトラック』がリリースされた。音楽を担当したのは照井順政で、これまでハイスイノナサやsiraphでのバンド活動、sora tob sakanaのプロデュースなどで音楽家としてのキャリアを重ねてきたが、劇伴を担当するのは『呪術廻戦』 第1期が初めて。自らを「異分子」と捉え、ミニマルミュージック、フリージャズ、アンビエントなどの要素を持ち込んで、カッティングエッジなアニメの世界観をより魅力的なものに仕上げてみせた。 近年はagraphやfox capture planといったアーティストが劇伴でも活躍しているが、それは作品の魅力をより高めるために、強い「個」を持った音楽家が求められていることの証明だと言っていいだろう。数々の『呪術廻戦』のテーマ曲が国内外
2012年に拠点を東京から群馬に移し、2019年にプライベートスタジオを設立したmabanua。ソロやOvallとしての活動の一方で、一時期はサポートミュージシャンとしても多岐にわたる活動をしていたが、コロナ禍を経て、近年はプロデュースワークにウェイトを置き、多数のアーティストの作品に関わっている。 米津玄師や星野源といったビッグネームをはじめ、“NIGHT DANCER”が世界でバズを起こしたimase、「RADAR:Early Noise」に選出されているchilldspot、RADWIMPSの楽曲への参加が話題となった十明など、若い世代の作品も数多く手がけるmabanuaは、現在では日本のトッププロデューサーの一人だと言っても決して過言ではない。 そこで今回は2023年のプロデュースワークを振り返ってもらうとともに、現代の音楽シーンについても語ってもらった。彼の言葉から見えてきたのは
―2023年はimaseさんにとってどんな1年になりましたか? imase:かなり変化があった年だったなと思っています。今年は活動の幅が広がった年で、ライブを始めたり、仕事で海外に行くようになったり、去年よりテレビにも出るようになったり。初めてのことにかなりチャレンジした年でした。自分でもこんなふうになるとは予想していなかったし、この先もどうなっていくのか本当にわからないなと思えるような1年でしたね。 imase(いませ) 岐阜出身の23歳の新世代男性アーティスト。音楽活動開始わずか1年でTikTokで楽曲をバイラルさせ2021年12月にメジャーデビュー。「NIGHT DANCER」は韓国配信サイト“Melon”でJ-POP初のTOP20入りを果たし、SpotiifyバイラルチャートTOP50に31カ国ランクインするなど世界各国でもバイラル中。2023年3月30日に開催した初の有観客ライブ
1976年から2019年までの「その年」の音楽シーンを象徴する名曲を収録した、Spotifyによるプレイリストシリーズ『スローバックTHURSDAY』。全100曲で構成される各プレイリストには、当時の世相や流行とともに解説した音声コンテンツも収録されており、音楽とともにそれぞれの年を追体験できる内容となっている。 そんな『スローバックTHURSDAY』と連動した連載コラム。最終回は、いまから20年前の「2003年」を音楽ライターの金子厚武が振り返る。AppleのCM曲から次々とヒットが生まれるなど、加速するブロードバンドによって音楽の聴き方 / 届け方が大きく変わるなか、金子はどんな音楽に夢中になっていたのか。書き手の個人的なリスニング体験から「時代の空気」を浮かび上がらせていく。 2003年のオリコンCDシングルランキングの1位はSMAPの“世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)”
『フジロック』のメインステージ出演、中国でのワンマンライブ、テレビアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」エンディングテーマ“more than words”のリリースなどを経て、バンドの知名度が大きく上昇した2023年は、羊文学にとって特別な一年になったと言っていいだろう。 地上波の音楽番組にも出演するし、コアな音楽ファンの集まるライブイベントにも出演するという、メンバーがかねてより語っていた「オルタナティブとJ-POPの両立」を体現するかのような現在のあり方は、日本の音楽シーンにおいて非常に希少。12月6日にリリースされるニューアルバム『12 hugs (like butterflies)』はそんな充実の一年を締め括る作品であると同時に、3人のこれまでの歩みを一度総括するような、バンドにとって非常に重要な作品だ。 そこで今回のインタビューではこれまでの足跡を振り返ってもらい、そのうえで“more
