清き1票を投じたのは2人だけ――。4月28日投開票された衆院長崎3区の補欠選挙を巡り、海外で暮らす日本人の投票率が約1%だったことが明らかになった。総務省や各地の選挙管理委員会への取材を進めると、在外投票を巡る「時代遅れの1日ルール」が低投票率の誘因になっている可能性が見えてきた。 東京15区は約20㌽減 在外投票するには、渡航前の居住自治体や在外公館で在外選挙人名簿への登録が必要になる。①公館での投票②郵便投票③一時帰国による投票――の三つの方法があり、大半の在留邦人が公館投票を選んでいる。 全体の投票率が35・45%を記録し、過去最低を更新した長崎3区。県選管によると、この選挙区で登録していた在外有権者163人のうち、実際に1票を投じたのはわずか2人だった。投票率は1・23%で、2人とも公館で投票したという。8・70%だった2021年衆院総選挙と比べると、7ポイント超の下落になった。