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掃除・片付け
news.yahoo.co.jp/byline/otsukareiko
現状の日本のPTAを離れ、「学校と保護者の関係」をゼロから考えようと、取材を続けてきました。 オランダ在住の教育学者・リヒテルズ直子さんへの取材を提案してくれたのは、『教職研修』編集長の岡本さんでした。日本では保護者がPTAを通して学校(ときには地域や行政も)のお手伝いを求められ、よく「平日日中」に呼び出される状況に腹を立てる筆者に「別の視点を」と思ったのでしょうか。「オランダの教育では保護者が学校に『参加』するのは当たり前。背景を聞いてみては」というのです。「参加」の中身が日本のそれとは異なるのでは? と思いましたが、なかには「備品整理」など、日本の学校の「お手伝い」的なものもあるようです。 迷いました。恐らく、今の日本とは全く違う土台に立つ「保護者の学校への参加(お手伝い)」はアリなのでしょう。ただ、それを日本でそのまま紹介すれば、「やっぱり保護者のお手伝いは正義!」ということになって
筆者が8年前、PTAの取材を始めるにあたって読んだ資料の一冊が、岸裕司さんの『学校を基地にお父さんのまちづくり』(太郎次郎社)でした。出版社が同じだったので、編集担当者が資料として差し入れてくれたのです(ちなみに最初に読んだのは作家・川端裕人さんの『PTA再活用論』でした)。 「これは楽しそうだなぁ」というのが、当時もいまも変わらない、この本の感想です。岸さんは1980年代後半から、千葉県習志野市立秋津小学校PTAにかかわり始めます(子どもたちに大人気だった用務員さんの失職がきっかけだったそうです)。規約改正などPTA改革を進めつつ、次第に地域住民も巻き込んで活動を広げていき、秋津小は「元祖コミュニティ・スクール」のひとつといわれるようになったのでした。 コミュニティ・スクールについては先日、三鷹市在住のCSマイスター(コミュニティ・スクール推進員)、四柳千夏子さんにもお話を聞かせてもらい
コミュニティ・スクール(以下、CS)って何? ちょっと聞いたことはあるけれど、どんなモノかはよくわからない、という人がほとんどでしょう。 CSというのは、学校と保護者だけでなく地域の人もいっしょに、学校運営に取り組む仕組みです。しかも、学校に言われたことをただやるのではなく、保護者や地域住民の声を学校運営に反映する、というのがスゴイところ。協議は、各学校ごと(または複数校ごと)に設置された「学校運営協議会」というところで行います。 主な役割は「校長がつくる学校運営の基本方針を承認する」「学校運営について、教育委員会や校長に意見を言える」「教職員の任用について意見を言える」の3つ。 文部科学省は、十年以上前からこの仕組みを全国に広めようとしていますが、現在CSの導入率は約27%(2020年7月時点/実施状況調査リンク)。学校のお手伝いをする「地域学校協働活動」の実施率が約6割なのに比べると、
過去長い間、多くのPTAは保護者と教職員を自動入会させ、本人の意思確認をせずに会費徴収を行い、活動を強いてきました。でも最近は、本人の意思を尊重する運営方法に改めるPTAが増えつつあります。 たとえば千葉県の松戸市立栗ケ沢小学校PTAは、ポイント制(*)を廃止して手挙げ方式に変更し、入退会自由を前提に仕組みを整備。さらに周年行事を見直す、近隣の町内会との関係を再構築するなど、さまざまな取り組みを進めてきました。前回に続き、栗小PTA会長の竹内幸枝さんに、お話を聞かせてもらいます。(取材は2020年12月) *ポイント制……PTAの役員や委員、係をやるとポイントがたまる仕組み。「卒業までに何ポイントためなければならない」ということがルール化されている(前回の話) 泣く人が出る役員決め、幸せにならない「ポイント制」に疑問 執行部で取り組んだPTA改革 *休止した活動も、やりたい人が現れれば復活
今年度前半、保護者によるコロナ感染拡大を防ぐため、活動をストップしたPTAは多かったでしょう。これを機に、いままでの活動について見直しを始めた、という話もちらほら聞こえてきます。 休校期間中にボランティア制(手挙げ方式)を加速させ、集団登校などこれまでのやり方について、見直しを進めている――。こう話すのは、横浜市立日枝小学校校長・住田昌治先生です。 新しい学校の在り方を実践してきたことでも知られる住田先生は、PTAについても保護者とともに見直しを進め、前任校(永田台小)ではPTA改革をバックアップしてきました。 コロナ禍の今年度、住田先生の小学校で、どんなことが起きているのか、聞かせてもらいました(インタビューは2020年8月、ZOOMにて行いました)。 参考)住田先生のお話<1>「PTAを変えたい」と言い出す保護者が現れるまで5年 対話を重ね待ち続けた校長の覚悟 <2>どよめくPTA総会