Vaundy、破格の快進撃を続けた3年半。5億再生越えの“怪獣の花唄”など『replica』収録曲でたどる Vaundyの2ndアルバム『replica』の収録曲はなんと全35曲。CDでは2枚組で、15曲入りのDisc 1と、これまで配信で発表してきた20曲を収録したDisc 2とに分かれている。前作『strobo』からの3年半というインターバルは新人としては異例であり、35曲というボリュームも規格外。そこには、ストリーミング時代への移行とともに颯爽と現れ、さまざまな価値観を更新し続けるVaundyという特異なクリエイターのあり方がそのまま表れていると言えるだろう。 コロナ禍を経てライブシーンが再び活気を取り戻し、「アニソン」というカルチャーの重要度がさらに増し、グローバルな展開を見据えるアーティストが増えてきた現在(※)。前作から3年半で起きた音楽シーンの変遷ともリンクし、時代を体現して
今年ソロデビュー20周年を迎え、9月にソロベストアルバム『20』をリリースしたばかりの吉井和哉。2016年に再集結したTHE YELLOW MONKEYがいまもなおグラマラスかつエネルギーに溢れているのは、吉井がソロ活動を充実させてきたことと大いに関連している。長年バンドと吉井を追ってきたライター真貝友香が、象徴的な楽曲紹介とともに、ソロのキャリアについて振り返る。 吉井和哉がYOSHII LOVINSON名義でソロ第1弾シングル“TALI”をリリースしたのは2003年10月1日。THE YELLOW MONKEYが活動休止中のことだった。 <寝そべったり からかったり 嘘言ったり またがったり>と踏み続ける韻は、吉井元来の遊び心が活かされているが、内省的な歌詞と物悲しいメロディー、映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(2001年、監督はジョン・キャメロン・ミッチェル)のなかで流れ
─まずは、『TWO MOON』というタイトルの由来から教えてもらえますか? TOMOO:このアルバムに収録されている13曲は、生まれたタイミングや、そこに宿る感情やテンションなどがバラバラなんです。何かテーマを決めて、コンセプチャルにアルバム制作をしていたわけではなく、集まった13曲を前に「どんなタイトルにしよう?」と考えたので、何かしら共通項を探す必要があったんですね。 TOMOO(ともお) 6歳よりピアノを始め、のちに聴いたことがない楽曲の歌詞に自分で即興のメロディーをつけて歌って遊んでいたことをきっかけに作曲に興味を持つようになる。中学に入りオリジナル曲の制作を開始。その後、本格的に音楽活動をスタートさせる。PONYCANYON / IRORI Recordsより、2022年8月3日にメジャー1stデジタルシングル“オセロ”をリリース。Spotify が2023年に躍進を期待する次世
Gacha Pop Now:『呪術廻戦』効果で崎山蒼志のリスナー数は25倍以上に。日本発ヒットの最新動向は? Spotifyが5月にローンチしたグローバルプレイリスト「Gacha Pop」から見えてくる日本の音楽と世界との関係をSpotify Japanの芦澤紀子と語り合う定期連載『Gacha Pop Now』。今回は7月から9月にかけてリリースされた楽曲や話題になった楽曲を中心に振り返る。 藤井風がアジアツアーを行ない、YOASOBIや新しい学校のリーダーズが国内外のフェスを盛り上げた一方で、キタニタツヤ、崎山蒼志、King Gnu、羊文学と、『呪術廻戦』関連曲が軒並みバイラルヒットを記録し、アニメタイアップの強さをあらためて実証。さらには、日本の国内アーティストとして初めてUKのトップチャート入りを果たしたXGに、2015年発表の“少女A”がリバイバルヒットを記録したボカロP・椎名もた
落日飛車Sunset Rollercoasterはなぜ『コーチェラ』のステージに立てた?台湾の音楽業界と言語の問題を語る アジアの音楽シーン全体の盛り上がりが連日伝えられるなか、4月にアメリカ・カリフォルニア州で開催された『Coachella Valley Music and Arts Festival(以下、コーチェラ)』に出演を果たした落日飛車Sunset Rollercoasterは非常に象徴的な存在だ。 今年は韓国のBLACKPINKがヘッドライナーを務め、過去に日本からは宇多田ヒカルやPerfumeなどが出演しているが、台湾発のインディバンドである落日飛車が大規模な欧米ツアーを経て、『コーチェラ』のステージに立ったことは文字どおり快挙だと言っていいだろう。 落日飛車は2010年代後半から頻繁に来日し、日本のミュージシャンとも浅からぬ親交を深めてきたバンドであり、彼らの音楽性が「シ
