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中東情勢
mercbeinp.hatenablog.com
この記事は、大塚淳『統計学を哲学する』(2020年、名古屋大学出版会)についての記事である。特に、哲学の観点から、本書における認識論への言及について論じる。 先に自己紹介をしておこう。私は数年前に大学院の修士課程を修了し、それ以降は特に哲学とは関係のない仕事をしている。大学では、学部・院を通して分析的認識論を勉強・研究していた。伝統的・非形式的な認識論のほうが詳しいと思っているが、形式認識論(特に確率を用いるベイズ認識論)についても関心を持っていて、博士課程に進んでいたらベイズ認識論を中心にした研究を行おうとも思っていた。数年前の記事になるが、私がどのようなトピックを学んでいたかは、現代の分析的認識論を紹介したこのブログ記事を読むとより把握できると思う。 踏まえて、以下の文章は主に哲学の視点からみたものになり、記述の大半は哲学的認識論に割かれている。帰納推論や因果推論などのトピックについて
(公開後、2018/3/25に日本語文献を中心に何か所か加筆しました。) この記事は、学部後半から修士2年の現在に至るまで分析哲学における認識論を勉強/研究してきた私の視点と関心から、私が読んできた文献を紹介してみることによって、現代の認識論を紹介してみようというものです。私はこの四月で大学および研究から離れるので、これから認識論を勉強しようという方の参考になれば良いなと思っています。 私が読んできたものを軸に紹介しているため、認識論の紹介としての偏りは当然あります。また、感想を述べている箇所が多いです。文献情報が不正確な箇所が多いかもしれません。挙げている文献のうち「(未読)」と書いてあるものは未読ですが、それ以外は少なくとも流し読みくらいはしました。 記事が長くなったので、全体の内容を概観しておきます。1.1.では入門書・教科書についてコメントしています。1.2.では入門から少し進んだ
(注:2016/06/03ごろに多少手を加えました。) twitterで以下のようなアンケートをやってみたこともあって、これが引き起こすいわゆる「宝くじのパラドクス[lottery paradox]」という問題について簡単に解説しようと思います。急いで書いたので間違っている箇所があるかもしれません。そのような場合は指摘してくださるとうれしいです。 1万分の1の確率で当たるくじが1枚だけ手元にあるとき、あなたは「この宝くじは外れる」と知っているといえる?(当選番号は既に発表されているが、あなたはまだ確認していないという状況だとしよう) — ラス子 (@mercbeinp) 2015, 11月 7 twitter.com 宝くじのパラドクス[lottery paradox]は、命題の合理的受け入れ[rational acceptance]や知識(あるいは正当化)概念が、確率と複雑な関係を持って
2014-05-28 藤川直也『名前に何の意味があるのか』 読みました。書評というよりはゆるふわな感想という感じで少し文章を書いてみようと思います。間違ってるところがあったらすみません。 Amazon.co.jp: 名前に何の意味があるのか: 固有名の哲学: 藤川 直也: 本 英語圏の言語哲学における、固有名の問題を扱った本。244頁で5000円弱というのはちょっと高い気がするが、文句を言っても仕方ない。簡単に内容を紹介しよう。前半では固有名の指示の理論が扱われている。まず、記述説と、それに対立する歴史・社会的説明(因果説)を紹介し、両者の問題点を指摘する(第一章)。続いて、エヴァンズの主張に沿った形で筆者が擁護する理論が説明される(第二章)。第三章から第四章にかけて、固有名が指示を行うことは固有名の言語的規約であると論じられ、「固有名の意味論的内容は指示対象に尽きる」というミル説が取り上
2014-04-04 読んだ Pascal Engel(1997), La dispute: une introduction à la philosophie analytique を読んだ http://www.amazon.fr/La-dispute-introduction-philosophie-analytique/dp/2707316105/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1396572211&sr=8-2&keywords=Pascal+Engel フランス語で書かれた分析哲学の入門書。せっかくフランス語で読んだし、この本を読んだ日本人なんてほとんどいないのではないか、という気もしたので紹介してみよう。とはいっても、特にメモを取らずにゆっくり読んでたので、内容をあまり正確には覚えていない…。 著者について。 『哲学の歴史』第12巻には、フランスの分析哲学・数
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