どこが主体でやっているのか保護者も先生もわかっておらず、でも「当然あるもの」と思われている団体――。そんなPTAに疑問を抱きながらも、役員たちと何年も対話を続け、PTAが変わるのを待ち続けた、ある校長がいます。 ついに「PTAを変えたい」という保護者が現れたとき、この校長はある思わぬ行動に出ました。その行動とは? 前回に続き、住田昌治先生(現・横浜市立日枝小学校校長)のお話です。これまでの形に捉われない、新しい学校の在り方の実践で知られる住田先生は、前任校(横浜市立永田台小学校)で始まったPTA改革を、どんなふうにバックアップしていたのでしょうか? このインタビューは、2020年8月、Zoomにて行いました。 *手挙げ方式にしたら参加率が上がった理由――約5年前、住田先生の前任校(永田台小)でPTA改革が始まり、加入の強制をやめたところまで、前回うかがいました。このときに、活動の強制もやめ
「PTAは学校のお手伝い機関ではない」と明言する杉並区の元教育長・井出隆安さん(2020年3月にご退任)。最近全国の学校に広がりつつある「地域学校協働本部」(地域の人で学校をお手伝いする仕組み)は、杉並区で始まったといいます。 井出元教育長は、「PTAはお手伝いじゃない」ことを、どうやって現場に伝えてきたのでしょうか? 前回(「PTAがなくても学校経営はできる」PTAの真の役割とは 東京都杉並区の取り組み)に引き続き、お話を聞かせてもらいました。 筆者は「学校と保護者の間には、どんな関係性が必要なのか」をテーマに、学校現場を知る方々にインタビューを行っています。本取材もその一つで、今年2月に行いました*私は別に歓迎されに来たわけじゃない――どうして井出教育長は「PTAは学校のお手伝いじゃない」と言ってくれるんでしょう。 当たり前じゃない、そんなこと。 ――はい、そのはずなんですけれど…。他
PTAの取材を続けてきた筆者には、ずっとある疑問がありました。 文部科学省は十年以上前から、全国の学校に「CS」(コミュニティスクール、学校運営協議会)や「地域学校協働本部」の設置を呼びかけてきました。ざっくりいうと「CS」は地域住民がともに学校運営にあたる仕組み、「地域学校協働本部」は地域の人たちで学校をお手伝いする仕組みです。 それって、PTAとかぶるのでは? 特に地域学校協働本部は、現状のPTAと近いものがあります。PTAは行政上、社会教育関係団体ということになってはいますが、現実には校長も先生たちも保護者自身も「学校のお手伝い」という認識が大半です。 だとしたら、地域学校協働本部とPTA、両方はいらないのでは? そんな疑問があったのです。 地域学校協働本部は、既に多くの自治体で実施されています(*1)。名称や活動内容は自治体等によって異なりますが、割合よく聞くのは、PTAとかぶらな
保護者と学校には、そもそもどんな関係性が必要なのか? PTAという組織をいったん離れて、現場に何が必要かをゼロから考えるためのインタビューシリーズ。お一人目、映画「みんなの学校」で知られる大阪市立大空小学校の初代校長・木村泰子先生のお話の後半です。 前半(「やる人がいてへんかったら必要ないんちゃう?」PTAなしで始まった大空小 初代校長・木村泰子先生の話)は主に保護者組織についてのお話でしたが、今回は“サポーター”と学校の関係について、多くのヒントをいただきました。 インタビューは今年2月に行いました*困ってる子が困らなくなる学校をつくる――大空小では、「保護者」という呼び方をしないそうですね。地域の人も保護者も「サポーター」と呼ぶ。なぜですか? 保護者が守るのは自分の子どもだけでしょ。でも自分の子どもは家だけでいいねん。学校の門を一歩入ったら、自分の子どものまわりにいる全ての子どもを育て
新型コロナウイルスが広がるなか、新学期の学校再開はまちまちの状況です。当面休校が続く学校もある一方、変則的に再開する学校や、通常通りに始まる学校もあります。 そんななか、各PTAでも対応をどうするかが話し合われており、特にいま注目を集めているのが、書面によるPTA総会や決議(議決権行使)の方法です。 PTA総会は多くの場合、学校の教室や体育館に会員(保護者と教職員)が集まって行われますが、書面総会は会員に議決権行使書を配り、各議案への賛否を答えてもらうので、大勢が一堂に会する状況を避けることができます。(*1) 書面総会を行うには、具体的にどうしたらいいのか? ネットでいろいろ情報を見つけられますが、筆者も以前参考記事を書いていますので、興味のある方はご覧ください。 参考)PTA総会に出られない保護者や教職員の意思も尊重する「議決権行使」という方法 - Y!ニュース この春は、P連(自治体
PTAで苦しむ人をなくすべく、取材や執筆を続けてきました。しかし、それは実現可能なことなのでしょうか。 そもそもPTAという団体は、何をするために存在しているのか? 現在、多くのPTAが行っている活動から逆算すると、PTAの存在目的は「学校のお手伝い」「保護者の学び」「保護者同士の交流」「地域との橋渡し」などといえそうですが、果たしてそれらは皆「本来の目的」といえるものなのか? 本当はその名称のように、P(Parent)とT(Teacher)、すなわち保護者と学校が、対等に協力する場ではないのか? そんな疑問もありました。 そこでいったん、ゼロベースで考えてみたいのです。PTAのことはいったん脇において、P(Parent)とT(Teacher)、すなわち保護者と学校の間に必要なものは何なのか? どんな関係性が必要で、それはどのように実現できるのか? ということを。 そのため、学校現場をよく
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