遡ること十数年前、アメリカで誕生したPodcast。特別な機材がなくとも配信できる手軽さや、場所・時間を問わず聴ける自由度の高さから、特にコロナ禍以降は数多くの番組が登場するとともに、リスナー数も急増。誰しもが「声のメディア」を楽しめる時代になったと言えるだろう。 その一方で、自らが「配信者」になろうと思うと「どんなテーマで話せばいいのか」「機材は何を買うべきか」と、ハードルの高さを感じてしまう人もいるのではないだろうか。また、実際に配信したあとも、リスナー獲得方法に頭を悩ませる人も多いという。 そこで今回は、歯に衣着せない赤裸々トークで人気を博し、Podcastの枠を超えて活躍する2番組『ゲイと女の5点ラジオ(以下、5点ラジオ)』『結婚したい乙女たちのアダルトーク(以下、アダルトーク)』を招き、配信者座談会を開催。パーソナリティを務めるヴァジャ&しょうちゃん、お琴&ルナが実践する認知拡大
ヒップホップの誕生から50年というセレブレーションイヤーとなった2023年。人気プレイリスト「RapCaviar」がSpotifyで最も再生されたヒップホップアルバム50枚を発表した。 今回は、その発表を受けてヒップホップをこよなく愛する2人が対談。音楽ライターの渡辺志保と、YouTubeチャンネルを運営するShama Stationに、ストリーミング時代のヒップホップについて語ってもらった。
幼い頃から本を頼りにしてきたという小泉今日子が、「本」をテーマにゲストと語らうSpotifyオリジナルポッドキャスト『ホントのコイズミさん』(※)。その書籍化シリーズ第2弾『ホントのコイズミさん WANDERING』が刊行された。 「WANDERING=あてもなく放浪する、さまよう」をテーマに、小説家の吉本ばなな、写真家の佐藤健寿ら計4組のゲストとの対話を収録した本書。あとがきには、「WANDERING、流離、さすらい、あてもなく彷徨う。あてもなく彷徨う、そういう散歩が好きです。そういう旅が好きです。人生もそうであったほうが私らしいかなと思います」(原文ママ)という本人の言葉が綴られている。 まさにその考えは、アイドルから始まり、次第に歌手や俳優として枠組みにとらわれない活動を広げ、さらには自ら演劇のプロデュースやポッドキャスターにも挑戦してきた自身のキャリアともつながる。実際の「旅」はも
8月に行われた国内最大級の都市型フェス『SUMMER SONIC 2023』(以下、サマソニ)。今年は『サマソニ』史上最速で東京、大阪会場ともに全券種が完売し、例年以上に注目度が高かった。ヘッドライナーにはBLUR、ケンドリック・ラマーなど大御所が名を連ねるなか、大きな注目を集めたのが初出演のNewJeansだ。 昨年デビューしたばかりの韓国発の5人組。2nd EP『Get Up』は収録曲すべてがSpotifyの米国デイリートップソングにチャートイン。初出演ながら東京会場のメインステージであるMARINE STAGE(キャパシティー約3万5000人)は入場規制となった。 彼女たちを含め、ステージを熱く盛り上げた計8組のアーティストが『サマソニ』東京会場内『Spotify Premium STUDIO』での公開収録に参加し、インタビューの様子が「New Music Wednesday」にアッ
今年デビュー45周年を迎えたサザンオールスターズ。7月にリリースされた、エキゾティックな昭和歌謡“盆ギリ恋歌”からスタートした3か月連続の新曲配信リリースに加え、10年ぶりに故郷である神奈川県・茅ヶ崎でのライブイベント『茅ヶ崎ライブ2023』の開催も控えている。 そんな節目を祝し、桑田佳祐をアマチュア時代から知る音楽評論家、萩原健太と高橋健太郎の対談を実施。当時のエピソードはもちろん、その類稀なる音楽的才能について語り尽くしてもらった。萩原と高橋が、サザンオールスターズについて初めて語り合う貴重な対談となった。
アーティストの音楽史をディープに振り返る、Spotifyの「聴く」ドキュメンタリー『ArtistCHRONICLE』。その第三弾に藤井フミヤが出演し、幼少時代のエピソードからチェッカーズ時代、そしてソロ活動まで本人の肉声で振り返っている。 今年9月にデビュー40周年を迎えるチェッカーズは、1980年代のアイドル全盛のなかオリジナリティー溢れる音楽性とファッション性で圧倒的な人気を博した。これまであまり本人の口から語られることのなかった当時のエピソードはもちろん、10代のフミヤを夢中にした50sカルチャーの魅力についても聞いた。 ─Spotifyの『ArtistCHRONICLE』によれば、フミヤさんが最初にご自身で購入したレコードはキャロルの『燃え尽きる=ラスト・ライヴ』(1975年)だったそうですね。 藤井:はい。それまではテレビで流れている歌謡曲を主に聴いていたのですが、「聴く側」から
テレビアニメ『呪術廻戦』の待望の第二期が7月6日からスタートした。その制作を担うアニメスタジオMAPPAは、ここ数年、「MAPPA SHOWCASE」や「MAPPA STAGE」といったイベントの開催、ライツ事業の強化、配給事業などアニメ制作にとどまらない活動を展開している。その活動には、アニメ業界の構造的な問題を解決する糸口や、作品を世界に届けるヒントがあるように思う。今回は、そんなMAPPAの近年の活動と今後について、代表取締役・大塚学氏と取締役 / 企画部部長・木村誠氏にお話をうかがった。 ―「MAPPA SHOWCASE」や「MAPPA STAGE」を開催するなど、アニメ制作にとどまらない展開をされています。アニメ制作会社が自らこうしたことを手がける狙いはどういったところにありますか。 大塚:一番大きな理由は、アニメを制作するだけではビジネスとして成り立たないからです。アニメ制作だ
きゃりーぱみゅぱみゅが初のワールドツアーを開催したのはいまからちょうど10年前、2013年のことだった。所属事務所である「アソビシステム」とともに原宿文化を体現し、「KAWAII」という価値観を打ち出したきゃりーぱみゅぱみゅは世界のセレブも巻き込んでブームを起こし、日本のポップカルチャーを代表する存在へと成長していった。 あれから10年が経過し、きゃりーぱみゅぱみゅが5年ぶりとなる5回目のワールドツアーを開催した一方で、アジアのアーティストを世界へと発信するプラットフォームである「88rising」と契約をした新しい学校のリーダーズは、ニューヨークで開催された「88rising」の主催フェス『Head In The Clouds』に出演。「個性と自由ではみ出していく」という彼女たちのキャッチフレーズは、きゃりーぱみゅぱみゅから受け継がれるアソビシステムイズムを強く感じさせるものだ。 パンデ
春ねむりというアーティストはこれまで国内以上に海外での評価が先行しているイメージがあったが、昨年発表の2ndアルバム『春火燎原』によって、やっとそのギャップが埋まってきたように思う。 ポエトリーラップを軸にしつつ、J-POPやJ-ROCK、ハードコアパンク、エモトラップ、ハイパーポップなどを織り交ぜた音楽性と、彼女自身が抱える死生観や怒り、ジェンダーから環境破壊に至る社会への問題提起が凝縮された歌詞のインパクトは大きく、「誰もが見過ごせない存在」になったと言えるだろう。 今年1月にはSpotifyによる「RADAR:Early Noise 2023」にも選出されるなど、注目度はさらに高まりつつあり、現在は7月1日にLIQUIDROOMで開催されるワールドツアーのファイナルに向けて、各国を断続的に飛び回っている。そこでKompassでは昨年以降3度目となる北米ツアーを終えた春ねむりに取材を行
2023年6月13日、BTSはデビュー10周年を迎えた。彼らがデビューした当時、どれだけの人が、この未来を予想できただろうか。中小規模の音楽事務所から放たれた東アジア出身の若い男性グループが、アジア圏のみならず世界で認められる日が来るなんて。しかも、BTSはひとつのブームを生み出した単なるときの人ではない。圧倒的なパフォーマンス、メンバーの思想や考えを注ぎこんだ楽曲、メッセージを表現すべく設けられるコンセプト、ARMY(BTSファンの呼称)との連携により、時代に新しい風を巻き起こした立役者である。 本稿では、BTSの功績や革新性をあらためて振り返るとともに、彼らの活動に共鳴するような、近年の日本のボーイズグループに見られる潮流についても触れていきたい。 BTSがアーティスト側にもたらしたもっとも大きな影響は、「アイドルと呼ばれる職だからといって、つねに偶像でいなくていい」と、発信するコンテ
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